2020年5月27日水曜日

フランス、遠隔授業のその後

もうすぐですね。
今朝、学校からのメールがありました。


「近日中に、政府からロックダウン緩和の第二弾について発表がある。
そこで、パリ首都圏の感染率が下がっていたら、中学、高校も再開できる。だが、我が校は、政府が設けている衛生上の条件のうち、一クラス15名までというのには対応出来ない。よって、基本的に、今学期は終わりまで遠隔授業を続ける」
……予想通りでした。ちび猿の、Yuppi!という声が聞こえます。

「だが、遠隔授業だと就学が困難な生徒には、対面にて補習したい。実態を知りたいのでアンケートに答えて欲しい。」
……アンケートは実にシンプルで、「子供が自宅学習することに困難がある、ない」、「もし学校に通わせるのであれば、昼食は自宅で対応出来るか、否か」と言う程度のものでした。

「その他の生徒に関しても、対面することの大切さを認識している。よって、学校に登校する日を一日設ける。そのときに成績表を渡し、生徒は学校に返却すべきテキスト・タブレットなどを持ってくること。登校日は、人数制限して決め、追って連絡する」
……子供にとっては、大した重みがない一日となりそう。

「終業日は、教育省からは、当初予定より先延ばしの7月4日と言われているが、そこまで生徒達の集中力を持っていくことは困難だ。家で子供達の勉強態度を見守っている親御さん達も疲れていることだろう。よって、本校では、6月26日を今年度最後の日とする。授業自体は、その一週間ほど前に終了し、そのあとは、来年度に向けての、周知・指導に使う。」
……一週間もオリエンテーション?それも遠隔・オンラインで?
……ま、いっか。


2ヶ月以上ぶりに、パン屋で買い物しました。
焼きたてのバケットはやっぱり最高!
サンドウィッチの基本、Jambon beurreです
先日のブログで、義妹夫妻が怒りまくっていた、と書きましたが、その一つに学校のことがありました。彼らの子供達は、一人が初等部、一人が中等部、もう一人は高等部に通っています。

彼らいわく、
「先生達が手抜きし過ぎている。ちゃんとやっている先生もいるが少数だ。」

「コロナ・バカンスを決め込んで、自分の別荘で悠々自適にリラックスしてに決まってるわ。」

「遠隔授業だと? 教育プラットフォームに、『何ページ~何ページまでを読み、感想文を書くこと』とあるが、提出しなくていいそうだ。要するに添削しなくてよいという。数学も『添付したプリントをやるように。解答も添付するから自己採点すること』。これを授業と呼ぶのか?教師にしてみたら何て楽なこった!」

「オンライン、オンライン、って何よ。さすがに春休み以降増えたけど、一日一コマあるかないかでしょう?全部オンラインすべきよ」

「その上、6月半ばに終了するなどとほざいている。教育省は7月4日まで、と言っているのだから、そこまできちんとやるべきだ。子供達の集中力が持たないなら、持つような授業をすべきだ」

と、熱い熱い。

日本では、26府県が夏休みを短縮して授業することを決めているそうですね。私はフランスもそうしたら良いのに、と思っているので、そういうと、

「私もそう思っている。でもそれを提案したリセ(高校)の校長はクビになったの。もちろんそれだけが理由ではなかったけどね。夏休み2ヶ月もあるんだから短縮しても良いと思うんだけど、もう先生・PTA両方から猛反対があったらしいわよ」

……とのことです。
ちなみに、彼らの子供達はパリ16区のトップクラスの私立校に通っています。うち一校は、マクロン夫人がかつて教鞭をとられていた学校です。


義叔母からのプレゼント。
同じアルコールなら素敵な香りで除菌しましょう、という。
マスクにも一吹きして使っています。

9月からはどうなるのでしょうね。
これを機に、少人数学級になればいいのに。
わが家は、インターナショナルスクール時代に、その素晴らしさを知ってしまいました。
一クラス12~15名でした。
先生も教えやすいでしょうし、何よりも、虐めが避けられます。家族のように皆友達になると思う。インターでは、変わった子も、勉強ダメな子も、「しょうがないな、ほら」って皆でインクルーシブにやってて、ほんとに感動しました。
まずは、ここにお金掛けて、やるべき。

時代は「インクルーシブ」だと思う。
排他的な考えを、それこそ排除しないと、銃殺事件やテロや引きこもりが止められません。
今、学校が排他的な考えの土壌になっている気がします。
日本も、9月スタートよりも、こっちを考えたら? 
(桜の季節が終わりと始めというのは情操教育にとても良いと思いますよ)
などなど、またアップデートしまーす!
引き続き、Stay safe!!

