2021年2月1日月曜日

フランスのコロナ事情⑤ 感染した時……

夫が身体の変調を感じたのは、10日ほど前のこと。
「寒い」といってお風呂に浸かり、しばらくすると、「やっぱり寒い」と厚手のセーターを着込んだあの日、私の頭に「コロナ?」という三文字が浮かんだのでした。「検査受けて来たら?」と言ったのですが、翌日には寒気も消えたので、検査は受けず。
そんなことを一日置きにやり、日曜日も挟んだり、結局、最初の「寒い」発言から4日目に、夫は検査を受け、陽性と判明したのです。

今はもう回復の途中にあるので、どうぞご安心くださいませ。
今回の経験から、皆様に役立つことがあれば、また日仏の違いを知ることも何かの参考になるかと思い、以下記します。

フランスのPCR検査と抗原検査について
コロナの検査は、PCR検査と抗原検査( antigénique)の二種類があります。
(抗体検査(sérologique)というのもありますが、あれは、過去にそのウイルスに感染していたかを調べる検査なので、ちょっと別物)

・PCR検査については、こちらにも書きましたが、フランスでは、症状がある場合は病院や出張看護師が採取、無症状の場合に限りラボ(検査所)で採取して貰えます。処方箋あり&なしの両方のケースを経験していますが、健康保険証を提示したからなのか無料でした。が、「検査料及び診察料は病院や医師により異なる」と、在仏大使館のウエブサイトにあります。

・一方抗原検査は、一部薬局で対応して貰えるようになりました。こちらは、「処方箋なしで検査可能。健康保険証(carte vitale)の提示で検査料無料。健康保険証を所持していない旅行者であっても薬局で検査キットを購入すれば検査を受けられる」(前述大使館サイトより)そうです。

私も、火曜日に薬局で抗原検査をしましたが、陰性。子ども達には水曜日に抗原検査をさせてこちらも陰性でした。
この抗原検査は、信頼性が70%程度なので弊害もあると言われてますが、それでもないよりずっとマシです。夫もこのお陰ですぐに陽性がわかり、感染を最小限にできたと思います。
うちの場合、2キロ以内の距離に、知っているだけでも2箇所の薬局で抗原検査が受けられます。一件は予約が必要、もう一件は予約すら無用のウォークイン。私と子ども達のため、2回訪れましたが、どちらも並ばずにすぐに検査してくれ、結果は15分以内に判明しました。担当者は、学生さんのように若い方でしたが、丁寧に採取され、対応もバッチリでした。

私と子ども達は、その2日後に、PCR検査も受けさせられました。夫が家族医に連絡したところ、家族医が、「家族が陰性なのは、まだ感染して日が浅いからという可能性が高い。それに抗原検査よりPCRの方が精度高い。検査に関しては看護師を送る」というのでそうなりました。この看護師が実にいい加減な人だったので、(鼻腔片方だけからサンプル採取でしたが、PCRはそれでいいらしいです。でも下手というか、人の痛みに 不感はというか。衛生管理に関しても不安点一杯)うんざりしたのですが、それでも、家に来て検査してくれるという体制があることに安心しました。PCRも陰性でした。

学校に関するフランスのルールは、濃厚接触者の場合、陰性であっても自宅待機、感染者が陰性となった一週間後に再度陰性であることを確認できたら登校できることになっています。……ですので、当然、子ども達は現在家にいます。

神経質なまでに対策を取っていて、殆どテレワーク、出勤も車だった夫がコロナに感染……もうロシアン・ルーレット状態というのは大袈裟ではないと思いました。皆様が感染されないことを祈っておりますが、備えあれば憂いなし、微々たることですが記しておきます。

・まず、家族に感染者が出たときに、どうやって隔離するかを考えておくこと。うちの場合は、取り急ぎゲストルームに夫を寝かせたのですが、別の部屋に行って貰った方が隔離性が高かった、と、あとで気づきました。お手洗いやお風呂場との動線とかも含めて、事前に考えておいた方がいいと思います。

・重篤化したときに何処に電話すべきなのかを把握すること。今回は、夫の陽性を受けて、薬局から保健局に連絡がいったようで、早い時期に「緊急を要すときはこの番号へ」というショートメッセージが入りました。ただ、これがフランス全国的な対応なのかはわかりません。

・普段は運転をしない私ですが、一応、車のキーの在りか、救急病院への道筋を確認。

・幸い、食料の買い出しをしたばかりだったので助かりましたが、もしそうでなければ、インターネットで買い物をする必要もあったことでしょう。ご飯に関しても、私がいつ感染するかわからないので、大鍋でシチューを作り、冷蔵庫へ。子ども達にご飯の炊き方も確認。

・パラセタモール、フランスだとドリプランという薬になりますが、連日、そしてもし家族複数名が感染した場合は、消費量が高いので、多めにストックした方がいいと思います。

症状は、ケースバイケースでしょう。夫は、咳は殆どなし、熱も38.5度止まり、頭痛・腹痛・倦怠感が主な症状でした。食欲は減退していましたが、丸っきり食べられないことはなく、 味覚、 嗅覚あり、 耳が遠い気はするけど疲れているから?
「寒い」発言から十日経った今日は、ほぼいつも通りらしいとのこと。
ほっ。
私も子ども達も通常通りです。夫の陰性が確認できたら、私達ももう一度抗原検査を受けてきます。

ちなみに、夫の勤務先に関しては、もし無症状であれば、ずっとテレワークすることも可能でした。(昨年の初めは、たとえ無症状でも感染判明した社員には、仕事のメールすら送ってはいけないと通達されていたのです)
ですが、途中より体調が悪くなったので、家族医に診断書を書いてもらい、病欠扱いにしてもらったそうです。これで有休を使わずに済みました。明日から仕事もテレワークで復帰するそうです。
夫の会社は、感染したら最低14日は出勤しない、というルールを設けているので、夫はたとえ明日陰性がわかっても、あと一週間はテレワークとなります。

そんなところでしょうか。
感染されても、落ち着いて対応されますよう。

日本では検査受診もままならない地域があると聞いております。
ある医師は、ご自身で異常を感じられたので自主的に隔離されたそうです。(この方はずいぶんあとになって陽性反応が出たそうです)
ご自身で、「いつもと違うかも?」と感じられたら、勇気を持って対処されますよう。ご飯を作るときなどは自宅でもマスクする、ご飯は家族と同席せずに取る、別室で寝ることができない場合は、同室の方にマスクして寝てもらう(ご自身は酸素が大切なのでマスクしない方がいいような気がします)などなど、できることをされたらいいと思います。

とにかく皆様もStay safeでいらして下さいませ。