2012年3月27日火曜日

ウサギの油煮


なんて書くと、丸でグリム童話の恐ろしいおばあさんにみたいですね。

でも実際結構残酷です。

ウサギ、フランス語ではラパンは割と普通に店に並ぶ食材です。一羽あたり、10~15ユーロと言ったところでしょうか。肉屋では皮付きのままぶら下がっていることもあれば、スーパーなどでは、皮を剥がれ、でもお頭付き(なぜ?)でぶつ切りになっているのが発泡スチロールのトレイに乗せられラップされて売っています。

味は、鶏臭さのない鶏、食感は部位によってはツナ缶のように油気がありません。子供達はこのあっさり感が好きなようで、「わーい、うさぎだ」「わーい、ウサギのカレーだ!」とウサギを食べない国から来ている母猿をぎょっとさせるような歓喜の声をあげたりします。

先日、ご馳走になった明美さんのコンフィ・ド・ラパンは、こんな油っ気のないウサギに見事に合っている一皿でした。
写真は明美さん作。
美味しそうでしょう? 
明美さんはオリーブ油を一瓶使われたそうで、ウサギにオリーブの香りが移って、素晴らしかった!

私の見よう見まね油煮はこんな感じ。(生肉苦手な方ごめんなさい!出来上がったらまた写真をアップします)

火にかけま~す!

出来上がり!
深めのフライパンにウサギを詰め(お頭はなし、レバーはイン)、オリーブオイルを注ぎます。1カップくらいで一杯になりました。お肉には、ゲランドの荒塩を掛け、玉ねぎ、ローズマリー、タイム、オリーブの実などを入れ、蓋をして1、2時間程弱火で煮込み、放置しておき、食べる前に油から引き上げて、温めなおします。残った油で、春カブのロースと、ジャガイモのソテーなどをして、付け合せにする、と。

いい加減ながらも美味しく出来ました。
ウサギが手に入る方々、どうぞお試しを!

2012年3月26日月曜日

晴耕晴読

このところのパリは快晴続き。花もホコロビ、サクラサク。
こうして桜を見上げるたび、「パリのニホンよ、また会えたね」と想うワタシ。


週末は大忙しでした。
折角の週末だもの、夫・子供と同じのんびりモードに浸りたい。しっかり寝坊し、たらふく食べて飲んで、昼寝をしたい。でも、やるべきことは週日以上。掃除・洗濯・アイロン・子猿のピアノ、宿題・朝・昼・夜ご飯作り。そうそう、晴れているかぎり公園に行かないといけない、という夫の信仰のお付き合い。信仰といえば日曜ミサ。その上この週末は夏時間が始まったので一時間ほどお天道様に返却もしたし。

でも、母猿は自分は素晴らしいと思いました。上記のこと、ほぼ80%(いや、70%かな)成し遂げた上しっかり朝寝もして本も読んだ!寝ながら読み、読みながら寝た。

まずは初の江国香氏の「きらきらひかる」
透明で、ぷぷっと笑わざるおえないようなタッチが素敵だと思いました。また、昔好きだった岩館真理子さんの漫画を思い出したり。
こういう「透明」で非現実的なのに情景が思い浮かぶような本って、漫画文化の歴史が深い日本ならではの産物なのではないでしょうか。例えば、この本を外国人が読んでその頭の中のイメージを映像化すると、私や日本人読者のそれと随分違うものなのではないだろか、なんてね、空想しながら土曜の二度目の朝寝をしました。

次は、中沢新一氏の「日本の大転換」
昨年の7月に書かれた本のようです。東北震災、その後の原発問題。これを機に日本は変わるしかない。今までの原発依存という非自然的(≒非日本的)な環境から逸脱しよう、という内容かと。私が漠然と感じていた「原発と日本って何か違うよねぇ」というのを図式・チャートで説明され、少しだけ明確になったような気がしています。
フランスではKamikaze、Tsunamiは外来語になっていますが、「Fukushima」も説明分なく、そのまま使われるようになりました。この本読み終わって思ったのは、このFukushimaという言葉が「あぁ、あの新しいエネルギーが生まれ、シンプルな生活美を確立したきっかけになった、あれね」という風に使われるような将来になったらいいな、ということです。
……この本は兄猿のピアノのおさらいを聴きながら読み(寝?)ました。