2020年5月25日月曜日

日常へ……




青空が広がるベルサイユより、おはようございます。


月曜日の朝、窓からは、新緑の明るい緑と、青い空しか見えません。

週末は、木曜日がイエス様の昇天を祝う祝日で、そのまま週末まで繋げた4連休となりました。そこで実に2ヶ月+ぶりに、義理家族の集まりを催しました。私と夫にとっては、2週間前に外出制限が緩和されてから初めてのおもてなしです。

まず木曜日に、義理の甥が2人来訪。二人とも、うちの兄妹猿と一つ違いで大の仲良しです。
お昼はバーベキューで、焼き肉を。ティーンエイジャーの男子4人と私達夫婦で、何と2.5キロのお肉が消え、

後で出てくるグラタン・ベネディクト
ツィッターの繋がりから教えていただいたレシピです。
堅くなったパンをとっても美味しくリサイクルできます!
                                                         
翌日金曜日には義叔母がお昼に来訪。
この日は、白アスパラを卵マヨネーズやビネグレットで和えたもの、牛肉の煮こごり風テリーヌ、そしてメインは、スコットランド産のサーモンのバーベキュー、手作りフレンチフライなどなど。
デザートには義叔母が好きなクレーム・キャラメル(プリン)を作ったのですが、これが過去最高の出来!

ピンボケしちゃった。
春巻きの皮は、フィロ(フランスではBrick)で代用しました。
翌々日土曜日には、義妹夫妻とその娘が来訪。義甥の一人の誕生日ということもあり、
田舎風パテやプロシュートなどのシャルキュルトリ・プレート、和風春巻き、鶏唐揚げ、牛肉の煮こごり風テリーヌ、白いごはん、堅くなったバゲットとポテトをベシャメルで絡めたグラタン・ベネディクト、ブロッコリーとクランベリーのサラダ、トマトとモッツアレラのサラダ、チーズ各種。
デザートは、手作りミルフィーユとショコラ・フォンダン、

と、タイプしているだけで、ゼイゼイ言いそうなほど、料理しました。春巻きなど、フラ初めて作るに等しいものもあったのに、どれも上手くいって、神様ありがとう!
結果オーライだとストレスはなしですね。(疲労はあるけれど)




義叔母とは、ロックダウン中も、電話で話していて、そのたびに、ロックダウンに対する不満を散々聞かされていたので(「コロナ、コロナって騒ぐけど、あんなの単なる風邪じゃないの!」)予期していました。区長、市長、そして首相に、十通以上のクレームレターを送っていて、その度にその手紙を私のところにもコピーしてくれていましたし。

でも義妹夫妻の政府批判は、不満というより、怒りのレベルで驚きました。
いわく、「恐怖を煽って、罰金で締め上げて、まるで、子供扱いしている」「マクロンは、今回、これは戦争だ!と脅かして、その上、休校だ、ロックダウンだ、経済は中断しろ、とプライベートセクターにも口出しして、皆が服従することへの快感に酔っている」「首相も厚生大臣も使えない。根拠ない発言ばかりだ」
「もっと早く対応していたら、こんなことにはならなかった」
「ロックダウンなど必要なかった」
「この先、恐慌になったらあいつらの責任だ」
と、批判の言葉は終わることなく。

そうそう、この二ヶ月の間、叔母は、必要書類を持たずに散歩に出掛け、アパルトマン近くのベンチで休んでいたところ、警察に捕まり、危うく罰金を取られそうになった、と涙ぐんで電話かけてきたこともあります。
「どうして書類を持っていなかったの?」と聞くと、
「自分の街を歩くのに、何でそんなものが必要なのか納得できないから」
というお答え。
フランス人、気位高すぎます。

義妹達も、話を聞いていると、ご主人はロックダウン中も田舎に疎開していた義妹と子供達に会いに出掛けたりと、結構自由なことをやってた風。「ふーん、子供に会いに行く権利はあるのかな?」と思いつつ、よくよく聞いていると、やはり警察に捕まったそうです。「自由を制限する権利はない!」と怒りまくっていました、義妹の旦那。
私にすれば、なんで、そんなチャレンジングなことをするのか、理解できませんが、これがフランス精神なのでしょう。


今日は2か月以上ぶりにパン屋に行きました。
美味しいバゲットで、Jambon beurre 、ハムとバタのシンプルサンド。
The best!
思うに、私達がベルサイユの片田舎でのんびり庭仕事をしながらロックダウンしていたけれど、これがパリに住む人達の声なのかな。

だとしたら、この先、避けられないであろう、失業や不景気が露呈するころに、またストライキや暴動がありそう。フランス人、怒りのレベルに達すると、コントロール利かなそう。

木曜日には政府からロックダウン緩和、セカンドステップについての発表があります。
100キロ制限が解かれるでしょうか。
夏のバカンスは、どうなるの?
学校は、この先どうなるの? 9月からはどうするの? コロナなくとも、一クラス35人って、多過ぎるよね? この機会にクラス、小さくして欲しいな。

未曾有の事態、政府が上手に仕切ってくれると良いのですが、ペシミスティックな私です……。

でも、至って元気ですので、その点はご安心を。また行きます!





