2011年12月31日土曜日

夜明け

シングル満喫したのは夕方まででした。やはり夜は怖がりが復活してよく眠れません。その上、強い風と雨音もあり。この冬のパリの天気は本当に変です。まるで春先みたいに(欧州の、よって十分寒いです)小さな嵐が多い。 

そんな明け方、雲の切れ間からオレンジ色の朝日が覗きだした頃、2度寝から目が覚めました。 
その窓越しの景色に、ふと「来年も辛抱の年なんだろうな」と思ったのです。脈絡もなく、こんなこと思うのって何なんでしょうね。 

……なんて、脈、あったかもしれません。昨日読んだのは宮沢賢治「銀河鉄道の夜」。 

この物語のセリフではありませんが、 宮沢賢治といえば、
「雨にも負けず、風にも負けず」 
きっと、単純な私は潜在化でこんな連想をしていたのでしょう。


「雨にも負けず、風にも負けず」 
この静かな強さに憧れます。 
そういうヒトに私もなりきって、辛抱の2012年を正面から迎えたいと思います。 

暦を繰るの、パリではあと15時間後となりました。

シングル満喫中

作日は早起きして13歳の姪っ子を空港に送り届けてきました。延べ6ヶ月に渡るフランス留(遊)学を終え、サンフランシスコに帰るのです。 

任務完了!!疲れたましたよ~。 

13歳、可愛いけれど、生意気だし、話さないし、部屋に入ったままだし、いつもFacebookか、Youtubeか、MP3か、携帯でメッセージ送っているかで、オバサンはよくわからなかった。 

夫も私も話を聞いたり、知らないだろうフランス文化を紹介してあげようとしたけれど、興味なさそうな顔するし。これが噂のティーンエイジャーか、と納得しようとしたけれど、やっぱりちょっとマズいんじゃないの?とも思ったり。 

でも、学業頑張ったし、いい子のときも沢山あったし、悪いことしなかったし、OK、OK. もう私の責任下にないかと思うと気軽なものです。姉よ、頑張ってね。 

そして一昨日から夫は子猿達を連れ田舎に行ってます。なので今日はシングル!ご飯もいい加減でいいし、化粧しなくてもいい、あぁ、楽、爽快です! 

先ほどオペラ座近くにあるブックオフでお気に入りの時代小説を買ったので、お風呂に浸かって読んでもいいかな。 

今日はゆっくりと過ごして、新年はすっきりとした気持で迎えたいと思います。 

2011年12月29日木曜日

私の結婚観

唐突ですが、昔から私は「半分ガイジン」とか、「変ジャパ」とか呼ばれることがあります。どこか一般的な日本人的発想がかけているらしいのです。そりゃ元帰国子女だけど、人生の大切な部分は日本で育っているから、自分としてはりっぱに日本的視点を持っていると思っているですが、最近ふとしたことから、やっぱり違うのかな?と思うことが……

ここ何年か、「婚活」と騒がれていますよね?結婚したいのなら、積極的に活動せよ、という。
私はあれがよくわからない。婚活がんばれ~、っていうけど、結婚したら幸せなの?って思ったのです。

婚活は組織的に出会いの機会を作って、そしてその中で上手く「合う」縁があったら結婚するのです、ってことのように受け取ったのですが、違うでしょうか。見合いに代わる手段を自分で生み出せ!っていう。

そんな結婚、幸せなんだろうか、一緒にいるうちに愛情が高まればいいけれど、今の時代そう簡単に行くの?
結婚って、恋に落ちて、この人と一緒にいたい、という所から始まるものじゃないの?それが上手く成就して結婚して、縁があれば子供も出来て、もしくはそうじゃない選択もあって……
と思っていたわけです。

それが或る日閃きがありました。
きっと、私の結婚観、家族観が日本のそれとズレているんだ!と。

日本の家族、大切なのは調和とか、バランスとか、安定とか、そういう要素が揃えば、一緒にいることから生まれる愛情が育まれるもので、その鎹(かすがい)として子供もいた方がよくって、だから、「幸せ」という言葉は「安定」と置き換えられる?などなど思ったのです。

ここからは変ジャパ(変な日本人ということだと思います)の独断的意見として聞いてください。

私は、こういう安定志向の結婚って、今の時代はワークしない可能性高いと思います。
何か弱いと思う。今年のキーワードは「絆」らしいけれど、こういう結婚の絆は弱いと思うのです。
やはり絆≒愛でしょう?

