2013年4月30日火曜日

元気のみなもと


ちょっとご無沙汰しておりました。
元気にしています。

パリは今が花粉症の全盛期のようで、少し影響を受けていますが、それ以外はばっちりです。

それというのも、こんな新兵器を購入しました。


ご存知の方もいらっしゃるでしょう。韓国のメーカーが作った、低回転圧縮型ジューサー。
ニンジンからキャベツまで、何でもジュースにしてくれる、この機械。
これでジュースを作り、身体が空っぽのときに飲むと、ビタミン、ミネラル、酵素を身体が吸収し、抗体アップに至極効果があるそう。

私としては、更年期の年頃ですから、いろんな意味で必要。
夫としては、胃が弱いので、これで抗体アップを。
子猿たちとしては、夢にみていたぶどう、スイカ、イチゴなどのジュースを作ってくれる、魔法のジューサーです。

まだ4日目ですが、快調です。今朝は、人参とオレンジとイチゴとレモンのジュースを飲みました。そうすると午前中は何だか力が湧いている気がします。ま、すぐ思い込みでそう思うタイプなのですが。


そんな先日の朝、子猿たちが「来て!来て!」と部屋に呼ぶから行ってみたら、東の空に気球が上がっていました。15区のシトロエンの公園から上がっているのかな。
「希望」という言葉が頭に浮かびました。

そして、また後日、子猿たちが来てきて!というからこんどはなんだと思ったら、


ペンギンの家族……。
産休代理で仕事していたこの9か月、ベビーシッターをしていてくださったHさんが、最後だからって、子猿たちにプレゼントしてくださいました。
なんて可愛いのでしょう、ぺんぎんさんたち。
なんておやさしいのでしょう、Hさんったら。Affectionという単語が頭に浮かびました。

そんなこんなしているうちに、日本はゴールデンウィーク、フランスもゴールデンマンス、祝日の多い5月になりました。このまま夏に突入してしまう、恐ろしくも素晴らしい国、フランスです。

まだ肌寒いパリですが、日が照ると、紫外線じりじりです。
どうぞ皆様、よい一週間を!


2013年4月23日火曜日

参った参ったの春

最近、疲れを感じてしょーがない。
ワーキングマザーを始めて9か月目とは言え、いい職場なのですよ。残業はそんなにしてませんし、人間関係のストレスはないし、仕事自体も自分が好きな分野。

家のことも、やっているとは言え、日本のお母さんに比べたら、御惣菜の品数も少ないですし、潔癖症ではないので、掃除だっていい加減。

それなのに、どうした。こんなに疲れて!

週末に、また!義理の家族の集まりがありました。先日亡くなったドロテのお母様とも話をすることができてよかったのですが(子供は親より先に死んではいけませんね。本当にそう思いました)、あ~あ、メンドクサイ。そんな中、独身の義理叔母と、社交の輪についていけない二人、いつものように寄り添いよもやま話。彼女はタラソセラピーに行ってきたばかりだそう。毎年、ブルターニュのホテルに行くのですが、これはなんと国民保険で返ってくるそう。フランスっていい国ですよね。
私が、「疲れちゃってね」と、愚痴を許さない義母(叔母の姉)には言えない言葉をいうと、「そんなの当たり前でしょ。春だもの」。
……そっか。

自分の体力の衰えとか、プレ更年期とか、怠け者気質とか、色々考えていたけれど、「春だもの」ねぇ。

何だか大義名分をいただいたような感じで気が楽になりました。疲れた疲れた、無理しない無理しない。

……さて産休代理の仕事もあと2週間を切りました。とっても楽しかった9カ月余り、職場を離れるのはさびしいけれど、しばしグータラをさせてもらって、その後は、家のペンキ塗り、窓ふきと忙しく肉体リ労働と、小説書きにも再度取組たいと思っています。

Change is good. そう言った友を見習って、さわやかに再スタートを切るべく、しばし、「疲れた疲れた、無理しない無理しない」で行きます。

どうぞ良い一週間を!