最後は、目下のマイブーム、山本周五郎氏の「日本婦道記」
武士の嫁、娘などの女性の武士道というか、生き方の短編集。彼の作品を読めば読むほど、武士道とキリスト教は似ているなぁと思うようになってきました。
キリスト教は神(主)を信じ忠誠を近い、良き人間であれ、と諭す。武士道は、主君を信じ献身的に仕え、道を踏み外すことなく生きること。主と主君を入れ替えれば、その生き方に違いがあまりないような。
封建的な歴史的背景の中なので、その制約の中の女性像になっていますが、男性作者とは思えないほど、女性の気持の機微や論理の立て方などを理解されていて、素晴らしいと思いました。
また、山本氏の小説は、武士であれ、そうでないのであれ、男、女かかわらず、人間として美しい生き方、人間らしい生き方を通す登場人物がいて、それ読んでいるうちに、心の中に涼風が吹き、自分も高められたような気になります。「私も頑張ろう、こういう風に生きよう」と思わされるのです。
話事体もとても巧く組み立てられエンターティニングですが、それよりも彼のメッセージが伝わってくるようなところが好きなのです。
……これは昨夜読みながら寝ました。

さて月曜日。
今日も快晴で花粉も飛びかっています。そろそろこの夏の日本行きのチケットを買おうかと思ったりしています。

2012年3月22日木曜日

サロン・ド・リーブルと大江健三郎

先日の日曜日にはサロン・ド・リーブル、パリ書籍展に行ってまいりました。
まずはこのポスター観てください。素敵ではありませんか!

本から飛び立つ自由な思想
この夕方には大江健三郎氏が講演すると聴いていたので随分前からそれを楽しみにしてきましたが、現実的なロジスティックを考えると、どうなるのだろうと危ぶんではおりました。

日曜ってことは子猿達がいる。夫に任せようと思ったけれど、夫は最近出版したし、私よりもこの書籍展に行くべき人。

SFのS(サイエンス)を取り外したような短編集。
幽霊あり、宇宙的でもあり、哲学的でもあり、ヒマラヤあり……って説明が下手ですね
では一緒に行くか、と出発したのがお昼です。「あの~私が行きたいのは夕方なんですけど」と言いたくもあり、でもまぁ、今の私は家族優先のフェーズだし、成り行きに任せました。

すみません、Salon de Livreのサイトから写真を拝借しています
会場に着くと、既に人、人、人。
こんなに皆本が好きなんだ、と本好きの一人として嬉しくなり。
今回は震災発生1年ということで、日本から20名余りの小説家・漫画家が招待されていました。確かに、震災を受けて、発信する側にいる人たちは、あの時を、現状をどのように受け止めているか、知りたいところ。
この視点、すごいイケてるなフランスって、と思いました。

夫は何社かの出版社と話したけれど、このサロン、昔とちがって書く人と出版社を繋ぐという機会ではなくなっていてあまりピンと来なかったようです。今はいかに売るか、これが焦点。セチがない世の中になりました。そうそう昔はグラン・パレで開かれていたそうですよ。素敵だったろうな。今は味気ないだった広い会場。

まぁ、それでも、各出版社お抱えの小説家・漫画家を呼んでトークショーやらサイン会やらでアピールしていて、そのために並んでいるファン達のウキウキ感が伝わってきて良かった。


ところで日本では書籍展ってあるのでしょうか。絶対あるべき。小説家の人となりを知りたい!今、何を想っているか知りたい!小説ではない生の声を聴きたいって思うのは私だけじゃないはず。出版社の皆様、本への興味度(≒売り上げ)上がりますよ~。


さてパパが出版社と話している間、子猿達は紙芝居を初体験。

あらためて聴く舌切り雀は恐ろしい話でしたわ
そして2時には「帰ろう」コールが挙がったのでトラムに乗って帰りましたとさ。

そう、大江氏の講演は諦めたのです。

実は「大江、大江」といえるほど、読み込んでいるわけでもなく、一部の小説は私には難解だったりグロテスク過ぎてダメなのですが、それをもひっくるめて、彼には静かで力強いエネルギーを感じていて、とても興味ある作家なのです。

