2013年1月29日火曜日

ポトフの日曜日

またゆっくりと座る時間がない週末が終わり、昨日、月曜日の朝にこのブログポストを書き始めたものの、頭が真っ白で、何書きたいのか、思い出せず……。もう毎日、走る走る、って感じ1日が終わっています。ふと、立ち止まったときに、「あ、あれについて書きたい」「これについて共有したい」と思っても、ブログってそのときの気持ちのモメンタムがないとね。いつか、この忙しい日々を懐かしく思い出す日が来るんだろうな。

今朝は、折角張り切って写真を撮ったので、日曜日のポトフについて書きます。

ここ一週間、少し寒さの緩んだパリでした。

金曜の夜に義理の母より電話がありました。
普段電話があまり鳴らない我が家です。電話は十中八九、義理母ですので、取るのは夫が担当。
「え、日曜、うんまぁ、え、ポトフ?そうだね、寒いしね」
と言いながら、目で私にお伺い立てる夫。
「しょうがないよね」と肩をすくめる私をみて
「はい、伺います、ありがとうございます」と観念したように答える夫。

冬になると、我が家ではこうして日曜日はポトフ・ランチに招かれるのです。義理家族と過ごす、日曜の午後……。ま、慣れてきましたが。

さてポトフ。Pot au Feu、火にかけられた鍋ってことかな。
まぁ、日本でいうおでんの様なものかと。

牛のスジ肉の塊を野菜と共に火にかけた料理です。

大鍋でゆでます。ポロねぎ、人参、ハーブ類、白いのはオッソブッコのような骨です。

フランスでは、野菜とお肉を取り出して食べ、ブイヨンは別にして食べることが多いです。



柔らかくなったお肉
ほとんど味付けせず、じっくりとゆでて、食卓で各自が塩、からしなどで味付けします。野菜本来の味を楽しみ、肉もこうすることで柔らかく仕上がるでしょう。

でも、正直言ってあんまり感動したことがなかったのです、ポトフ。

ちょっと水っぽいというか、プレーンすぎるというか。

あと、自分で作るときは、その日ではなく、翌日に食べることにしているのですが、そうすると、牛肉の脂のすごいことがわかります。お鍋の上一面にバターのごとく、5ミリ位の厚さに固まっているのです。

向田邦子の短編に、牛肉の脂のしつこさについて書いてあったけれど、本当にそう。義母はこの脂が好きで、取ったりしない。なので、ブイヨンも脂を飲むようです。

私の中ではいまいち人気のないポトフでしたが、夫が思い出したあるソースのおかげで、実はこの冬、私の好物になっていました。

Sauce Ravigot、ラビゴットソースというものです。


レシピ本によると、オリーブ油、からし、ワインビネガー、塩コショウ、ケイパー(よくスモークサーモンに添えられて出てくる、小さな緑のピクルスみたいな、あれ)、玉ねぎのみじんを混ぜるだけ、となっていますが、夫の記憶では、必ずゆで卵の白身のみじん切りも入ってた、というのでそのように作ってもらってます。この酸味とコクのあるソースを付けて味の抜けた肉を食べると、牛肉の滋養みたいなものが蘇り、同時に酸味が刺激的で美味しいのです。

昨日は賢くも(自画自賛)、義母には夫のレシピでね(作ったのは私だけさ)、と説明したら、「さすが我が息子、おいしいおいしい!」って喜ばれ。



ラビゴット・ソース
デザートは、もうすぐ(今年は2月2日)シャンドラーという、キリスト教のイベントで、とにかくクレープを食べるお祭りなので、クレープを。イエス様がエルサレムの寺院を訪れた日、ということで祝っていますが、元々は土着教から来た伝統とか。



うちの子猿たちもクレープが大好きですが、日本のように生クリームつけたりとか、バナナ入れたりとかは、複雑すぎで苦手。チビ猿は砂糖かけただけ、兄猿は砂糖かけてレモンを絞って食べるのが好きです。

シンプルなのもおいしいよね。


おやおや今日は雨降りのようです。

でもちょっと嬉しい...セールで新しい雨合羽を買ったのを着れる!ではいざ出勤、いってきま~す!

2013年1月21日月曜日

雪景色に思うこと



週末はパリに雪が降りました。

私は一歩も外へ出ず、やらなくてはならないことがあったので、コンピューターに向かってました。
集中力のない私は、コンピューターに向かっていながら、ニュースチェックしたり、ツィッター見たり……。

アルジェリアのテロのニュースには胸をかき乱されました。夫は日揮と似た業種です。4年前まで、中東に駐在しており、イスラム教のお説教が朝、晩とスピーカーから流れる中暮らしていました。見えない「何か」に守られていると信じてました。「何か」……政治的均衡、今ここでテロがあったら欧米諸国・日本企業は立ち去るから、カタールは必死に守ってくれるだろう、というような薄っぺらな何かです。