2013年4月21日日曜日

パリの図書館

子猿達が通うパリにある日本語補習校にはちょっといい感じの図書館があります。
日本のどこの市町村にでもありそうな、素朴な図書館風。

この図書館のおかげで、日本にいた頃より日本語の本を読んでいる気がします。

この図書館で出会った作家たち、山崎豊子、梨木香歩、松本清張、山本周五郎、中島京子、さおり姉妹、大江健三郎の探し続けていた母校でのスピーチが文章化したのに出会えたのもここ。あと、ほら、あの本の人!あぁ、ワインの酔いがため出てこない作家名たち……。あとは、今日本で本屋大賞などに輝く本などなど。ここの素晴らしいところは、多くの本をフランス語訳で見つけられることです。同じ本を夫にも読ませることができるのがうれしい。

マンガも、「20世紀少年」はここで制覇しました。わが青春の吉田まゆみの「セシール気分」にも再会できたのはこの図書館のおかげです。あさきゆめみしを再読し、わが母校出身の今市子さんという漫画家にもここで出会いました。

おっと、本末転倒でしたが、子猿達もどれだけこの図書館の恩恵に与っていることか。
世界の図鑑集、自動車、宇宙、理科、航空、など、何回リピートして借りたことでしょう。
最近は文盲のくせに、ドラえもんを借りてます。あとは海賊ポケットシリーズも好きです。私も子猿が借りるふりして、懐かしいいやいやえんを借りましたっけ。

図書館のお姉さんとも仲良しになり、私の好みの本や、寄贈された本でまだ整理されていないものも先に見せてくださいます。

そんな本の一つ、浅田次郎。
有名な方なのですね、知りませんでした。素晴らしい作家さんですね。肩書きを読んでいると、エリート(若くして芥川、とかではないのですね)ではなく、そんな経歴にも勝手ながら勇気づけられます。

蒼ゾラの昴を読み終えました。最初はちょっとセンセーショナル狙いなのかな、と思いましたが、最後の方は素直に楽しませてもらって大満足でした。また登場人物の一人、日本人新聞記者が感じた日本に対する差別については、今に通じるものを感じました。

パリでは、日本人って表面上は差別されていないと思うし、嫌な思いをせず暮らしているつもりですが、じつはそれは心に鎧を付けているからであって、ちょっとしたことはある。すごくちょっとしたこと。例えば、バス、メトロなどで席を譲ってほしいと声掛けられるのは、大概有色人種です。私も何度か言われました。みんなに何か(ビラ・試食など)配っているのに、なぜか私は飛ばされるなど、そんなレベルなので気にならないけれど。

それ以外にも、何だか上から目線を感じることがあるのです。気にしても始まらないと流しますが、愉快ではありませんよね。

……元にもどって、と。
浅田次郎さん、しばらくはまりそうです。
他にお薦めの作家さんなどぜひ教えてくださ~い。




2013年4月17日水曜日

特異日

特異日って言葉、ご存知ですか? 
あるんですって。こう何かインシデントが重なる日というのが。 

今日はいわゆる特異日って奴だったのでしょうね。 
ボストン、そしてイランの地震の犠牲者の方々に想いが行ってしまう一日でした。 

また、カメルーンで2月に誘拐されたフランス人家族、どうなっているんだろう、報道規制があるから静かで、実は解放されているといいな。5歳から12歳の子供達が4人もいるって聞いていたし、居たたまれないな、と思っていたら、まだ何も前進していなく、今やどこに匿われているのかも知らないそう。これを2カ月近く解放できていないオランドは大統領失格だと思う。ゲイマリッジとか、閣僚の財産公開なんて、後回しでしょう。本当に、本当に早く何とかしてほしいです。 

夫は今日も同性婚合法化反対のデモのために出かけています。 
これもオランドの大統領選挙戦のときの財政管理者が過激派ゲイで、その時に何かファウスト的取引をしたから、こんなにコミットしているんだろう、と憶測が飛んでいます。

結婚はいいのです。養子縁組が困るのです。幸せで知的で常識的なゲイカップルにもらわれる子供を想定していますが、既にゲイマリッジを合法化している国でのゲイカップルの離婚率の高さをみるとどうなのか。そして何よりもこれを合法化したら必ず出てくる代理母・人工的な出産に対して反対なのです。 

日本から来ているとあんまり驚かないけれど、フランスの政界、非常にまずい感じの今日この頃。 

世界中、これ以上事件なく4月16日が終わることを祈っています。

2013年4月14日日曜日

ヴェネツィアの恋人

高野史緒さんの「ヴェネツィアの恋人」を読み終えたところです。


フランス、昔のドイツ、ロシア、中央アジア、グルジアなどが出てくる短編集。
幻想的だったり、ちょっとSFだったり、普段私が読まない分野なのですが、引き込まれるように、寝る前、メトロなどでページを捲る一週間。読み応えありました。