また、私が在学中、母校にて「信仰なき者の祈り」というタイトルの講演をされたそうで、その内容は、すみません、サボったので知らないのですが、このタイトル、今色々考えさせられます。
例えば、今回の震災のような未曾有の事態において、日本といえば殆どが無宗教でしょう、それでも沢山の人が心から祈ったと思うのです。この祈りとは何だろう。誰に祈っているのでしょう。こういう、神を信じない人でも祈らずにいられない、この気持・祈りこそが真実なのではないか、などと考えてしまうのです。
この講演を、きっと時給800円とかのバイトが為に聴かなかった20+年前の自分の愚かさ。

このリベンジという意味でも今回の講演は聴きたかった~、とツィッターでぼやいていたら、ある方よりテレビでのトークショーのリンクを教えていただきました。35分過ぎた辺りから大江氏が話します。
伝えたいことが沢山あるが、TVには時間枠ってものがあって、その中でまとめられない想いを伝えたい大江氏の不器用さ。そこにも人間らしさを感じます。

私の低レベルなフランス語力で彼の言っていることをまとめれば、
・原爆を四国の森の中から見た衝撃は忘れられない。
・広島、もう原爆は終わっている思っていたけれど今だに放射能の後遺症に苦しんでいる人達がいる。福島での問題も40年後に露呈するだろう。
・日本という国は神を中心に作られた。私は四国の森の中で育ったからそういう神秘的な空気を感じ、それが私の日本であった。息子は精神障害をもちながら作曲をしている。彼の音楽を聞くと、「森の音楽」を感じる。これが僕の思う日本である。(ものすごく主観的な訳です)

原発反対、再稼動反対についての彼の意見には賛否両論だとは思いますが、私は賛成です。
じゃ、日本経済どうする?というのには答がありませんが、日本人の可能性を信じています。賢い日本人なら代替エネルギー見つけられるんじゃないか。省エネでも何かを作り出す手法を発明するんじゃないか。シンプルに生きるところから生活の美学を生み出すのではないか。

熱くなったところで、〆はやっぱり桑田さんかな。明日へのマーチ♪

よい一日を!




2012年3月21日水曜日

一日詩デー

今日は子猿達の学校に招かれて、詩を読まされました。
「Journee de poesie、一日詩デー。フランス語以外の母国語を持つ保護者の方、子供達に他の言語を聴かせるべく、母国語で詩を読み聴かせください」とのこと。フランスで、こんな風に他の言語に興味を持っているなんて結構いい学校じゃない、と、母猿、小1上巻の教科書を持っていきました。

読んだのは、「はる」というなかがわりえこさんの詩と、その他いくつか。
途中、先生より、「ほら、フィリップ(チビ猿の名)、何か日本語の詩くらい、知っているでしょう。聞きたいわ」と振られましたが、チビ猿、困った顔で逃げ切りました。日本では詩をそらんじたりしませんものねぇ。ちなみにフランスでは、小1から一ヶ月に一つ位の頻度で詩を暗記しなくてはならないのです。さすがおフランス!ではありませんか。
子供が詩を知らないのなら、せめて言葉のリズムをお聞かせいただきたいというリクエストがあったので、兄猿には「じゅげむじゅげむ」を言わせ、無事終了。

帰りには、この「一日詩デー」の提案者である図書館司書の方より、「もののあわれ」について質問を受けたじたじ。(←この擬態語・擬音語もフランス語で説明するのに苦労しました)「源氏物語にみられる美学だと思うんだけど」というと、「あぁ、Le dit du Genjiね」と直ぐに仏訳名が出てきたりして、こういう風に日本文学、その他の文学、文化に興味を持っている人がいるのって、嬉しいことです。

たじたじだった母猿だったのですが、それでも子猿達は日本の文化(大げさねぇ)が教室で紹介されたことに誇りを感じたらしく、兄弟間も日本語で会話したり、日本語補修校の宿題を率先してやったりで、母猿は感慨深い午後を過ごしましたとさ。

2012年3月17日土曜日

楽しい楽しい??お別れ会

出会いがあれば別れがある。
パリで知り合う日本の駐在の方達は、いつか日本に帰られる。それを覚悟していたけれど、やはりいざお別れかと思うとそりゃ寂しいものです。

先日は、子猿の幼稚園で知り合ったママ友のお一人、Kさんが来週パリを発たれるのにあたって、Kさんと共通のお友達でプロとしてケータリングも手がけるAさんのおもてなしによるお別れ会という、寂しいけれど、とても楽しみな会にご招待いただきました。