昔、キリスト教の教えに興味があって、教会が無信者に対して講義する会に参加したとき、ある神父様がこんなことを言っていました。
「人は私に、何故神を信仰するのか、と聞きます。何かためになるからですか?(Does it do you good?)と聞きます。私の応えは、『多分、私にとって信仰とは、皆さんの結婚のようなものです。何か徳があるからこの人と結婚したのではないでしょう?愛せざるにいられないから結婚したのでしょう?』と。私もそんなものです(I cannot help loving Him.)』
それを聞いて、正直私は目からうろこでした。その時代は「三高」という言葉が騒がれていたし、無謀な恋の終わりの渦中にいた私に「次はもっと将来とか、自分のメリットとか考えた方がいい」と諭してくださる方もいて、そうなのかも?と揺らいでいた頃です。

私はこの神父様のおっしゃるとおりだと思う。結婚って、損得計算ではない、特別な恋愛だと思う。

まぁ恋愛結婚が上手く行かないとか、言うけれど、人間だもん、そういうこともあるさ、しょうがないじゃない、って思うのです。見合いの方が離婚率低いって言うけれど、それは一昔前の環境だったからそうであって、今見合い制度が残っていてもそうなのかしら。それに、離婚しない結婚=幸せな結婚か?なんか裏がありそうじゃないですか。
愛があって、安定もある結婚なら最高だし、子供がいるならそうあるよう努力すべきだと思う。でも愛があって、安定がなかったらそれもしょうがないじゃない、って。一緒に死に物狂いでサバイバルすればいいじゃない、って。そういう生き方を見せることも子供にとって良い教育だと思うんだけど。

そもそも、今の時代は女性も社会的に、経済的に独立している/or出来るのだから、結婚しなくたっていいし、婚活しなくてもいい、子供がいなくてもいい、そういう選択があってもいいと思う。独身だっていい、煩くしないで。彼女達は結婚、家庭とは違う形で愛情を捧げる対象がいると思うし、そうでなければ、それを探しているのだろうから。

今、国挙げて婚活・少子化防止って言っても空回りするだけだと思う。この時代はそういうフェーズということで、政府はそれに合わせた社会のインフラを整えてくれるべきだと思う。

……思わず、力が入ってしまいました。

是非皆さんの結婚観、幸福観などお聞かせいただきたいです。

2011年12月26日月曜日

素敵なクリスマスを!


遅まきながら、メリー・クリスマス!どんなイブ、25日をお迎えでしょうか。

うちはこんな感じでした。

私は、「25日には本当に何もいらないから、その代わり、バーゲンシーズンに入ったら、カルト・ブランシュ(何でも買わせて)を頂戴」と言っていたのに、夫からブルゾン風のニットをもらって、笑顔でありがとうは言ったけれど、正直ちょっとむっとしていました。「この分でもっと沢山安いもの買ったほうがいい」と思ってしまったのです。いけませんね。選んでくれる気持が嬉しいってものですよね。

昨夜は近所の教会で子連れ用のミサに行ってきました。
それはそれは、すごい人混みで、子供が走る、泣く、叫ぶ。
何故親は止めないのでしょう。席を外さないのでしょう、と寛大さのないことを思ってしまいました。
神父様達はこの混みも叫びも想定済みのようで、辛抱強くミサを祝福されていました。

そして、いつも日曜日に来ない人々もいるのだから、と「次はこういうことをします」と解説しながらミサを進行されます。

神父様のお話は、今日の夜中にイエス様が生まれる、という喜びに満ちた出来事について。
うんうん、新しい命がこの世に生まれたのね……心が温かくなります。

その後、コミュニオン、聖餐式の説明の中で、イエス様が十字架に磔になってこの世での命を終えることに触れます。

その解説を聞いて、先ほどのお話と繋げると、

新しい命が生まれ、30何年後に磔られて終わった、

ってことか、と。本当にそうよねぇ。

その流れを考えてしまいました。

こんなに祝福されて生まれたのに。
こんな終わりだったけど、イエス様は気高く生きられた。

私にはそんな貴い生き方が出来るかどうか、自信はないけれど、せめて、イエス様を見習って、一日一日を大切に、愛情込めて生きたい、生きなきゃ、と思いました。

明日からはまた通常の年の瀬です。
シャンパンもしばらくお預け。ご馳走(含むケンタッキー)と白粥を交互に食べている今日この頃。胃が「もっと労わって」といっているのでしょう。

皆様もどうぞ身体を大切に、素敵な新年をお迎え下さいね~
Happy Holidays to you all!!!