今回はその「何か」が如何に薄っぺらで、幻だったのか、まざまざと見せつけられました。犠牲者、そのご家族のことを思うと、つらいです。

この救出作戦大失敗のアルジェリア政府をフランス政府は、「妥当な対応だった」と言い、これまた落ち込ませられました。そもそもフランスのマリへの介入を止めろ、というのがテロ側の条件だったはず。それを止める、止めないは置いといたとして、フランスは「妥当だった」などという無神経な発言をする立場にないでしょう。

もっと落ち込むことには、フランスの大手メディアはこぞって、オランド大統領を支持するような記事を書いていること。「オランドがどのようにこの戦争の指揮を執っているか!」って何のこと?本当に指揮を執っているのはフランス軍のトップでしょう?フランスの大手メディアは昔から社会党支持で、現政権の要人は自身かその相方(家族、愛人)がメディアの人ですし、まるで政府の機関誌かのようの報道に、最近は見る気もしません。

と、怒っていてもしょうがない。
気分一新しないとね。
毎日かあさんとしては、とにかく、この醜い世の中を家族が心身ともに健康に過ごせるよう、掃除・洗濯・お炊事ですよ。

ということで、子猿たちが作った会心の作で〆ます。

ニンジンの鼻がポイントです。

2013年1月6日日曜日

冬休みの徒然

明日から子猿たちの新学期が始まります。次の休みは3月1日からの冬(?)休み。今回は私の仕事も休みでしたし、子猿たちとべったり過ごしたので、宿題もほぼ終わっているし、ゆとりのバカンス最終日を迎えています。

こうして久しぶりに子猿たちとべったり、のんびり過ごして思うことは、やっぱり専業主婦も大好き、ということです。

フランスって、共働きが当たり前という認識が強くて、専業主婦は肩身が狭いところがあります。私も以前は、外で働いていないことで、キャリア・ウーマンの駆け出しだった義母などから、幾度か攻撃を受けましたよ、トホホ。今回も外で働き出したことで義母を含めフランス人の多くの知人より
「よかったわねぇ、働いている方がいいでしょ(Ca fait du bien, uh?)」
とか言われ、
「そうね」
なんてこたえるけれど、心の中では、
「外で働いていない時も私、充実していたんだけどなー」
ってつぶやいています。

女の幸せって、外で働いている、そうでない、で決められるような単純なものじゃないですよねぇ。
更にきついことを言えば、Ca fait du bien, uh?とか言っちゃう多くの女性は、「働くこと=自分の存在価値を確認」できる、「働くこと=自立している」とのイリュージョンを持てるから「外で働くことはいいことだ」という公式を成り立たせていると思うのです。
でもさ、外で報酬という対価を得なくっても、自分の存在価値を知っている女性も多いし、経済的自立精神的自立だと思うのです。

Anyway,子猿たち、夫(この順番でもうしわけない)と一緒に過ごした冬休み、楽しかったです。
何をしたかと言えば、まず田舎に行き、


夫よ、なぜこの写真を撮った?
クリスマスを迎え、

25年ぶりにアイススケートに行き、



近くのバガテル庭園にいって白鳥を愛でたり


したのでした。

アイススケートはブローニュの市営のに行きました。入場料が5ユーロ前後で、貸スケート靴、ヘルメット込みです。時間制限などもなし。DJがうるさいけれど、混んでいる割には、下手ッピーでも十分楽しめます。子猿たちは初めての体験でしたが、2回目にはずいぶん上手になって、この手の、バランス感覚を要するスポーツはいつも子供の上達の速さにびっくりします。一方で「私は生物として退化している……」というのも実感しましたが、でも楽しかった!!!

そんなところです。

今日はエピファニー。東方の3賢者がエルサレムに到着した日。イエス様の放つ光を目指して、トルコ辺りから歩き続けた、苦難のあとに希望が、イエスが誕生した、今日のミサではそういう話を聞いてきました。
苦難があるから喜びを認識できるのかもしれない、
いつか、宮沢りえちゃんが「悲しみがあって喜びがある、この心の振り子が私を動かす」というようなことを言ってたのを思い出していました。
ミサは、私にとっては色々と思いを自由に馳せさせるための時間です。神様ごめんなさい。でもおかげさまで、魂を呼吸させていただいており、心より感謝しておりますのでお許しを!

あとでガレット・デ・ロワの写真をアップするかもしれません。
前回、この写真をアップしたの、昨日のことのようなのに、光陰矢の如しですね。

どうぞ良い日曜日の残りを、そして疲れすぎない一週間をお迎えください。

2013年1月5日土曜日

子連れで仕事初め

フランスの仕事初めは2日です。味気ないでしょう?
学校は来週月曜日からなので、今週は、2日から夫は出社、私は3日が仕事初めでしたのですが、うっかりベビーシッターさんをお願いしていなかったので、子連れ出社をしました。 

前日より、「職場ではみんなの邪魔にならないように」と夫、私から何回も言われ「知ってる知ってる」と子猿たち。「明日は早起きよ~」「それも知ってる知ってる」と。 

当日朝5時過ぎ、寝室の外でチビ猿のささやき声が。 
「ママ、起きたよ」 
「まだ夜よ、寝なさい」 
「でも会社……」 
「まだいいから寝なさい」 

次は6時過ぎにまた 
「ママ、会社行く?」 
「まだよ」 
「…(でも会社)…」 
しょうがない、ちび猿のちびベッドで添い寝を一時間ばかりしました。 

7時半に皆を起こします。 
「会社に行くんだからネクタイする」 
と兄猿。「いいよ、しなくても」と言ってもパパがネクタイ締めているのでマネしたそう。夫にやってもらいました。 