アペロ、St ダニエレのプロシュートなどなど。
軽い仕上がりのグリッシーニと一緒に用意していただきました

 Kさんとは知り合って2年近く経つのにゆっくりお話をする機会がなく、昨日に至りました。

日本から家族で赴任される方達、多くの場合は、ご主人はパリにおいても仕事仕事で、赴任家族は日本にいるとき同様「母子家庭」状態の方が多いようにお見受けします。花の都パリ駐在中も、ママ達はエッフェル塔を横目に、慣れない言葉・習慣の中、子供の送迎、日本語補修校、学校行事におさんどん。そんなママさん達がすごいなぁと思うところは、子供・家族を守るという重責をしっかり背負いつつも明るいこと。
私なんて、日本に帰省した際などは二週間ほどの母子家庭でしたが、この猿達を私が守る、というプレッシャーを感じて疲れちゃってたというのに。

プチトマトのフランボワーズ・ビネグレット。ケータリングでも
湯剥きされたそうです、その数180個!

そして日本の母達、更に素晴らしいと思うところは、黙々と育児優先で献身するけど、自分の好奇心を追求することを忘れないこと。たとえ5分でも空き時間ができたら学ぶために使う、というしなやかな強さがある。Kさんも、あんな難しい子育てスケジュールの中、マラソン、お菓子作りの勉強、音楽と、色々活動されていたことを知り、脱帽です。
暇ができればゴロゴロする母猿、反省。

帆立の活のよかったこと!パプリカソース(もちろん皮は剥くそうです)は
程よい酸味があって、帆立の甘さを引き立てています。シャブリと合うこと!

Aさんも、お仕事の料理はもとより、音楽、読書などに造詣が深く、そんなお二人と、先日の佐渡裕氏のコンサートの話や、どうやって被災地復興の力になれるかという話、パリ書籍展の話、そして子育て、ケーキの膨らませ方、など話は尽きませんでした。

地鶏のジュレ、コラーゲンは食べても肌に到達しないと誰が言った?

合間合間にAさんがソーッと席を立ち、多分前日より仕込んでくださった食材達を素晴らしい一品として仕上げてはテーブルに運んでくださります。そのたびに「おいし~い!!」コーラスです。
夢みたいなご馳走でしょ?

ウサギのコンフィ。オリーブオイル1リットル使って油煮すると
パサパサなウサギがしっとりと仕上がるのですね、
素晴らしいアイデア、すごい贅沢!
好奇心といえば、AさんとKさんの食への好奇心も素晴らしい。「この塩はどうやって使う?」「お肉はあそこが美味しい」「このケッパー、サクサクしていてびっくり!」と素通りしていることを気付かせられること多し。
あぁ、この方達は生きることを楽しんでいる、大切にしてらっしゃる、と思いました。

Kさんのガトーショコラ。これはオーブン内の写真
また、お二人のケーキ作りに観客として参加しましたが、その丁寧さに、日本人の美学を感じます。
混ぜる角度、回数、生地の艶に注視しながら作られる。「クッキーの場合は手でバターをつぶすと体温で程よい柔らかさになって美味しく焼きあがる」と言われれば、それだけで香ばしいバター・クッキーの匂いが漂ってくるよう。

この日本人の丁寧さ、正確さはやはり生産業とサービス業に向いていると、関係ないことを考えちゃった。
精密さがキーのモノづくり。ハイエンドなサービス業などを国策にしてはどうでしょう、野田さん。

しっとりと薫り高く。口に入れると天に昇ってちゃう
楽しい楽しい一時も、子猿のお迎えの時間がきておしまい。
これからも、メール、ブログで連絡取り合えるから大丈夫と言い聞かせ、ありがとうとさようなら。

Kさん、今度は東京でお会いしましょう!
Aさん、ご馳走様でした!