2011年12月24日土曜日

クリスマス準備、寝ダメ編

今日のクリスマス準備は、睡眠貯金です。 

夫も今日から休みなので、9時前まで寝ました。夫は寛大な人なのに、自分が仕事行くときに私が寝ているのは嫌みたいで、これ見よがしに電気つけたりします。私が仕事していたときは平気で寝ていた癖に……。 

まぁ、いいや。 

兄猿は、クリスマス間近の興奮から宵っ張りの早起き君になっていて、今朝も一人着替え、暗がりの中でレゴをやっていました。 

チビ猿は9時半頃、もうろうとしながら台所にやってきて、「の、のどがか、かわいた~。ぎ、ぎ、牛にゅうく、ください」と砂漠を放浪している人のよう。幼児はすごい汗かきますからね、いつもより睡眠時間が長かった分、脱水症状だったのでしょう。 

夫もゆっくり起き、お昼は豪華に近くのシーフード!とレストランまで車で行ったのですが、今日は臨時休業。 

代わりにケンタッキーでテイクアウトしてうちで食べました。 
「雲泥の差だね」と夫と笑いながらの何十年ぶりのケンタッキー、美味しくなかったですっ。味覚が大人になってしまったのですね。 
そして、その後、すごいのどが乾いて、どこかでMSG(味の素)はのどが渇くと聞きましたが、本当に、あの塩の強さと旨み調味料では、身体に毒だな、と思いました。 

そのあと昼寝して、夕方家族全員でスーパーに買出し。すごい人込みでした。フランスではイブは海老・牡蠣・カニ・スモークサーモンなどを食べるようで、魚売り場はミニ築地となっていていい感じ。こうでなくちゃね、年末。 

あぁ、有難き平和な夜。 
感謝の気持を伝えに、明日はイブ・ミサに行きます。

2011年12月22日木曜日

冬至の今朝……


日本では今朝5時過ぎが冬至だったそうです。フランスはお昼頃ってことかしら?

節目を気にせず生活しているけれど、いつもこの近くになると、「冬至っていつだっけ?」とこの日を待ち遠しく思います。欧州は日の長さが極端ですから、たとえば午前8時半現在、外は薄暗い。夕方も早く、午後5時には「日が暮れた」状態になります。よって、公園も4時30に閉まってしまう。ダラダラと冬休みしている我が家は、気付くと子猿達を外に出す機会を失った!という毎日です。

冬至ということは、明日からは日が長くなるってこと。Yeah!
あぁやっと!って思います。やっとこの2011年が終わるって。

この一年、我が家は何か「すぐれないなぁ」感のある一年でした。
夫の体調、仕事、私の仕事も。どれも状況の改善を期待しては、肩透かし、のようなところがありました。期待したけど、真っ向から玉砕というのでもなく、でも気付くと何事もなかったように、淡々と以前の生活が続いている、みたいな。努力もしたと思うけれど、今振り返るともっと出来ることがあったのでは、という焦りもあり。

2011年は天災も多く、東北の被災地や放射能のことを想うと、「何こんな小さなことで」とわかっているのです。傲慢なんでしょう。

何を期待しているか。
新たなる展開が欲しいのだと思います。今日よりも一歩前進した明日が欲しいのだと思います。
欲しい、欲しい……こんなとき、自分は相変わらず子供だな、と認識せざる終えません。

一方で、感謝の気持も一杯の2011。
家族みんなが健康に、この一年を過ごすことが出来てよかった。夫婦、家族仲良く暮らせてよかった。子猿達も心身ともに成長して良かった。
そして、エトランゼを通して皆さんと「出逢えた」ことも良かった。

2012年はどんな年になるのでしょう。
希望を胸に秘め、一歩前に進む努力を忘れないで日々過ごせる、そんな366日でありますように。
天災のない一年でありますように。放射能の問題も改善されますように。

あと少しですね、良い年の瀬をお過ごし下さい。

2011年12月19日月曜日

クリスマス・パーティ②



週末は拙宅に大人6名、子供10名にてクリスマス・パーティーもどきを開催しました。
一言、疲れた~。
夫側の友人家族がゲストだったわけですが、皆とても良い方々なのはわかっていても、私は別のカルチャー、常識を持って育っているので、「口に合うかしら、変なことないよね?」という危惧があり、自分の友達を招くときより、緊張します。

