2017年3月30日木曜日

春、そして朝。

ベルサイユ、今朝の気温は12、3℃というところでしょうか。
今週はめっきり温かく、花粉も大拡散中。
前回のブログ更新が、「冬休み」トピックだったのに、今週末から、春休みに突入ですって!
3月は、何だか筆が乗り、以前から取りかかっているフィクションものの他に、更に新しいアイデアも浮かんだりで、PCを前に、自分の小さな世界の中で忙しくしておりました。

さて、春。
今頃、春かい? というほど、ベルサイユでは、何週間も前から、レンゲ、桜、今はもう木蓮の出番になっています。

桜はソメイヨシノではないけれど、よく似たのがたくさんあって、去年の桜があまりに素晴らしかったなのに、今年は見られない、と寂しく思っていた心を慰められました。

それでも、私が「ここも桜がきれいね~」と言う度に、チビ猿は「日本の方がずーっときれいだった。もーっとたくさんあった」と、反ってセンチメンタルになってしまったようでもあります。こういう時は、ぎゅっとしてあげたくなっちゃう。(でも逃げられる)

夏に越してきて、秋、冬と気付かずに過ごしていましたが、ベルサイユったら、花がたーくさんなのね。ありがと。


そんな毎日を過ごしてきたのに、今頃春。
今朝、チビ猿を学校に送りんだ帰り道、
「ああ、春は本当に来てたんだ」と、疑い深い私も心から説得させられました。

冷んやり朝の空気に、水分と共に草木の匂いが混じっていて、
一瞬、
「これ、横浜の匂いじゃない? 」
と、瞬間ノスタルジーでした。
横浜で5月頃に漂う、あの初夏の匂いに似ていたのです。

こちらでは、緯度やら偏西風やらのせいで、横浜の初夏が一足先に到来するのかもしれない、と一人チャリを飛ばしながら分析する。

横浜の春に比べると、はんなり度は落ちるけれど、爽やか度は少し勝ち。そんな判定も下したり今朝。

日々色々あるけれど、明けない朝ははい、冬の先には春が来る、そんな言葉を信じようという気持ちになったのは、この花たちのおかげですね。

皆様も、どうぞ良い春、良い週末をお迎えください!




2017年2月20日月曜日

料理三昧……冬休み雑文集②

この2週間は早すぎる冬休みだったことは前回書きましたっけ。

フランスの学校、6週間置きに2週間の学校休みというリズムでさえトゥーマッチなのに、今回はノエル明けから4週間で2週間の冬休みが来ましたからね。

フランスは休みが多い分、学期中の学習量が多いわけで、明日からまた毎日「これを暗記」「あれを暗記」という宿題の日々が始まることでしょう。

宿題と言いましたが、実は、フランスの小学校は「宿題」は出してはいけないことが国レベルで決まっています。なので、例えば「算数のドリルを何ページ」といった、いわゆる「書く宿題」は出せない。

そこで「地理の○×のページを学んでくること」「算数の○×の定義を暗記すること」を「提案」するという手を使わざるを得なく、先生たちも大変そうです。

***

それはそれとして、冬休み。
先週はサルト地方にある、義理の両親のメゾン・ドゥ・カンパーニュにお邪魔しておりました。
今回は義母がパリに残らなくてはならず、義父、私達、そして義妹の子供たちという、大人3名に子供5名で過ごすことになりました。

冬休み中に、ちび猿と同じ日に生まれた姪っ子の
ジョイント・プレ・バースデーパーティもしました。
チビ猿はキャラメル味、姪はチョコレート味を所望するので
スポンジはそのようにしました。
クリームは泡立ちが弱かったので、ミルクチョコガナッシュに変身。
このメンバーで料理ができるのは私だけですからね。作りましたよ~。
牛2キロ使ってブッフブギ二ヨン、スペアリブは80本、鶏2羽のブランケット、餃子は皮から80個、牛乳1ℓのベシャメル使ってラザーニヤ、ポテトのピュレー1キロ使ったアッシパルマンティエ、ケーキ2つにタルト2つ、あとは何だろう。