このあと母猿は早足・千鳥足でお迎えに行ったのでした。

2012年3月14日水曜日

こだわりの「いい加減赤飯」

最近のマイ・ブームは、タイ産の黒もち米。タイ料理では、この黒米を甘く煮て、ココナッツミルクをかけて食べたことがあり、それ以来、興味を持っていました。


それをついに入手したのが先日。
写真は白米3に黒米1の割合で混ぜたところです。




ここに、小豆をフードプロセッサーでガーッと割った状態のものを混ぜ、普通に炊飯器で炊く。
すると、お赤飯もどきになります。いい加減でしょう?でもお豆もいい感じに炊けるし、お米もそこそこの餅っぽさで、本当のお赤飯より沢山食べられます。




今日は久々にお重を引き出し、お弁当を作りました。
お赤飯にはゲランド産の海塩、フルールドセル(塩の花)と炒りゴマを、おかずには、自家製塩鮭、レンコンとツナの金平風、ひじきと大豆と竹輪の煮たの、あとは見たとおりのものを詰めました。


黒米は、デトックス作用高く、ビタミンEも豊富と、先日の「カリフォルニアのばあさんブログ」にありましたし、ナッティーな味わいで、お勧めです。見つけられたら是非お試しください。パリでは、1キロ2.2ユーロで購入しました。玄米同様、出来ればBioショップで買われることをお勧めします。


そうそう、Bio といえば、パリのBio売り場に、必ずと言っていいほどある、「Gomasio」が気になって仕方ありません。そう、ごま塩のことなんです。結構な大袋で、米や、キノアなどのシリアルと並んで売られているのですが、間違って、一機に大量に使う人がいたらどうするんだろう、と心配になってしまいます。


さて、手弁当、自分で言うのもなんですが、大変美味しゅうございました。

2012年3月12日月曜日

パリ・ユネスコでの追悼コンサートの動画

パリ・ユネスコでの追悼コンサートがUstreamでアーカイブされています。 

http://www.ustream.tv/recorded/21039048 

などなど。 

音楽って素晴らしいな。祈りなんだと思う。

マイブーム・山本周五郎

最近は山本周五郎にはまっています。井上靖以来のマイ・ブームです。 

職業作家とはこういうものか、というような、淡々と地味に書き続けている姿が想像できるような文体・プロット。いぶし銀の輝きです。 

何よりも好きなところは、彼のメッセージです。 
死に方にこだわる武士時代を書きながらも 
「生きることにこだわれ。討ち死にするまで生きろ!」という、アンチ・切腹派のキャラクターがイイ。 
そう、生きてこそ人間。命って大切。しがみつけ。 

すっごく渋くって、どう考えても青少年の推薦図書になりそうもないけれど、若い人にも読んでもらいたいなぁ。力強いメッセージですよ。 

黒澤監督が好きだったそうなので、今夜はYoutubeで探し出してみます

2012年3月11日日曜日

私達の祈り



昨夕は、パリのノートルダム寺院で行われた3.11追悼ミサと、そのあとに佐渡裕氏が指揮、キッズ・オーケストラの演奏による鎮魂コンサートに、子猿二匹引きつれ行ってきました。 パパも来ようとしたけれどかなわず。気持だけは一緒。

涙を覚悟していったのですが、神父様の「昇天・復活」の話に、キッズ・オーケストラの余りの生き生きとした演奏に、音楽の宇宙的世界観を感じ、とても元気付けられて帰ってきました。
死って終わりではない、明日は、このメッセージを疑わずに過ごすぞ! 

帰りは、子猿達「死ぬと星になるのか」という話になりました。今朝は、UFOごっこしていました。彼らも昨日の演奏に宇宙を感じたのかしら。 

「フランスの方々、世界の方々、日本のために祈ってくださってありがとう」という佐渡氏のスピーチに日本人一同深くお辞儀をしていました。これは本当に私達の気持だなぁ、って、きれいな言葉、音楽でそれを表現されていて、素晴らしいと思いました。


明日ですが、エトランゼ・ソーシャルネットワーク版のキーメンバー、けとるさんのイニシアティブで、11時46分より5分ほど、祈りませんか。世界のどこかで誰かが祈る、すると、時差の関係で、くるっと一周、私達の祈りが世界を巡るというアイデアです。きっと、天に届くと思うのです。


明日は晴れるといいですね!

2012年3月9日金曜日

かわいい!