前日です。兄猿、ポインセチアの後ろに何かをかくしているのでしょうか。
で、結果としては楽しく終わったかと。

自分が子供の頃、クリスマス前に父親の会社主催のクリスマス・パーティがあり、その華やいだ雰囲気に夢みているような気になったのを覚えています。
まぁ、夢みていうような……というのには程遠くても、にぎやかで楽しかった、と思ってもらえた、かな?
子供達には、チキン・ナゲットやピザを用意したのですが、
フランス人のお子様は大人の食べ物も結構いけました
そして、このエントリーのために料理の写真撮ろうと思っていたのにも関わらず、バタバタの中忘れてしまいました。以下は、翌日、残り物で取った写真です。
パンプキン・ムース。ハロウィン以来、冷凍保存し、
少しずつ使っていたかぼちゃもコレでようやく終わりました。
義理母お手製のかぼちゃは甘みも多く、トッピングにはタピナードと中華風の練り唐辛子を混ぜました。
初めて作ったフォアグラのテリーヌ。まぁまぁの出来かと。
イチジクのコンフィとパンはポアラーヌ
薄餅というクレープに煮豚薄切り+キューリ+浅葱+てんめんじゃん
この薄餅は小麦粉と卵+水とごま油で作るのですが餅もちで二日目でも美味しかったです。
アルコール飲まない方向けのポンチです。これも明美さんのレシピを手軽にしたもの
絞りたてのオレンジジュースに、レモンの薄切り蜂蜜漬け、スパークリング・ウォーター
そして、今回はしょうがの絞り汁を加えてみました。大好評でしたよ、ありがとう、明美さん!
マグロのたたきのレモンマリネ+ねぎ+キューリ巻きです。パーティでは
軍艦巻き風にしました
全体の写真が撮れなくて残念です。ロールケーキの中身にバニラ・アイスを巻き込んだ
アイス・ブッシュ・ド・ノエル。飾りのチョコレートは大きい子供達にしてもらって、キノコの山を乗せ、
花火もつけてのショーアップ。
キノコの山、こちらでは3・8ユーロもするんで、これは韓国製のまがい物にしました!
大人用に、ショコラ・キャラメル・タルト。
濃厚です・・・
・・・ので、フルーツサラダもつけました。冬のフルーツサラダはオレンジなどが美味しいですね。
食後のコーヒーと一緒に、ピエールエルメのマカロンを。
やはり薔薇のが一番好きです。
この会のお開きが午後5時ごろ。その後片付けながら、ボトル半分くらいのシャンパンを一人で飲みました。美味しかった!このくらいの役得があってもいいでしょ、ねぇ。

さて私にとっての一大イベントが終わり、心静かにクリスマスを待ち・・・・・・たいところですが、まだ義理の家族へのプレゼントがノータッチということに気付いて慌てふためいている夫と私でした。

大人にになってもクリスマスは楽しいですね!
皆様も、Bonne Fete、Bonnes Vacances!

餅つき in Paris


週末が来るたびに思うのは、私は食器洗い機の中身を出すためにこの家にいるのだろうか、ということ。朝・昼・晩、食洗機に皿をいれ、ボタンを押し、取り出す。どうしてこんなに単純なことを誰も手伝わない? 

日本にいらっしゃる方にすれば、あるだけいいじゃないの、ということになると思いますが、人間不満はいつでも生まれるもので、夫、そして13歳の姪も、もちろん子猿達も食器洗い機が一杯でもスイッチオンしないし、終わったよ~、というシグナルが出ていても何もしません。当然のごとく、ほっておきます。 

こんな些細なことにイラつくのも、昨日の土曜日はお客様があり、夜遅くまで洗い物に追われていたからでしょう。 

そんな日曜日。まだまだ疲労の色強く、夫も疲れているよう。段取りは全部私がやったのに、何で疲れる?って聞きたいのですが、グッとガマン。そして、神様ごめんなさい、ミサはさぼり、昨日の残り物でお昼を終わらせ、子猿達の日本語補修校主催の餅つきパーティーに行ってきました。 