夢の中の夢、時間軸がずれているような話もあり、正直、わからなくなっちゃうときもあったのですが、何だか読んでいるうちに、著者のチャレンジというのでしょうか、
「ふっふっ、ちょっとここら辺が難しいでしょう。さて、君は乗り越えられるかな」
と言った声を感じて、
「負けないぞ」
と読み続けたところがありました。

最近のベストセラーなどで、特に歴史が絡むものなどは、読者にわかりやすく書こう、というのを感じることが多いのです。ありがたい一方で、「あたしゃそんなにバカじゃないんだよ」と、看護師さんに子ども扱いされてむっとする老人のようなイラつきを感じるのは、私だけでしょうか。読書は精神の癒しという一面もあるけれど、知的チャレンジを求めている一面もあるわけで、高野さんの本を読み終えると、達成感もあるのです。

また、まるっきり現実では重なっていない時代・文化・風景が出てくる話なのに、時々、「同じような不安定さを感じたことがある」というか、「同じような空っぽで乾いた風景を見たことがあるような気がする」って思うことがあるのが不思議でした。人の記憶とか、意識って本人にも計り知れないものがありますね。実際に体験していなくても、共鳴することができるのとか、すごいな、私(というか人類って)って、って思うときです。

「カラマゾフの妹」で江戸川乱歩賞を受賞された高野さん。ぜひ頑張って書き続けてほしいです。

2013年4月12日金曜日

さよなら、ドロテ

今日は、義理の妹の夫のお姉さん(わかりますか、遠い親戚です)が8日に亡くなり、告別式に参列しました。 

フランス人って、すごい。だれも涙を見せない。少なくても泣き崩れたりしないの。私も見習わなくては、です。ずっとステンドグラスを見上げて、できるだけ目を見開いていました。 

享年47歳(になったばかり)。
4年前に、家族で食事を一緒にしたときは、息子君たちは12才と14才。話題が白髪染めになり、ドロテが、「私は白髪のエレガンスを目指したいんだけど、夫が嫌がるのよ」というと夫さんは「そ、そうじゃないけれど、君は白髪が似合うタイプじゃないから」と慌ててただし、次男君はこそこそっと「白髪でも何でもママンはきれいだ」とママに耳打ちしてて、なんて素敵な家族なんだろう、って思ってたドロテさん。男の子ママ同士、「女の子が欲しいと思ったことありませんか」と聞いたら、「男の子も可愛くって、そう思ったことも忘れるわよ」と元気付けてくださったドロテさん。 

亡くなるまで、一番気にしていたのはご主人とお子様のこと。どうか神様、男子三人を見守ってさしあげてください。 

今日はとーっても悲しくて、でも、この世でドロテに会えた喜びもいっぱい(とポジティブに持ってこうと努力中)の一日です。 

みんな、健康に生きましょうね。雑穀米、青汁、あとは何だろう、とにかく身体を大切に、毎日を精一杯がんばりましょうね。

2013年4月8日月曜日

子育てって難しい

このところ、気づくと子猿達を急き立てる発言が多い母猿です。
少しでも子猿達が遊んでいるのをみると、
「ピアノやった?」
「音読(日本語補習校の宿題)やろっか」
「フランス語の宿題、終わったの?」
「ひらがなやる?」
「ポエジーは?(小2の兄猿は週1のペースで詩を暗記しなくてはいけないのです)」
エトセトラ、エトセトラ。これが一回言うならいいのですが、子猿達は聞こえてんのか、聞こえてないのか、3回以上言って、4,5回目にやっと心の耳に届くという、不思議な聴覚を持っているので、もう本当にいつも「何々やった?」と急かしているのです。

本当はこうしたくないんだけど、フランスの学校は一日が長い上、今は仕事しているので学童にもおいてて、そうなると帰ってくるのが7時近く。それからお風呂入れたら夜ご飯、ご飯食べたらもう寝る時間です。
なので、その間あいだにある5分をも惜しんで、「ピアノ!」「ポエジー!」ってなっちゃう。

