2018年3月20日火曜日

リセットの春

それでも春は来る

残雪が光る今朝のベルサイユです。

春分の日まであと少しだというのに、先週末は雪が降りました。
東京、横浜はいかがでしょう。
この冬は、パリ/ベルサイユと東京/横浜の天気が面白いほど似ていて、あちらが寒波だと聞くと、こっちも来るな、と覚悟し、こっちが雪だと、「そっちも降るかもよ」と東京にいる母に警告しています。


先週まではこんなに春爛漫でした

最近、わが家の話題といえば、家のリフォームです。
ボロボロの家に住んでいるのですが、今年は思い切って大改造をすることにしました。
フランスでは、日本のように建て替えることは稀で、古い家をリフォームして住み続けるのがスタンダードです。
よってデマンドは高いのに、それでもリフォーム業者は切磋琢磨せず、サービスはすこぶる悪い。昔からの職人など滅多にいなく、訓練されていない人ばかり。「お金だけ貰ったらトンズラした」「間違った資材を使われた」などなど、恐ろしい体験談をよく聞きます。

日本であれば、多分二、三か月で終わる工事なのでしょうが、
ここはフランス。倍くらいかな、と思いきや、
「半年? マダム、ご冗談でしょう。一年は見た方がいいですよ」
とは、建築家さん。鼻高々に笑顔でそう通達されて、私は一瞬気絶するかと思いました。


リフォームしたらこうなる予定。
私の妄想で終わりませぬよう…・

これは一つの例でして、
フランスで暮らしていると、こんな感じで、コトが進まない、予定が立てられない、思い通りにならないことばかりです。仕事でも、銀行でも、学校でもそう。
「では、近日中にご連絡しますので」
と言われて電話が掛かってきたためしがありません。
いつもこちらからプッシュしないとことが運ばない。こちらがお金を払う側なのに、でもです。
コミュニケーションもほころびだらけで、正確なところが分からず終いなことが多い。

そんな日々が続くと、時々倦怠感のようなものに襲われます。
落ち込んだときは、このドリームハウスの写真をみます。
昨年の夏訪れた、中禅寺湖畔にある旧イタリア大使別荘
人と言うものは、心のどこかで新しい展開を望んでいるところがある。
家のリノベーションや引っ越しというのもそうだし、転職もそう。もっと気軽なところでは、旅に出るとか、新しい本を読むとかもそう。

私の憂鬱の理由の一つは、フランスでは、こういう新しい展開が展開されないところ!仕事を探すにも、社会システムがためにポストが少ない。引っ越しするにも、これ、という物件が少ないこと! 家の売買に伴う手続きとコストがために余程のことがないと踏み切れないようです。本だって、新しいものにチャレンジしてイマイチだったことが続きすぎて、勇気が出ずにいます。旅に出るには拘束が多いし・・・・・・。

愚痴が多いですって? そう、憂鬱のもう一つ大きな理由は、アラフィフという年齢でもあるのだと思う。
能天気に、ずっとずっと夢見がちに生きてきたけれど、もうすぐお年寄りになってしまう。それなのに何も成し遂げられていないと言う衝撃の現実。参ったなぁ。落ち込むなぁ、という......。これが色々なことをポジティブに流せない理由の根底にあるのかも。

でも、ね。Life goes on ですからね。
時には憂鬱を受け入れてあげることも大切だけど、そろそろリセット。

一日一日一喜一憂、二歩進んだと思ったら一歩下がる、
そういうものだと腹をくくって淡々と暮らすしかないんだな、という、覚悟のようなものが出来つつあるこの頃。

ついでに。
これはドリーム邸宅の縁側から見える中禅寺湖
ため息……
日本でも不動に見えた政権がようやく揺らいできましたし、腐敗していると思ったメディアもゾンビのように生き返ってきましたし、待っていれば、コトは起きる。

私も大人ですから、がっかりシリーズなどにマケズ、ジッと待てというのであればキれずに待とうじゃありませんか。

雪を被っても、明日はきっとまたふんわりと咲き続けるだろう野花のように、むんずと踏ん張って、毎日リセット、毎日再スタート。

皆様も、季節の変わり目、どうぞご自愛くださいませ。
また行きます!