すみません、クレープと関係ない作業中の写真です・・

先日、子猿達の学校から父兄に一斉のお便りがありました。
何やら、クレープの販売をするので作って来い、と。
Mi Careme(イースター前の四旬節の真ん中)の一休み、だそう。通常、四旬節は甘いもの断ちすべき期間ですからね。子供達は仮装もするそうで、要は春祭りなのです。

幼稚園生のちび猿は一ユーロもって学校に行き、先生に託す。で、おやつの時間に先生が代表で皆の分を買ってきて、教室で会食だそう。

小学生以降は、休み時間に自分で自由に買って食べて良いそう。

売る時間帯は10時とお昼休みと放課後の3回。

集まったお金はペルーの貧しい子達に行くそうです。

あぁ、かわいい。
ちびっ子たちがお金握り締めている姿、想像するだけでにやけてきちゃうわ。

面白いですね、フランス。


2012年3月8日木曜日

今朝のパリ

“Chain prayer on the Earth”
「東日本大震災・連鎖祈祷へのお誘い」  

『もし、あなたがたのうちふたりが、どんな事でも、地上で心を一つにして祈るなら、天におられるわたしの父は、それをかなえてくださいます。』
新約聖書 マタイの福音書 第18章19節

2011年3月11日14時46分。私達にとって忘れられない日となりました。

震災から1年となる2012年3月11日に、この震災で被災された方々のため、被災地で働かれている方々のため、また関係するすべての方々のために、そして私たちがこの震災の事を覚えるために午前11:45から5分間、一緒に祈りませんか。

2012年3月11日は日曜日です。各国それぞれ、教会での礼拝の中で、または自宅で、場所はどこででもいいのです。
地球上、各国の間には時差があります。それぞれの国での午前11:45からの祈りは24時間で地球を回り、大きな祈りの連鎖になります。どうぞご参加ください。

・・・・・・・・・・・・
先月の寒波にもまけず、蕾をつけたテッセンです。
今朝のパリ、神々しいまでに晴れ渡っています。


子猿を学校へ送り込むと、いつもはコートやハイヒール姿のお母さん達が、ジョギングシューズに、色とりどりカラーのランニング・ウエアで連れ立っていたり、帰り道も何人もののランナー達とすれ違いました。ここにも春が到来したようです。


いつもの澄まし顔のパリとは違う、元気なパリ。


皆さんもどうぞ良い一日を!


2012年3月7日水曜日

パリのプロフィール

パリに住むようになって3年弱、少~し見えてきたことがあります。
パリは区によって、そこに住む人の考え方も異なるってこと。


パリ市って、実はとても小さいのです。パリは全部で20区、東京は23区と似ているようですが、面積は約6分の1。
それなのに、地区によって、左派、右派、ブルジョア、ボボ(ボヘミアン・ブルジョア)、屁理屈好き、偽善的、カトなど、もう、思想・政治概念まで地区独特の傾向がある。


人口密度は東京の1.8倍ですから、そう思えば少し納得もできますが。


まず、用語説明しなくちゃですね。独断的な解釈ですので、悪しからず。


・左派
フランスといえば、自由、平等、博愛。この「平等」にこだわる人達のことだと思います。


・右派 
経済重視する人達?


・ブルジョア
小金持ち、中流階級以上


・ボボ
上の「自由」にこだわる人達。今の時代、自由でいるためにはお金が必要だから、ブルジョアでもある。


・ カト
カトリック教徒への蔑称。得てして何かと敬虔なカトリック教徒ぶる人達に使われる
……こんな所かしら。


パリといえば、右岸、左岸という区別もされますが、私はそれよりも地区で特徴があるように感じます。


私が住む16区は、ブルジョアの代表。パリの西端にあります。東京でいうと世田谷区でしょうか。面積的に大きくて、田舎っぽいところもあるけれど、成城、代田などのように高級な場所もあるし、庶民的な地区もある。
ブローニュの森も16区に含まれます。この辺りは学校(日本語の)関係で、日本人が多く住んでいます。


これが東に行くにつれて、左派度、ボボ度が強くなる。9、10、11区など中心から東に向かうに連れそんな感じ。雑踏の街で商業も多く、住宅、不動産とても高いです。


中央の1、2、7区などは、とても不動産は高級だし、ブルジョアというか、お金持ち。


東京も、ハイソな区、柄の悪い区など、あると思うけれど、パリの場合はそれプラス思想まで入っていると思う。東京だと、「あそこ?高くてダメダメ!」とか、「あそこは学校の評判悪いからダメダメ」いう会話はあっても、「あそこ?あんな右な区には住みたくない」とか、「あんなカトなの、嫌だ。僕は信仰をもたないからね」なんて聞かないでしょ?