いざ出社。同僚の方々に前もって知らせて許して頂いていたのですが、それにしても暖かく迎えてもらいました。皆さんありがとうございました。 

午前中はお絵かきと読書。 
時々ささやき声が聞こえるほかは静かにしています。「トイレ行く?」と聞いても「大丈夫です」とささやきが返ってくる。おかげで仕事も通常通りにできました。 



近くのラーメン屋さんでお昼を食べ、会社に戻ります。ご飯の間もいつもより静かに黙々と食べてくれました。 

午後は休みをいただくことになると覚悟していたけれど、この調子なら持つかな?

 
3時過ぎに、同僚の方が動画サイトでドラえもんを見つけてくれて、空いている机でヘッドホーンつけて、テレビタイム。同僚の方に頂いたロリポップを口に、 
「ママ、飛行機の中みたいだね」 
とささやく、ご満悦の子猿たち。 

無事5時半まで仕事をして帰りました。帰りのメトロでもいつも以上に静かな二人。 

家に着くと、兄猿はまず自室の床に転がり伸びをして一言、 
「疲れた~」 
大笑いです。 
そのあと 
「ママがいつもマッサージして~、っていうのがわかった、ボクもマッサージしてほしい」 
ですって。 

また父親と仕事について話しているとき、父親が如何に働くことは大変なことか、というと、 
「でもママだってすごーく大変なんだよ、一杯仕事があるんだから」 
と実は楽勝だったのですが、大変そうって思ったくれたようで、シメシメ。 

少しは社会見学になったようでよかったです。思ったよりは周りの方に迷惑をかけずに済んでよかったです。職場に感謝、子猿たちに感謝!


追記 4日の今日は夫が会社を休みベビーシッターでした。子猿たち、どうやら前日の反動で大騒ぎの怠け者だったよう。帰ってくると家もすごい散らかりよう。 
コラッ!

と男子3人を睨み付けた今日の母猿でした。

2013年1月3日木曜日

ブローニュの森より、おめでとう



皆様、あたらめまして、おめでとうございます。

どのような新年を迎えられたのでしょう。関東地方は晴天だったようですね。パリは、降水確率70%でしたが、前倒しで大晦日の晩より本降りとなり、おかげで元旦は晴れ間も覘く一日でした。


この秋冬は日本の梅雨にも負けないほど、雨が良く降るフランス中西部(他の地方はどうだったのか知らないのです)。田舎から戻る際の車窓からは畑が水浸しになっているのを沢山見ました。どうか、深刻化しませんように。

我が家は、晴れている間に、と急いでブローニュの森にある、バガテル庭園に行ってきました。
本当はもっと鮮やかは紅だったのですが……
この庭園は、その昔、近くに住む大金持ちのイギリス人のために造られた庭だったとか。道理で、どことなくハイドバーク的な趣があります。他のフランスの庭園より、少しだけ野趣の富んでいるというか、なのです。

お昼頃になると、お日様も出てきて、猫と一緒に「初日の出」を拝むこともできました。

どうか、今年もより良い年になりますように。
世界中に、なんて欲張りなことは言いません、でもせめて世界中の子供達が幸せだと思える一年でありますように。

どうぞ読者の方々も、健やかで、幸多き一年でありますように、心よりお祈り申し上げます。

引き続き、お付き合いの程よろしくお願いいたしま~す。

2013年1月1日火曜日

日本の皆様、明けましておめでとうございます。

日本は午前2時くらいでしょうか。元旦のお天気はどうなのでしょう。初日の出が見られるいいですね。 

さて、パリはまだ大晦日中です。先ほど、アイロンがけ、繕い物などしながらYoutube,桑田さんのラジオ、ツィッターなどを徘徊しておりました。大晦日は毎年ホームシックになり勝ちで、日本で起きていることを疑似体験したくなるのです。 
どうやら紅白は美輪明宏のヨイトマケの唄が話題を呼んだようですね。この唄、何年か前に我が麗しの桑田さんのカバーで聴いたのが初めてでした。桑田さんの声とよく合う楽曲であの時もジーンときたけれど、美輪さんのは迫力もあり胸に訴えるものがありました。 

NHKの公式ツィートより、紅白初出場・美輪明宏さんからのメッセージ 
「戦前、戦中、戦後と、たとえ貧しく苦しく辛くとも、互にかばい合いいたわり合いながら逞しく生き抜いて来た日本の親子の絆、親が子を思い、子が親を思う無償の愛の歌を、今の日本の隅々迄届けられる喜びで一杯です。」 

ということです。 

お父さんのためならエンヤコラ、子供のためならエンヤコラ♪  

この意気込みで2013年も頑張ろうと思います。 
本年もどうぞよろしくお願いいたします!