何しろ育ち盛りの子供が5人(うち男子4人)が、2時間おきに、お腹空いた、お腹空いたとコーラスしていましたからね、写真を撮り損ねたのが殆どですが、こんな感じでした、
ケーキから先に行くと、これは最近の人気者、
レモン・グレーズ・ケーキ
焼き上がったパウンドケーキに、
レモンとお砂糖を混ぜたシロップを
たっぷりと染みこませるのです。
これ、いつ撮った写真だろう。まあ、こういうタルトオポムも作りました。
これも、リンゴのタルト。探しているのはクランブルの写真なんだけど。
これは、このあと田舎で夏に採れた
桃のコンポートを乗せて頂きました

ブッフフブギニヨンの残りにローストビーフの残りを加えた
アッシ・パルマンティエ、aka シェパーズパイ
重たい重たい。
ある夜は子供たちと一緒に餃子ワークショップを。
皮から作った80コ。5分で消えちゃいました
義父と姪甥にとっては初めての手作り餃子でしたが
気に入って頂けてよかった!
最後の夜は、残り物を温め直してのブッフェ。
沢山作ったのをきれいに食べてもらえてコンプリート感一杯。
どれも失敗することなく、皆さんに喜んで頂けて、感無量でした。
いい子ぶっているのではなく、本当に、疲れよりも喜びの方が勝っています。
私の料理はいい加減ですから失敗するときもあるのに、今回は全て首尾良く運んだことにとにかく感謝です。

料理は、誰かのために作ると楽しいけれど、自分の食事だといい加減になってしまう。
明日からの一人ランチ、「脱・残飯処理ランチ」しなくちゃね。
一見すると冬枯れの森も、みずみずしさが戻っていて
もうすぐ春ですね。
明日からの一週間、頑張らなくちゃだわ。
皆様も、どうぞご自愛を~。

2017年2月19日日曜日

生きた証……冬休み雑文集①

サルト地方に行っていました
例年通り、2017年の暦もアクセル一杯の勢いで捲られていっています。
この前クリスマスだったのに、ここベルサイユでも、春の匂いが 冷たい風に混じっている。
あと10日ほどすると3月ですよ。早すぎませんか?

最近はというと、実はもう冬休みだったのです。
新学期が始まったのが1月3日で、1か月後にまた2週間の学校休み。
フランス本土を3ゾーンに分け、雪山に向かう人々の交通の混雑を懐柔すべくスライド式に休みに入れるためとは言え、なんともバカげた学校休みのリズムで、フランスの教育システムに対して はてなマークが増える一方です。

冬休み中は、本を読んでは「これ書きたい」、料理を作っては「これ書きたい」、兄猿のバカ騒ぎにうんざりしては「これも書きたい」と、ブログを書きたいと思った瞬間が何度もあったのですが、時間が取れずにいました。

そこで、「冬休み中ふと思ったことシリーズ」をちょこちょこ書いてみたいと思います。
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まずは、この大それたタイトル、「生きた証」。

何のことはない、テレビシリーズを見ていて思ったことです。

わが家はテレビがないのですが、代わりに、夜、子猿たちがベッドに入ったあと、夫とユーチューブで好みのドラマを拾って見るのが息抜きです。

テレビを観なくなってもう30年近い二人ですから、サーチするドラマも、「そういえば、子供のころ、これが好きだった」みたいなところから始まり、そうすると、昨今のアルゴリズムの素晴らしさで、似たようなドラマをサジェストしてくれる。

Inspector Morse, Inspector Barnaby, Father Brown, Sherlock Holmes(Jeremy Brettのバージョン)、Poirot(David Suchetのバージョン)、Foyle's War, Perry Mason、etc., etc...
80年代~のドラマです。

年寄り臭いことをいうようですが、昔のドラマはいい!
プロットを急がずに、人物描写も丁寧で、背景も時代考証もコンピューターグラフィックスに頼らずに現物で作られているし、
多くは、エビソードを前辦後編に分けた2時間枠……何もかもが贅沢なのです。

