2020年8月20日木曜日

子育てについて

 

兄猿、ちび猿でお馴染みのわが愚息達、現在15歳と13歳。一歳半離れていて、日本だと年子になりますが、フランスの区切りだと2学年離れています。

この夏は、コロナが広がる前に、と、7月の中旬にイタリアのサルディニア島を訪れました。
巻頭と下の写真はサルディニア島で撮りました。透明度、素晴らしいでしょう? 
ちなみに島内のマスク着用率99%、その他のコロナ対策も徹底されていて感心しました。

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人が少ない海で、青魚のように泳ぐ子猿達を見ながら、母猿は頭の中で思い出アルバムをパラパラ。

この10年余り、色んな旅をしてきました。
海辺だけでも、ブルターニュ、コートダジュール、ノルマンディー、カタール、ハワイ島、オアフ島、湘南、葉山、伊豆、西表、琴引浜……。

友人の話やSNSで見かけた素晴らしい景色を見て、「うわぁ、私も子供のときにこういう自然を知っていたら、もっと感性豊かな人間になっていただろうな」と思ったら、次回の旅先はそこ、という。
好奇心が低く、面倒くさがりやの私にしては、色んなところに行ったものです。「母猿、エラい!」と、自分をほめほめ。

そうやって振り返ると、私の子育ては、「私が子供だったら……」という発想に駆り立てられているんだな、と気づきました。
「私も子供の時にこうして欲しかった、ぐすん」というのとは違うのです。自分の子供時代をやり直したい、というのでもない。
「もし今の私が子供だったら」、なのです。

私が子供だったら、たまには好きなだけピザを食べたいよね、とか、
私が子供だったら、たまにはとことん寝坊したいよね、と思うから、
子猿達にも時々そうさせて上げる、という感じ。

あと、
私が子供だったら、思いっきり走り回って、疲れ果てて一日を終えてみたいよね、とか、
私が子供だったら、地球の鼓動が聞こえそうな、そういう自然に触れたいな、と思うから、そういう体験をさせて上げる。

もちろん、教育的な「私が子供だったら」もあります。
私が子供だったら、今のうちに勉強する癖をつけておきたい。その方があとあと楽だから。
私が子供だったら、今のうちに倫理感を身に着けたい。その方が後々ブレ幅少なくて済むから。
私が子供だったら、人を虐めた、という経験を持ちたくない。後々後悔するから。
私が子供だったら、フランスとか日本とか、そういう枠組みを超えたところで将来を考えたい。子供のうちは可能性は無限だから。
私が子供だったら、将来のことを考えずに、興味が赴くままに好きなことをとことん追ってみたい。この先の世界がどうなるかわからないから。
エトセトラ、エトセトラ。

子育ての正解・不正解は、親が判断することではないので、私のやり方がどうこう言えません。

確実なのは、母猿たる私はかけがえのない時を過ごさせて貰っている、ということ。感謝の気持ちで一杯です。子育てを通して、子供時代をもう一度生きさせてもらっているようなところがあります。それも、私の場合は男子母ですので、未知の少年時代を疑似体験させて貰っているという。

こんなことを思うのも、兄猿に関してはあと3年、ちび猿は4年半で、子育て終了だからでしょう。
彼らが巣立つときは、「ああ、楽しかった、ありがとう!」と笑って送り出せる母猿でいたいです。

皆さんの子育てはどんな感じですか?
私と似ていますか?
それとも??
いつか教えてくださいね。

長文を読んで下さってメルシー・ボク-!
どうぞ引き続きStay Safeで。

2020年8月11日火曜日

フランスの夏②自然に寄り添う暑さ対策


暑中お見舞い申し上げます。

……もう立秋を過ぎたので、正しい挨拶は「暑中」ではなく「残暑」らしいのですが、日本もフランスも猛暑真っ只中。今週いっぱいは「暑中」の方がピンとくるのでこれでいっちゃいますね。

それにしても暑いですねぇ。
それでもフランスは、冷房が日本ほど普及していません。
最近になってこそ、「寝室用の冷房を買った」という方の声も聞くようになったけれど、私の周りではまだまだ少数派。
毎夏のように、カニクル(Canicule 熱波)が来るようになって久しいフランスなのに、何故普及しないのでしょう。

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一つには、カニクルは一週間くらいしか続かないことが多いというのがあると思います。酷暑も、トンネルの先が見えていると、耐えられるもの。
また、フランスの熱波はカラッとしているので日本の温度も湿度もという暑さと比べれば、ライト級と言えるのでしょう。

二つには、フランスは、外観に煩い、というのがあります。市やアパルトマンのルールで、空気孔を開けたり、外に装置をつけることを許さないところが多いようです。ブティックなどでも、大きめな空気清浄機のようなクーラーを使っているのを見かけます。

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フランス人は、クーラーなしで、どうやって暑さを凌ぐかというと、答えは明瞭。
都会を脱出して、海へ山へとバカンスに行くのです。
冗談ではありません。
フランス人のバカンスへの執着の強さは、異常なほど。よほど普段の生活がストレスフルなのかしら、などと考えてしまう。

政府も、今バカンス中断してロックダウンしろ、などと言ったら暴動が起きかねないと思って我慢しているのでは。(もしくは、自分がバカンスに行きたいから何も言わない、とか)
と言うのも、今や、コロナの新規感染者数はロックダウン中の4月下旬と同じレベル。海岸線の地方は特に感染者が多くなっています。

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暑さ対策に話を戻します。
都市でもバカンス先でも、やることは同じ。
朝、まだ涼しい間に窓を全開し、冷たい空気を家に取り込みます。そして、暑くなってくる前に(今朝だと9時頃)雨戸も窓も全て閉めるのです。うちは、雨戸の外にある、日除けも下げ、雨戸や窓が熱を室内に伝導するのをできるだけ避ける作戦です。

フランスの家屋は、鉄筋や石づくりのことが多く、昨今は、断熱素材を使うこと奨励されているので、この密閉作戦はそれなりに効果があります。

ただ、薄暗い、密閉した部屋で夕暮れが始まる七時頃まで、じっと過ごすのは気が滅入るもの。バカンスに出たくなる気持ちも分かります。

もしかしたら、パリの住宅に冷房完備がスタンダードになったら、バカンスに出る人が少なくなるかもしれませんね。

いやいや、頑固で、自然が大好きなフランス人のこと。夏は海へ、山へバカンスに出る! 家に居るときは閉めきり作戦を続け、じっと薄暗い中で過ごすんだ!と言い張りそう。

写真は、そんな閉めきった家の窓から撮りました。
いつもの景色も、窓から見ると物語のよう。
何か、自分の心の中を見ているような不思議な気分です。

晴耕雨読ならぬ、避暑内省? この午後は、自分の内側を散策してみようか、と思います。何か発見がありそうな予感。

皆様もどうぞご自愛されますように。