餅つき、これが良かったのです! 
当初面倒くさそうにしていた夫も、主催者側のホスピタリティーに、兄猿にせっつかれての初の餅つき体験に喜びを感じたようで、「杵は重たいんだよ」って嬉しそうに報告してくれました。 
子猿も帰りがけぽつっと「楽しかった」って言ってくれたし。 



こうして思うのは、今家族がいる自分は本当に幸せだということ。食洗機で孤独を噛み締めたりもしますが、夫が、子猿達が、前向きな気持で明日を迎えられるようにと、段取りし、食べさせ、寝させ、という単純な日々に喜びを感じます。心身共に元気な家族を見て、私もエネルギーをもらっているのです。 

さて、餅つき。 
「日本では正月に餅で祝うので、年末には各地方、各地域、各家庭で餅つきをします」と主催者さんより解説がありました。 

・・・・・・うちはそこら辺の風習をフォローするの、弱かったからなぁ、年末行事ということを忘れていました。 

白いご飯をついただけの超シンプルな祝い食の御餅。 
貧しかった頃の日本ではご馳走だったのでしょう。でも贅沢な現代人の私には、このシンプルさが、ご馳走というよりは、「日本の美」として映ります。白くって噛み締めると甘くって、おなかの持ちがよくって、あぁ、大好き、御餅も日本も。 

お土産用の切り餅を分けてもらいました。5ピースで2・5ユーロのを二袋。この5ユーロはタイの水害に遭われた方達の義援金となるそうです。主催者様、本当にありがとうございます。素晴らしいです。

この切り餅、早速今夜、兄猿は磯辺にして食べたいそうです。 
食べさせてあげようじゃないですか。 

今週も平和に終わった週末でした。

2011年12月17日土曜日

クリスマス前の静かな夜に……

今夜は珍しく遅くまでPCに向かっています。 

先ほどまで、幼児の男の子4人とティーンの女の子が3人、ママ友と私で大騒ぎしていたのが嘘のような静けさです。夫はかわいそうに、ビジネス・ディナーで外出中です。 

明日からは忙しい週末の準備で、来週からはクリスマス休暇で子猿達とずっと一緒で、再来週からは夫もクリスマス休暇なので、新年までは一人時間はお預けです。果たして持つでしょうか、私の平常心。 

昨日から大江健三郎のヒロシマ・ノートを読み始めました。1963年頃に書かれたものです。 
告白すると、私はまだ広島の地を踏んだことがなく、すなわち平和記念館を知りません。まだ読み始めですが、被爆者が「そっとして欲しい、普通に生きて、普通に死にたい」と切にねがっているレポートに、私のヒステリックな被災者への想いが、もし東北に届いていたら迷惑だったろうな、と思ってしまいました。Twitterの被災関連ツィートも、現在の当事者にとってはどう受け止められているのでしょう。 
静かに祈る、義援金を託す(上手に使ってくれるでしょうか)、他にできることはなんだろう。 

どうか、世界中の人々が静かに、心静かにクリスマス、そして年の瀬を迎えることができますように。 
そして新年は、静かな希望がふつふつと湧くような、そんな気持で朝を迎えられますように、祈るばかりです。

2011年12月15日木曜日

クリスマス準備、開始!


土曜日に拙宅で、大人6人+子供10人を招いてクリスマス・ランチをします。

今日はそれに向け料理の仕込みを始めました。

フォアグラのマリネ、
これは、フランスの冷凍食品チェーンのPicardより、生のフォアグラを買ってきたのを一日ほど、ボルト酒、アルマニャックなどでマリネしてから調理してテリーヌにするのです。義母が毎年作っていて、「きっと、ルノートルとか、そういう恐ろしく高いところで調達しているんだろうな」と思っていたら、このPicard社のものだと聞いて拍子抜けしたのが昨年のノエル。
私も美味しくできるでしょうか。

テンメンジャン・ソース、
これは、北京ダック風に焼き豚を胡瓜、浅葱で巻いて、甘ミソソースで食べるため。皮はCarolineさんこと、グルメのあけみさんに教えていただいた薄餅を当日に焼く予定です。

アンチョビソース
これは、アンチョビとツナ缶とクレーム・フレッシュという、サワークリームみたいなものをブレンダーでピュレにしたもの。これを茹でた小ぶりのジャガイモを半分に切ったのにのせ、カナッペにします。

今日できることは、あとはロールケーキとこのショコラ・キャラメル・タルト。

子供達にあげる、小さなプレゼントは子猿達が昨夜詰めてくれたし。



イベントは、始めるまではメンドーだけど、エンジンかかると楽しいですね。

続きは週末にアップします。

みなさん、後二日で週末です、がんばりましょう!