今のドラマも時折試みますが、45分そこらで起承転結。まるでゲームのようで、夜遅く、疲れた頭で観るには展開が早過ぎてアラフィフ夫婦はついて行けません。

ディビッド・スシェのポアロに勝る役者はいないと思うと同時に、
ヘイスティングスも、この役者さんでなくてはだめ。
結果、古いドラマばかり観ているのですが、色々な発見があるものです。
今は高齢の俳優がまだ若い姿で登場したり、また、既に亡き人となっている俳優さんも出てくる。そして時には昔どこかで観た名も知らぬ脇役と再会することもある。

どこかで見た顔…。
例えばこの俳優さん。
6百万ドルの男やバイオニック・ジェミーに
出ていた。先日みたドラマでは犯人役でした
また、シーズン1から見始め、シーズン8まで続くようなドラマだと、俳優さんたちが少しずつ年とっていく様子に、早送りでお付き合いすることになる。放映中のドラマだと、週に一回お目に掛かるところを、一度見始めると、毎晩一エピソードを見ますから早いのです。

こんな見方をしていると、会ったこともない俳優さんたちが旧知の友達のように感じられ、また、80年代なんて私にとっては昨日のことのようなのに、気づくと何十年と過ぎていたという、この大河がごとき時の流れを痛感させられることがあります。

そうすると、今、過ぎゆく年月に敏感になり始めた年頃の私ゆえに、しみじみするものを感じるのです。

人生って何なんだろう。
きっと、この俳優さんは、この役柄を獲得したときは興奮しただろうな。
そして、これがドンぴしゃりのはまり役としてオーディエンスからも愛されるようになったときは、お金も沢山もらって、役者としてもノリノリだったんだろうな。
でも、それにも終わりがきて、ドラマが打ち切りになったり、自身が病気で倒れたりする。
脇役の人も、主役の人も、きっと若いときは、パンをかじりながら、銀幕に上ることを夢見て、その夢が叶い、興奮も陶酔もあっただろうけれど、時が来ると幕が引かれ、人生の終わりとなる。
そして、しばらくは覚えられているけれど、時には私達のような気紛れな聴衆に見つけられて観てもらえるけれど、これも何十年かすれば、完全に忘れられてしまう。

悲しいけれど、これが人生なんだね。
すっごい不幸も、羨ましいような幸福も、どうってことない。
なんだかんだ自分の中では大騒ぎだけれど、大きな時のうねりの中で見れば、花が咲いて枯れて死ぬ、というのと同じ。
そして風が吹けば、埃となって、その存在は完全に忘れられる。
ちょっと空しい。

……と同時に、また別の事実があることも知っている。
きっと、この俳優さんたちは何らかの形で、誰かに影響を与えているはず。
願わくばプラス、もしかしたらネガティブの影響を与えていて、とっても小さい波紋として、どこかで誰かの記憶に残っている。
それが誰かの、何かの行動や形に影響を与えている。
そういうものだと思う。
見えない、無形のものだけど、これが生きた証。
だから、空しいのも本当だけど、暗くなってはいけない。
いいじゃん、いいじゃん、それで十分!

な~んてね。テレビドラマ観ながら何となく思ったことを文字にしたら大げさになっちゃいましたね!

また明日にでも、別のトピックで書きます。

残りの週末を楽しまれますように!






2017年2月3日金曜日

ベルサイユ便り...Je ♡ Versaillesの巻


ベルサイユ宮殿の運河
横浜を発ち、ベルサイユに越してきて、ちょうど6か月経ちました。
こう書きながら、まだ6か月なのか、と驚いています。もっと長いことここに住んでいる気がする。

日本いたのは、たった2年と2か月。
その短さのせいか、そして夢のような日々だったせいか、「あの2年余りは、実は本当に夢だったのかも」と、時折変なことを考えます。
まだ2年2か月という、中途半端な時の重みが実感できないのです
アイ♡横浜
最終日、横浜ニューグランドから撮影
さて、ベルサイユ。
越してくる前は、「ヴェルサイユの人は上から目線だよ~、コンサバだよ~」と聞いていたのですが、あまり気になりません。というか、そういうキャラも面白いじゃありませんか。