例えば、あるパリ在住の友人との会話。
子供にとって環境の良いところに住みたい、という話になり、「16区は公園が多いから悪くないよ」というと、「あんなブルジョワな街に僕は住みたくない」と。


一方、先日は、夫の上司が16区で最も高いと言われている通りにアパートを買いました。
この上司は元々マルセイユ(南の大きな港町)に出身で、昔パリに上京したとき何か思ったのでしょうか、「いつか、16区のこの一等地に住んでやる!子供をそこのお高くとまっている私立に通わせる!ブルジョアになってやる」と野望を持って頑張ってきたそうなのです。


また、パリの人は、子供の学校休みなどバカンスは、田舎に行ったり、リゾートに行ったりと、遠出をしなくてはいけない、という概念があります。8月のパリなど、空っぽで親子でも移動しやすいので大好きなのですが、パリ人らからは「何するの、8月のパリなんて」とあきれられてしまいます。そこでムキになって、「どこどこの公園に行ったりしたわ」と、ちょっと思想が違う街の名を挙げたりすると、「あんなところに行ってどうするの、何が面白いっていうの?」って。


要は、パリの人は自分の小さな庭にいるのが好きなようです。


私は、これにちょっと反発心もあり、また子供に色々な世界を見せておきたいとも思うので、メトロに乗って、市バスに乗ってどこまでも行く、これが正しいとしてきましたが、最近は少しトーンダウンしてきました。


何だろ、郷に入ったら郷に従え、かな。
あとは色々な方の庭に侵入しているような気がしてきた。
思想のぶつかりに疲れた、これもあるかも。






今の私には、私の庭ならぬ、ブローニュの森の庭園でのんびり休日を過ごす、これが合っている。
誰もいないし、静か。猫と自然しかない。
ホッとできるマイ・スペースです。

2012年3月6日火曜日

ねずみさん



昨日の朝、兄猿の歯が抜けました。 

先日虫歯で歯医者に行ったら、「どんどん抜けるよ、これは」といわれました。春に抜け替わるなんて、草花みたいでヤツらしい。 

それでX線でみると永久歯大きいらしいから、人相も変わるんだろうな。あの小さな歯が覗く笑い顔の時代が終わってしまうんだ、と寂しくもあり。
君、これから新しい少年時代が始まるんだね。たくましく育ってね。 

……どんどん時が経ちますねぇ、それにしても。 



昨夜は、子猿達の就寝時に、夫が、抜けた歯を布に包んで、ひもでしばり、兄猿の枕の下に置いてあげてました。
それを、子猿らが寝静まった頃を見計らって、中身の歯と2ユーロコインをすり替える。ねずみが持ってくることになっているらしいです、フランスでは。 私はこんな芸の細かいこと、できないです。君達よかったね、優しいパパで。


今朝は、チビ猿が先に起きて、兄猿の枕の下に手を入れ袋を取り出し、「ねずみさん、こなかったよ」と私に報告。それに反応して、兄猿が、「それ、僕の」と袋を奪い取り、ひもをむしりとり、中身を確認。
「やったぁ、お金だぁ!」
ちび猿「僕もお金ほしい」


……何だかメルヘンで始まった話なのに、最後は「お金~!」で終わってしまいましたよ。こんな感じでいいの?ねずみさん伝説。

2012年3月5日月曜日

春が来てます

昨日は雛祭り、お茶の先生お手製のお雛様です
今日は子猿達の冬休みの最終日でした。 


休み最後の日といえば、毎度、になりつつある「カツオと波平の構図」

……そう

「カツオォ、宿題ぃ~!」  



ということで、午前中は兄猿に「何故、ひとは宿題をしなくちゃいけないのか」と諭し、ようやく宿題を済まさせました。そして明日から始まる学校のための筆箱チェックをさせる、ずっと付っきりです、そうでないとすぐ遊ぶから。でもそうなると、自分はかまってもらえないチビ猿が「僕も宿題する」と駄々(?)をこねるので「じゃ、ピアノやってらっしゃい」と夫に託し、「じゃ僕も」と兄猿。

それもやっと終わったので教会の日曜ミサに駆け込み、その足で、子猿達はおばあちゃんのうちに招かれ昼食を頂くので送り込み、家に帰ってみると、余りの散りかり様にほっとけなくて日曜昼間から掃除機をかけ、夫と二人の昼ごはんを作り、やっとア・ターブル!