2011年12月12日月曜日

二冊の本

先週は「オバサン未満」というのと「グランド・ミステリー」という、全く関連性のない二冊の本を読みました。前者は、現代アラフォー洞察エッセー、後者は本格的ミステリーで舞台は第二次世界大戦末期。

オバサン未満を書かれた酒井順子さんはプロフィールを見ると66年生まれ、ということは私の一歳上です。本では、40代に突入して発見したことを面白おかしく書いてあり、同感することもあれば、そうでないことも多々。例えば、彼女はその昔「バブル世代」だったアラフォーは今だに景気良いことを好む、というのですが、私はそうではない。たった一年の違いがそう思わせるのか、属する社会層が違うからなのか。
私の場合、学生時代はディスコ全盛や就職売り手市場というのはそうだったけれど、87年にブラック・マンデーがあり、90年に就職したもののボーナスは下がる一方でした。その後も景気の悪い話ばかりだし、いつも黒い影が後ろから忍び寄っているような、前方の空には今にも雨が降りそうな雲が待っているような不安感の中にいます。
「バブル世代」は元気がよく、お金を使うことに躊躇いがない……確かにそういう社会層も存在するのでしょうが、ピンと来ません。どちらかというと私は「人生の辛酸を知っているアラサー以降」の価値観の方が身近に感じます。肌のハリだけは、りっぱにアラフォーですが……。

***

さて、奥泉光氏のグランドミステリーは素晴らしかった。
この作家はちょっとだけウンベルト・エコーみたいではないですか。プロットも綿密だし、時代(昔+現代)に対する造詣も深い。ところどころで彼の日本に対して感じていることを話から浮かない形で表現しているところも素晴らしい。
「日本人は幽霊だ。実体なくゆらゆら流れている」……落ち込むけれど、本当にそうだ、と思ってしまう。「日本は今後もアメリカの属州として形骸化しながらビクビクと存続するかもしれないけれど、少しずつ滅亡に向かっている」……放射能のニュースに怯えながら、どうやって子供を守ろうかと思っている親御さん達の想いではないでしょうか。
本の所々で、主人公の妹、範子がそんな暗いの「関係ないわ」とでもいうのな潔癖さで登場するのが救いです。そして、範子のキツイ発言も小気味良く。

この関連性のない二冊に共通しているのは、女性は強い、ってことかと思います。いい意味でも、そうでない意味でも。
戦後焼け野原に立ちすくみ、男性らが絶望している横で女性が思ったことは「今夜の味噌汁の具、どうしよう」というのを友人(女性)から聞いたことがあります。想像易し、ではありませんか?
景気の悪さ、社会の暗さを吹き飛ばすような力強い女性、明晰な女性、そういうヒトにワタシもなりたい、と思いますです、はい。

2011年12月7日水曜日

笑うしかありません!

昨日ほどハマッたことはありません。 

夜、子猿達の学校の食堂で、親の持ち寄りクリスマスディナーが催されました。私はお手伝いがため、夫より一足先に学校に向かうこと7時半。既に真っ暗ですし、引ったくりも怖いので、お寿司をつめた紙袋だけで、携帯はポケットにいれて出かけました。 
夫はその後に自宅から来ました。 

パーティは会話も弾み楽しんで帰宅すると11時半。 
うちはマンションの8階です。最近よく故障するエレベーターの中「朝まで閉じ込められたらシャレにならないね」なんて笑いながら無事、玄関前に到着。 

「鍵は?」 

どちらも持っていません。 

でも、まぁベビーシッター役の姪っ子がいるから、と、ドアベルを鳴らしますが、反応ないです。すごい音なのに。ここら辺でざわざわ胸さわぎ。 

彼女の携帯、固定電話にもかけるけれど、応答なし!!ドアをノックするも、蹴るも、反応なし、です。そうこうしているうちに真夜中過ぎ。管理人さんの手を煩わせるには遅すぎる。夫は「ホテルに行こう」っていうけれど、二人とも財布はないし、この近くにホテルなんてあったっけ?たとえドアの外でも子供達の傍にいる方が安心だし、なんて考えているうちに外は季節外れの嵐が再開した模様。車の鍵もないですし動けなくなりました。 

信じられないけれど、ここで夜明かしするかぁ? 