私が気に入っているところは、緑が多く、街並みが美しく、そしてとっても田舎っぽいところ。

ヴェルサイユ、ウィキペディアによると、「ヴェルサイユ宮殿世界遺産)の所在地として有名である。パリから約20km南西に位置し、パリ中心部からは普通電車で最短約17フランスの首都圏の一角を占める。」
・・・・・・これ程パリに近接した立派な街なのに、人々のメンタリティーがとっても田舎しているという。
気取りがなく、気負いもなく、率直に好奇心を見せ、優しさも直球で投げてくれます。

皆さんは、Midsomers Murder (邦題は「バーナビー警部」)など、ご存じないですよね。イギリスの片田舎で起こる殺人事件(それも毎回3人は殺されるという)を熟練警部バーナビーが解決するテレビシリーズです。
もしこれをご存じなければ、アガサ・クリスティーのミス・マープルを連想して下さい。ミス・マープルも、セント・メアリ・ミード村というイギリスの田舎に住み、鋭い推理で事件を解決します。
私はこのJoan Hicksonが演じたバージョンが一番好きです。

しつこく、もう一つお気に入りのTVシリーズ。
Father Brown もイギリスの田舎が舞台
ヴェルサイユ村では、殺人こそ起きませんが(あったら困る)、このドラマの田舎町のように、活動的なコミュニティーが沢山あります。


兄猿の版画
ドラゴンを描いたようです。
先日は、兄猿が通う美術教室のパーティがあり、顔を出しました。よく事情がわからずに、「きっと子供たちの絵が飾ってあって、それを見てジュースとかワインを紙コップで飲んで、ポテトチップスをつまんで、先生にご挨拶して帰る」というイメージで行ったら、全く違いました。

まず、人。
この美術教室は、この地区の行政が運営していて、近隣の絵が好きな老若男女が集って作品を作っていることをこの日知りました。
このパーティも80%は白髪の紳士・淑女たち。皆さん明るい笑顔でエレガントで素敵なこと!


ピアノも置いて在って
どうぞご自由に感性のままに
弾いて下さい、とあるあたり、
さすがアート教室なのです。

そして紙コップにチップスという連想も間違いでした。
ワインはグラスで、テーブルには、見事なハンドメイドのフィンガーフードがズラリ、ズラリと並ぶ。そして、これぞフランスのベテラン・マダムの実力。どれもこれも、実に美味しいこと!

そして、作品。
誰も見ていない!!マチネのギャラリーに飾ってあるけれど、100人は集っていると思われる村民たちは、皆グラス片手におしゃべり・笑い、マチネに上る気ゼロです。先生に挨拶? そんなチャンスないです。先生もおしゃべりにワインにおつまみに、と大忙しですもの。こういうゆるい感じ、すごく好き。

七三の白髪頭に蝶ネクタイの教室長によるスピーチも、茶々を入れる声にめげないところも、即興ピアノも、何もかもが、絵に描いたビレッジライフ、という感じで、私もすっかり楽しい気持ちになりました。

この美術教室は一例で、その他にも教会の集い、音楽学校の集い、図書館での本修理のボランティアの集い、そして、カルチャー・センターでは劇やらオペラやら色々催しものがあり、田舎生活は忙しいこと!
そして、何がよいかというと、どれも敷居が低いことです。
フランス語が下手な私でも、参加すると両手を広げて歓迎してくれますし、オペラのチケットなども気軽に買える。(でも満席だったりする!)