2020年5月18日月曜日

フランス外出制限緩和後の様子

ジャスミンが香る季節となりました

フランスの外出制限が緩和されて一週間経ちました。

車の往来も増え、空っぽだった市バスに、人影が見えるようになり、少しずつ元に戻りつつあるベルサイユです。

制限されているときは、キッチンの窓から、家族が5人とかで散歩する姿をよく見かけ、何となく不自然さを感じていました。

親に「ほら、あんた達もゲームばっかりしていないで、身体動かしましょう!」と急き立てて出てきたのかな、と勝手に想像し、「子供達はつまんなそう、そりゃそうだよね」と、お節介にも同情していました。


それが、制限緩和された11日以降は、子供達が友達とふざけていたり、スケートボードで追っかけッコしていたり。そういう情景に、「やっぱり子供は子供と一緒が自然。よかったね、君たち」と、何だかほっとしています。

また、うちの角は、「恋人達の語らいの場」になっていて、高校生カップルなどが、かわいい感じで屯っているのですが、それも再スタートしました。

薫風が漂っているのは花たちのお陰だけではなさそうです。



でも、わが家の生活は、相変わらず。

夫は5月一杯はテレワークが続き、来月からも、できるだけテレワークするそうです。

子猿たちも、遠隔授業が続いています。

フランスでは、全国的に11日より、保育園・幼稚園・小学校は開校しましたが、実際に通っている児童は全体の24%だそうです。条件が色々あるし、親も不安で出さないのでしょう。(詳しい条件を知りたい方は、大使館のページをご参照下さい)

中学以降は、感染率が高いパリ近郊は、今のところ開校時期は未定です。高校はもう開校せずに今年度を終えるところが多いのではないでしょうか。

うちの子猿たちは中2と中4。(フランスは中学4年制)
よって再開予定は発表されていません。たとえ再開したところで、小学校のような状況になると思う。基本的には遠隔授業で本年度はおしまいと考えています。

春休みまでの3週間については、前回のブログで、「オンライン授業などありませーん」、とお伝えしましたが、その後から少し改善されました。

特に、外出制限が解かれても遠隔授業は続くことが確実、また、第二波も予期されると分かってきたころから、学校も力を入れた印象があります。


今では、2日に一度オンライン授業が一コマは入る、というペースです。今後増えていく予感。

ちび猿はしょっちゅう宿題の提出を忘れたり、ちゃんと送信できていなかったりするのですが、そうすると、すかさず先生より、親へもメールが入るようになりましたし、先生から時折、「調子どう?」の電話もあったり、学校側も体制が整ってきた感あり。

習い事のオンライン環境も、春休み以降、徐々に対応されました。
ホルンはWhatsApp、ソルフェージュは電話通話、日本語補習校はZoom、と使う媒体も色々。

オンラインではないけれど、ピアノとフェンシングは今週より再開。フェンシングは近くのグラウンドを使って何かするらしい。ゴルフレッスンは来月から。


習い事ではないけれど、矯正歯科通院も再開しましたし、じ
わじわと以前のリズムに戻りつつあります。



今回のコロナ禍はまだまだ終わりではありませんよね。
昨日お会いした息子の友達のお母さんは病院勤務のドクターで、今回大活躍されているのですが、彼女は、コロナ感染は3年続くと思う、って。

でもアメリカのファルチ博士が仰る通り、第二波、第三波は来るだろうけど、私達も体制ができているから、こんなパニックにはならないだろう、と思います。

気になるのは、経済的ダメージですよね。
私達の周囲でも、失職したという人がお二人いらっしゃいます……。
そういう話を聞くと不安になりますが、とにかく、目の前のできることに、手を着けやり遂げることで自分を落ち着かせています。

あとは、とにかく手を洗い、免疫アップを心がける。
手を洗う、って真面目にやると、気持ちいいですよね。
何かが洗い流されていく気がします。

さて最後にお知らせです。
noteという媒体に、アンコール劇場ではありませんが、当ブログで閲覧数が高かった投稿を編集して掲載し始めました。お時間ありましたら、そちらも覗いてやって下さい。
https://note.com/lazyelephant/

ではまた行きます! Stay safe!