「ごめん、僕が鍵を持っているべきだった」 
「私もだ」 
「カミーユ、起きて~。子猿よ、トイレに発って~」 
だめだ、13歳と幼児の睡眠は深そうです。13歳は部屋を閉めて寝ているのでしょう。 

覚悟を決め、夫は横になります。ドアマットに頭を乗せて、です。 
私も「考える人」ポーズで睡眠を試みますが、難しいです。 

チクタクチクタク……どうかネズミなど出ませんように。 

寒くなってきました。コートの前を合わせるために立ち上がります。 

午前二時。 

ホームレスよ、なぜこんな寒い思いをするまで自分を放っておく。少しだけ、彼らの苦しみを垣間みたような気になります。 

やはり眠っていなかった夫、むくっと起きて 
「もう一度電話してみよう」 
と固定電話に電話すると―― 

Yes!! 

室内の物音がします!! 

「カミーユ!」 
「ドア開けて!」 
と叫ぶ夫婦。 
「……ごめん、いつからそこにいた?」 
と寝ぼけ眼でドアを開ける13歳。 

もう疲れきっていた私達、 
「随分前からよ。いい?これからベビーシッターするときは、私達が戻るまで部屋のドアを開けておかなくちゃだめよ。子供達に何かあったときに気付くのが仕事なんだから」 
「……OK、Sorry」 
「早く寝ましょう」 

End of story. 

今朝は3時近くから7時まで寝ました。夫は普通に出勤。私はまだ頭がテンパッている感じです。 

でも、誰もヒステリックにならずに事態を乗り越えることができたのがよかった。 
今までは建物内の夜中の騒音に厳しかった私ですが、少し寛容になれそうだし。 

Alors、
どうぞ皆様一緒にこの大失態を笑い飛ばしてください。 
そしてお出かけの時は鍵を持っていきましょうネ!

2011年12月5日月曜日

眠り病と読書

不眠症気味の夫の分まで眠りに眠った週末でした。果たして先週一週間飲まされた抗生物質のせいなのか、実は子猿達より風邪ウィルスをもらっていたのかわかりませんが、朝寝坊して、昼から夕方にかけて寝て、夜は不通に早寝してました。

また週末のパリは雨模様で、家族みんながダラダラムードだったのも拍車をかけたかもしれない。夫はコンピュータで趣味の世界に没頭。子猿達は、引越しするお友達から頂いた機関車でトーマスの世界に入り、姪っ子はMP3を聴きながらノリノリで歌っている。私は睡眠の合間に、雨読に耽る。

どれもヒットだったのですが、まず、神永学氏の「心霊探偵八雲①」、これ面白いですね。近年、心霊ものが流行っていませんか?私が読んだだけでも、雨柳堂夢咄、百鬼夜行抄、陰陽師(ちょっと違うか)・・・・・、どれも亡くなった方との交信っていうことかと思うのですが、これは何か現代日本人の死生観に関連するのでしょうか。神永氏の文章は何か私にフィットするものがありました。

次も初めての作家、宇江佐 真理さんの雷桜。うわぁ、素敵な話!と思うと既に映画化されている。凄いですね、日本の商魂。でも、こういう秀作が映画化されるのは嬉しいことです。淀んだところのない筋も気に入りました。悪人以外はみんな善人なんだけど、それがうそ臭くないところに技量を感じる。宇江佐 真理さん、これから凝りそうです。

新しい作家といえば先週読んだ道尾秀介氏の月と蟹も良かった。まだ若い方なのですね、びっくりしました。文体からはもっとおっさんおっさんしている人かと思ったのに。

昨夜から再チャレンジ中の奥泉光氏の「グランド・ミステリー」もはまってきました。この作家は思いっきり自分の持ち味を前に出し、オタクと思われようが、宗教的(クリスチャン)に偏っているといわれようが、読みにくいといわれようが、書きたいように書く、それも肩張らずに自然体で(オタクってそういうところありますよね)好きなように書いているところが好きです。

皆さん、今働き盛りの年代の方達。こんなに才能豊かな作家が沢山いることを知ると、この先の人生も飽きることがない、とホッとします。
睡眠も十分すぎるほどに補充した週末。まだ眠い気もするけれど、働きますか、月曜日。

どうぞ良い一週間を!