それら集いで皆さんがおしゃべりをしているのに耳を傾けると、皆さん、結構個人的な話をしていたりします。
「父が亡くなって一週間だというのに、兄は既に欲しい家具を全部持ち出したの」「まあ!」「それなのに、遺産分けに不満を言っててね、私、不眠気味で」とか。
聞いちゃ悪いかと思っていると、突然、
「みき、アナタ、東洋医学とかで不眠治す方法知らない?」
と、話題を振ってきたりする。私もついつい
「いやぁ、漢方は知らないのですが、アロマ療法はどうでしょう、オレンジの香りが良いと聞きます(merci, AK!)
など答えたりして。
ベルサイユは教会も多く、
鐘の音が街を響き渡るところも好き
こういうコミュニティーがあるのって、とっても良いと思いませんか。
定期的に集う機会があって、そこで、心許して自分の話ができるようなコミュニティーがある。もちろん、そんな話しなくても良くて、自分が楽しいと思えるアクティビティをする場があり、その時間や空間を共有できる仲間がいる、そして皆近くに住んでいる。

パリに住んでいるときは、こういう地域のコミュニティーに属する機会がなかったけれど、これは田舎ならでは、そして死んでいない田舎、活発な田舎ならでは、と思っています。
町内会とは違うのです。
もっと「楽しいから繋がっている」という、プロアクティブな気持ちが集まっているコミュニティーなのです。

家族がいて子育てに忙しい今でもそうですが、20年、30年経ったときに、こういうコミュニティに属していたら、きっとすごく安心感を与えられるだろうな、と思います。

誰かと関わりながら暮らすというのは、なんて温かいことなんだろう。
そんなことを実感する日々です。

ベルサイユ、パリ地方は、明日から冬休みに入ります。
皆様、どうぞよい週末をお迎え下さいね!







2017年1月30日月曜日

社交界の終焉

皆さま、新年明けての一か月、いかがお過ごしでしたか?
こちらフランスは寒波に襲われたり、雨降りだったり、と、欧州の長い冬真っ最中。
冬至を過ぎた今も、日の出は8時半ごろです。
下の動画は、パリ市の西南をセーヌ側に沿って走るトラムから取った風景です。

video

そんな中、家族一同、インフルエンザにもかからずに元気に過ごしています。
そして今年の一月は、イベントも多くて忙しく過ごしていました。

まず新学期が3日にスタート!
……と思って兄猿・ちび猿を学校に送り込んだら、兄猿は翌日スタートだったー! という初笑い。「なんか静かだな~、と思って廊下で一人で遊んでいたら、先生が『アナタ何してんの、今日は先生たちだけよ』だって」って。
私の疑問は、それなら何で帰って来たのが11時近かったのか、ということ。それまで気づかなかったの???

兄猿は、その翌週にはこちらに来て初めてのお泊り誕生日パーティに招かれ大喜びでした。
現在11歳。
身体も大きくなって、ティーンへの道を着々と歩んでいます。

こちらは妙に真面目に見えるちび猿。
普段は相変わらずお茶らけキャラの典型的次男坊
後述のパーティにて、「スターウォーズ」のテーマを演奏中
そして、14日には、義理の両親の金婚式パーティがありました。
会場はシャンゼリゼの袂にる、Le Jockey club。プルーストの「失われた時を求めて」にも登場する由緒正しき紳士クラブです。
そこに総勢80名余りの、家族、親戚、友達を招いてのパーティ。
「最近のフランスは、暗いし、不景気だし、明るい気持ちになることをしたくって」
と義母がオーガナイズしました。
「楽しく楽しく、とにかく楽しく」をモットーに、孫たちがエンターテイメントを託され、男性は何年ぶりかにタキシードを着せられ、女性たちは久々にドレスアップすることを求められ、と大騒ぎ。

わが家でも年末から子供たちにピアノを練習させ、夫は何回もスピーチを書き直し、私は子供+夫のズボンの丈を出したり、アイロン掛けたり、そして自分は新しいドレス(それも背中が開いたデザイン!)を新調したり(😊)。

こういう宴では、円卓が幾つか設置され、夫婦はバラバラに着席です。
よって、毎回、お隣にアサインされた見知らぬ紳士と会話しなくてはならなく、未だに言葉に自信がありませんし、そうでなくても会話力も低いので、これがとても辛いというか、申し訳ないというか、恐怖なのですが、今回は義母が色々配慮して下さり、
「会話に困ったらシグナル出して、そしたら助けるから」という、気さくなニコラ、
「Miki, I speak English」と申し出てくれる義理姪のエレノアなどが周りを固めてくれたので、お隣の老紳士との会話にも大船に乗った気持ちで挑め、楽しいとすら思えたのです。