多くの日仏家庭なりバイリンガル家庭は似たようなものなのではないでしょうか。子供の学年が上がるに連れて、日本語教育に割く時間をキープするのが難しくなるという。

私のピアノと日本語教育のモーティベーションは、自己表現するツールを沢山持たせたいという親心からなのです。

英語と日本語、それぞれの言語で、本を読むとき、音楽を聴くときなど、その言葉でないと表せないニュアンスがあるなぁ、と確信しています。

NYで働いていたときなど、このストレートな表現は英語でこそやっていいこと、英語だからこそ伝えられる自分の気持ちなんだな、と思ったことがあります。
日本語に至っては、井上靖のシンプルでストレートなあの散文詩を他言語に訳することは不可能だろうな、と思うのです。日本語で、シンプルでストレートであるがゆえに厳しさとか、凍てつくような冷静さなどが伝わる、でもそれを例えば、英語にしたら当たり前の叙景的な文章になるだろうし。

子猿達が自分が思うことを余すところなく表現できたら、たとえ表現しなくても、自分の中で認識できたら、生きていて少し楽なのではないか、と思うのです。

で、音楽。
音楽で自己表現できたらいいな、ってきっと多くの人が思っていることですよね。
私も時おり、ギターを抱えて、何かメロディーを探しますが、全然ダメなの。せめてその時の気持ちにあった知ってる曲を弾ければいいのですが、それすらもできません。

兄猿は、ときおり、フラーッとピアノの前に座って、適当に指を動かしています。毎回思いつきのメロディーですが、割ときれいなメロディを奏でます。2,30分もそうすると、すっきりするのか、次の遊びに移る。ストレス解消なのか、暇つぶしなのか。でも、この行動にちょっと憧れる母猿です。
ちび猿は、楽しくなると学校で習った歌を歌ったりしています。その気持ちはよくわかる。私も今でも晴れた日などは「丘を越え、行こうよ、口笛ふきつーつ♪」と歌ってたりするもの。

彼らが思春期などになって、言葉にできない思い、フラストレーション、はやる気持ち、希望などをピアノでもギターでも通して表現できたら、いいのではないか、と思うのです。そのために、私のようにギターを抱えたけど、指をどこに置いたらいいのか、と こんがらがっちゃうことがないよう、ピアノで基礎を植え付けようとしているのです。男の子は口下手が多いから、音楽というツールも持てたらいいのでは、とお節介に思っている母猿なのです。

こんなに子猿思いで、クリエイティビティーを奨励したいと思って母猿なのに(お涙頂戴!)、現実は、教育ママゴンが如く、いつも急かして、急かして。「早く食べて!」「おしゃべりしないで!」「歯磨きして!」「靴履いて!」「ピアノ!」「宿題!」ってね。これじゃ、本来育つコミュニケーション能力も、クリエイティビティーも刈り取っているようなものですよね。
あぁ、何とか折り合う点を見つけなくては、です。

バイリンガル教育の研究をしている中島さおりさんがアンケート調査に答えて下さる方を探しています。フランスで子育てをしている日本人の親御さんが対象のようです。お子様に日本語教育をしている方、していない方、共に対象です。もしよろしかったらご協力してくださいませ。
詳細は、さおりさんのブログを見てください。

では、明日からまた一週間、頑張りましょうね!

2013年4月3日水曜日

遅ればせながらハッピー・イースター!


皆様、どのような春をお迎えでしょう。

東京は既に桜が満開ののち、はらはらと散ってしまったところでしょうか。

パリというか、フランスの北半分は北東からの風がひゅうひゅう吹くPaques、イースターでした。久々に義理家族と過ごす、サルト(Sarthe)地方の田舎の家での3連休。あぁ、辛かった!なんて、大げさですが、ことの核心に触れず、自分の思うことは言わず(だって、だれも興味持ってないんだもん)、和やかな振りするの、ほとほといやになってきました。

でも、そういうときこそ、自然に慰められるから、いいのです。普段は浸透できないように閉じられている感性が開いて、花の美しさ、自然の雄大さ、雨上がりの匂いが肌から染み込んでくる。

年季もののデジタルカメラが調子よく、こんな写真も取れました。




どれも4月1日の朝に撮った写真。

朝は零下でしたが、昼には10℃くらいまであがり、こんな野花や、


これはぼけの花?

も撮れました。

いい春が来そうです。

皆さん、水・木・金、3日で週末!ガンバレ!(と自分に言い聞かせる私)
夏時間は1時間損するから朝寝坊ばかり……