2011年12月2日金曜日

パリ児童書展示会+ベルビルのベトナム


何の絵がわかりますか?
見た瞬間にわかった人、貴方の子供度10点満点です。5秒見つめてわかった貴方は、5点くらいでしょうか。これは、パリの児童書展示会「Salon du livre et de la presse」のポスターです。先週あたりより、パリのメトロの通路、新聞などで盛んに宣伝されており、子供達がこれを見ると即座に、「ライオンのべべ(赤ちゃん、オバちゃんはべべじゃないと思うんだけどなぁ)だ」と喜ぶ姿が見られました。

児童書を書いている私としては、興味津々。どんなサロンなんだろう、と行ってみると……

ブレていて申し訳ないです。エスカレーターより撮影
すごい人込みです。そういえば、メトロにも沢山ちびっ子たちが乗っていました。社会科見学なのでしょう。会場では子供向けのアトリエや催し物も色々ありました。

 サロン会場の一階・二階に、大手・中小規模な出版社が店を出し、

ミサトさん、Play Bac社のブースですよ~
 色んな絵本・児童書を所狭しとならべ、その間を子供達がここぞとばかりに立ち読みしている、その姿がと~っても可愛いの!
皆目がキラキラですよ。「子供達の本離れ」なんて、何処吹く風。

セギュール夫人も今風の装丁になっています

このソフィー、ちょっと怖くないですか?
 また、多くのイラストレーターの姿も見られました。頼むと即興で絵を書いてくれたり、その人の本を買ったときなどは、イラスト入りのサインをもらったりで、子供達が嬉しそうだったこと。

言語は見た限りフランス語訳の本でしたが、原作は世界から。
幻想的なロシアの作家の本もあれば、三国志でしょうか中国の絵本、また、私が幼い頃に読んだアメリカの絵本などもありました。


そして、日本の作家の本が多かったこと!
猿蟹合戦など、日本の古典もあれば、江ノ電のような電車とザ・日本な街並の絵本もあったりで、こんな風に子供の頃から日本に興味をもらえたらいいなぁ。

そしてこういう風に絵本を通して世界に触れて育つ子はコスモポリタンになりそうではないですか。
いい感じいい感じ!


飛び出す絵本も沢山。今は飛び出し方も凝っています。「すごいねぇ」と感心していたら、絵本ファンの友に、「日本にはもっとすごいのがある、だめだめ、こんなので感動してちゃ」と。
絵本の世界でも、日進月歩が起きているのですね。

何冊かクリスマス・プレゼント用に買いましたが、絵本選びって難しい。
私が可愛い、いい話、と思っても、子猿達には反応しないこと多いです。
大体、ロングセラーの絵本って、大人には単純な話だったり、絵も普通に可愛いだけ、ってこと、ありませんか?
……そうです、私はあのライオンがライオンとわかるのに10秒かかった派です。
子供心、わかりたいわぁ。


さて、満足なサロン見学をしたあとは、ベルビルに行ってベトナム料理を頂きました。
Belle Ville、美しい街という意味ですが、街並はかなりラフな移民街です。昔はきれいだったのでしょうか。
そういえば、Ville Juifという街もありますが、ここは昔はユダヤ人街だったのかなぁ。ほら、ベニスの商人で昔は迫害されてアパルトヘイトのように居住地区も別にされていたように。
もしそういう過去がある街だとしたら、いつの時代も人間ってバカですね。

さて、ベトナム料理。
写真全部ピントがぼけていて申し訳ないです。でも余りにもハマった味だったので、載せます。
お馴染みのセット。ミント・バジル・レモングラス・レモンにもやし。このミソ風ソースはベトナム・ミートボールにつけて食するそう

サテ風フォーです。スープは紅いけれど辛くはない。こってりしたお味です。中には薄切りの牛肉が入っていてスープの熱で火を通されます。麺は、最後まで腰もあって気に入りました。
もう、大満足・大満腹です。

勇気あるマイフレンドHさんが頼んだ怪しげな飲み物。ココナッツミルクベースでした。
お店は、東を二回書いて、Tintinというところ。
Belle Villeは道によっては危ないので、大通りで沢山人通りがあるところにいた方がいいかな。余り裏道的な場所に深入りするのはお勧めできません。

そんな昨日のしわ寄せで、今日は買出し・掃除・洗濯に追われています。

皆さんもどうぞ、Bon weekend!!