だた、ふとテーブルの他の方に目を向けると、あらあら。皆さん、もう会話もなく、手持ち無沙汰で疲れ顔です。食事の始まる頃は、「初めまして、誰々の娘の婿です」「わたくしは、誰々の何々時代の友です」って挨拶しあっていて、「さすが、社交慣れしている人はスムーズだわ」と感心していたのですが、そんなことなかったみたい。共通のトピックを見つけ、興味深い話に繋げる、ときおりジョークを交えて、という神業はどこへ行った。

そしてあらためて観察すると、女性の中には、「それは日中の、それも仕事のシーンで着る服では?」みたいな方もチラホラ。相方がタキシードなのに不思議な装いです。そのタキシードも、「十年ぶりに着たらお腹がキツくて」とか、「父のを借りた」とか。確かにズボンのラインが一昔前風だったり。靴やシャツがちょっと違う人もいたかな。
いわゆる上流階級の方達も、ドレスアップする機会が少ないのかな。

また、食事の前後のカクテルタイムも、ぎこちなさそうな人が結構いらっしゃる。
会の終わりの方では、ついに力尽きたように、無表情でだらしなく座っている人もいる。

そんなこんなで思ったのは、もはやフランスの社交界というのは終わっているのではないか、ということです。
超富裕層やセレブ、そして引退組の方たちは別として、
30~50代の現役世代とって社交界は存在しない。

少し前までだったら、たとえ現役組でも、ドレスアップしてソワレに行き、軽く知っている人達で集まって、軽いジョークを交えた軽い会話を楽しむ、という余裕があったのでしょうが、時代は変わり、仕事の比重が大きくなり、社交する体力など残っていないのかもしれません。

今は、皆、仕事だなんだでクタクタに疲れていて、顔見知り程度の知人が集うパーティで、意味のない会話を楽しむなど勘弁してくれ。
それよりは早く退社できる日は家族で団らんするか、落ち着くレストランで親しい友人と大切な話したい、そういう時代なのではないか、と思ったのです。

そんな一シーンもありましたが、総じてとても素敵なソワレでした。
義理の両親よ、次回は、ダイアモンド婚式パーティを待っていますぞ!


マエストロも外出を始めました












2017年1月2日月曜日

明けましておめでとうございます!


皆様、
粉雪散らつくヴェルサイユより、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞお付き合いのほど、宜しくお願いいたします。


宮殿庭園の運河も凍てつかんばかり...
このクリスマス休暇、2年ぶりにフランスで過ごしたわけですが、パーティだ、コンサートだ、と行事が多く、土壇場で、今までは夫に任せていたサンタの役が、彼があまりに忙しいため、私に降りかかってきて、さあ大変。加えて、久々に何日にも渡って夫の家族と過ごすこともプレッシャーで、マラソンランナーのように、寡黙に走り続ける、そんな年末を過ごしました。
今、無事にゴールし、シャンパン片手にほっとしているところです。

新年のご挨拶の代わりに、
クリスマスに、義理両親のメゾン・ドゥ・カンパーニュで撮った写真が意外ときれいだったので、Allez、フォトログ行きます。
義母、オランジュリーにて。
その昔、ビニールならぬ、ガラスハウスで

オレンジなどの温かい気候の植物を育てるために建てられたオランジュリー。
オレンジはすでに収穫され、マーマレードになっていました。
今年は柑橘類が豊作だったそうです。
見ているだけで、ビタミンが湧いてきそうではありませんか?
冬至は過ぎましたが、朝9時近くまで薄暗いフランスです。
田舎は、毎朝、霜が降りて雪景色かのよう。
ほら、真っ白!
ノエル、大人達のテーブル。
ご馳走の写真は撮りそびれましたが、素晴らしかったです。
愛猫マエストロもロティのお裾分けを頂いて、大満足。