夫と二人の食卓では、子猿らがいないので、さえぎられることなく話ができ、二人とも競うように話します。
子育て、政治、読んだ本の感想など話ながらワインを飲みすぎて、ご飯のあと、Youtubeでアガサ・クリスティーを観ながら、二人とも居眠り。 
そしてもう、夕方です。時が過ぎるのが早いわぁ。 

早々と出始めたイチゴを使ってショートケーキに挑みましたが、
いい加減な私のこと、アバランシュ(なだれ)ケーキとなりました  

この冬休みはスキー旅行に始まり、後半は仕事で疲労・ストレスでダウン寸前の夫が休みを取ったので、彼の意向を中心に動きました。お陰で、彼も少し元気になったかな? とにかくあっという間に過ぎた二週間でした。



さて、昨日はブローニュのバガテルに行ってまいりました。パリ近郊の方は、お出かけあれ!来週、再来週あたりは水仙、ヒヤシンス、ミニチューリップの見頃だと思います。 








ほんとにまぁ、気付くともう春なんですね。 



どうぞ良い一週間を!


2012年3月2日金曜日

“Chain prayer on the Earth” 「東日本大震災・連鎖祈祷へのお誘い」


再送になりますが、Reminderということで・・・・・


私の主催するエトランゼというSNSのメンバーより、こんな素晴らしいイニシアティブを紹介していただきました。

宗教を越えて、ただただ祈る、あの日は皆そうだったのではないでしょうか。

独りじゃない、皆が祈っている。皆で祈っている。
このことが力となることを信じています。

どんどん拡散(ツィッター用語ですが、宣伝とでもいうか)してくださいませ。

“Chain prayer on the Earth”
「東日本大震災・連鎖祈祷へのお誘い」  

『もし、あなたがたのうちふたりが、どんな事でも、地上で心を一つにして祈るなら、天におられるわたしの父は、それをかなえてくださいます。』
新約聖書 マタイの福音書 第18章19節

2011年3月11日14時46分。日本の太平洋三陸沖を震源として発生したマグニチュード9.0の巨大地震は、東日本大震災を引き起こし、東北から関東にかけての東日本一帯に死者・行方不明者、合わせて約2万人もの甚大な被害をもたらしました。

震災から1年となる2012年3月11日に、この震災で被災された方々のため、被災地で働かれている方々のため、また関係するすべての方々のために、そして私たちがこの震災の事を覚えるために午前11:45から5分間、一緒に祈っていただきたいのです。

2012年3月11日は日曜日です。各国それぞれ、教会での礼拝の中で、または自宅で、場所はどこででもいいのです。
地球上、各国の間には時差があります。それぞれの国での午前11:45からの祈りは24時間で地球を回り、大きな祈りの連鎖になります。
どうぞご参加ください。



“A ring of prayers on the Earth” 

Invitation to pray together for the victims, survivors and all the related people of Tohoku Earthquake 

“Again, I tell you that if two of you on earth agree about anything you ask for, it will be done for you by my Father in heaven” Matthew 18:19 

As you may know, last year on March 11th, 14:46(Japan Time) to be precise, a huge earthquake of magnitude 9.0, now named Tohoku Earthquake struck the coast of the Pacific Ocean of North-Eastern region of Japan. It caused tsunamis, on some coasts, of more than 10 meter high. 20,000 people’s lives have been either perished or not been found, and more than 23,000 people are still living in rescue camps. 

I would like you to pray with us for five minutes from 11:45 in the morning of March 11th, 2012, which is the anniversary of this tragic earthquake. 

We want to remember this earthquake. 

Pray for the people who were struck by this earthquake. 
Pray for the people who are working at the stricken area. 

Pray for all the people who are related to the damage of this earthquake. 

March 11th is a Sunday this year. It doesn't matter where you are, might be in the church during service, or might be at your home. 
There is time difference between each country. Thus, our prayers from 11:45 will turn round the Earth in 24 hours in the morning in each country, connecting our prayers like a huge ring of on the Earth. 

Let's pray together.