翌日は、私がお昼を担当。
……と言っても、調理なしなのですが!
Mont d'or(モンドール)と呼ばれるチーズをオーブンに入れただけの、チーズ・フォンデュにしました。
モンドールは、チーズの周りをモミの木の皮で囲っていて、森の匂いがする、この季節ならではのチーズ。
普通はカマンベールの2倍くらい、この写真の何分の一かというサイズですが、今回は大人7名、食べ盛りの子供8名ですので、豪華に大きなモンドール2つ! 
一つ当り、3キロ弱、計5キロ強。やりすぎかな~、と危惧したけれど、侮ることなかれ。フランス人のチーズ力はスゴイのです。殆どきれいになくなりました。

こうやって食べます。
フォンデュで大興奮のあと、ちび猿、風邪でダウン。
この冬休みの読書は、何故か引き寄せられて手に取った村上春樹氏の「アンダーグラウンド」。
サリン事件の被害者62名にインタビューしたルポルタージュです。

風化させてはいけない、という思いで書かれたとのこと。
その時代に居たくせに、あの恐ろしい事件の詳細を忘れていた自分がいました。本として形に残しておけば、こうして私のような気まぐれな読者が現れるのですから、正しいことをされたと思います。
フィクションに関してはアンチ村上な私ですが、この本に関しては、頭を下げて御礼を言いたいです。
テロは許せない。この事件は忘れてはいけない。

それはそれとして、この分厚い本を途中放棄することなく読み終えてしまったのは、一人一人のインタビューが良く聞き出されていたからだと思います。
もちろん、それぞれのサリン事件に巻き込まれた様子について語ってるのですが、その語り口からは、彼ら自身の「物語」というか、その方の性格やサリン前、サリン後、どのように生きてきたか、オウムが誕生するようなねじれまくった日本で、どうやって折り合い付けて生きてきたのか、ということが透かし見え、62名の皆さんの生き様に引き込まれて読んでしまったところがあります。
冬景色が実は一番好きかも・・・
お一人お一人の話が、
地下鉄を使って生きているというだけで、
小学高学年から地下鉄に乗って通学していた自分、
「アンダーグラウンド」で、毎日24時間のうちの約3時間を過ごしていた若き日の自分の話のように感じられ、なんともエンパシーだったのです。


寒いけれど、空気が澄んでいるので、ほら、夕焼けがすごいの!

2017年はどんな年になるのでしょう。

友人の占いによると、いい年になるらしい。
今年は何故か、それを素直に信じたい。

大切な人、家族と共に過ごされる時間が少しでも長い、そんな一年でありますように、心より祈っております。

今年もどうぞよろしく!





2016年12月9日金曜日

私のフランス観

ヴェルサイユ宮殿の厩舎
長いこと書きたいな~、でもうまく書けない、と思っていたこと。それは私の目からみたフランスの実情です。毎回チャレンジする度に、長過ぎ、そしてネガティブ、プラス知識も少ないので、途中でも「もういいや」と投げだしていました。

でも、いい加減、言い切ってみたい!、これ以上、胸に留めているのもイヤだ!と思ったので、2016年のうちにアップロードしたいと思います。

やっぱり、長くて、そしてかなりネガティブになってしまったけど、もっとフランスが好きになりたいのに、中々そうさせてもらえない、そんな苛立ちから来た愚痴だと思ってください。

また誤った解釈もきっとあると思いますので、もしご指摘頂ければ有難く。

この8月に、2年の日本滞在を終え、フランスに戻ってきました。

戻ってくる前から危惧していたけれど、思ってた通り、フランス、クラい。

パリ、街が汚れています。

清掃の予算がないのでは、と気になるほど、道やメトロが汚れています。
物乞いの数がより増えました。
新しい建築も幾つか見かけましたが、古いSF映画風のものだったり、どことなくアラブ風だったりで、私のテイストにそぐわないものばかり。

そして、殆どの建物に、鉄格子で囲いがしてある。テロ・犯罪の脅威から守らなくてはならないのはわかるけれど、だったら、こういうところでこそ、おフランスなんだから鉄格子も芸術的なデザインにできなかったのか、それとも警告という意味で鉄格子でなくてはいけないのか。

いずれにせよ、寒々とする光景です。
鉄格子は役に立つのだろうか……

フランスといえば、仕事が遅いことで有名ですが、それも拍車がかかったかな?

例えばパリの中心、シャトレ駅はメトロが何本も停まり、郊外電車とも乗り継げるので地下に大きな構内があります。日本に発つ2年前も、構内が工事中でしたが、2年経った今ももちろん工事中。天井のパネルが外されて工事現場状態。
天井からメデューサの髪が如く太いケーブルがぶら下がっていて、SF映画風。


民よ、ああ、民よ
人も良くなくなったと思います。
夫曰く、会社の雰囲気がすごく悪いそう。不景気が続いていて、皆、煮詰まっているらしい。
先日の話はそれを象徴するような笑い話(?!?)がありました。

夫、他部署の人4人とクライントとのミーティングのため、出張に行くことなりました、と。
そこで秘書に航空券の手配を頼みます。提携している代理店に電話するだけの任務です。
やがて、秘書から、「予約できたそうです」と報告があり、「おお、4人ともOKですか、ありがとう!」というと、
「はあ? 他の人のことは知らないわ。それはその人たちの秘書がやればいいでしょ」と返されたそうです。4人で行く、夫一人が行ってもミーティングが成り立たないことはバカでもわかる。そして4人の秘書がそれぞれに手配したら、もっと面倒くさいし時間の無駄もわかっている。会社全体としたら、コスト無駄にしていることもわかる。
でも「Je m'en fiche, 知らんわ、そんなこと」なのです。

もう一つ秘書ネタで行くと、その出張で同行する人が会社携帯をオーダーしていたそう。

「携帯が準備できているけれど引き取りに来ない」とIT部の人から言われ、夫は、当該の人に内線したら、今日は休みらしい。「彼、明後日の出発までに引き取れるのかな」とその人の秘書に聞くと、条件反射的に、
「Ce n'est pas mon probleme! 知ったことじゃない」と言われたそう。

笑っちゃいました。(夫は笑えなかったらしいけれど!)


でもね、全てがこんな感じなの。小さなことから大きな事まで。

何でそんなに怒っているの? と聞きたくなるほど、皆がイライラしているのです。

皆ぎりぎりで一触即発、そんな印象です。

 地獄の門ロダン作) 
その原因の一つは政治だと思う。

2012年に現在の社会党政権となって、初めて社会主義とは何か、を知ったような気がします。

以前は、日本も政治的には社会民主主義ですし、社会保障制度がそれなりあるけど、結局は資本主義政策取ってるってことなんでしょ、と思っていました。
シラク、そしてサルコジ時代は、日本もフランスもそう変わらないなぁ、と。
世代的にもうイデオロギーとか、そういうのとは無縁の政治音痴だったのです。

でも、今は社会主義を
肌で感じるようになりました。

まずは税金。 社会主義国は保障がある分税金が高い。これは前から。でも社会党政権になってから税金がすごく増えました。

ある日、ぺらーっと税金徴収が来る、額が昨年度より異様に上がっている、また、今まで存在していなかった税金が生まれていたりする。上がる上がると聞いていたけれど、こんなに~?
もちろん、これは社会党でなくても増税はあったかもしれないけれど、やり方が感じ悪い。

ミドルクラスの私たちでこれなら、富裕層がフランス国外に出る気持ちはよくわかります。誰のために働いているのだろう、という気持ちになるでしょう。

フランス籍の大企業も徴税に絶えきれず、次々と拠点をフランス外に移しています。

最近よく聞くフレーズは、「この国はたくさんのレシピエント(受け取り手)と少数のドナーで成り立っている」というもの。


そして、皆がどうやって社会保障システムの恩恵を享受するか、トリックを模索している。

「不景気だから仕事詰まらない。だから首になりたい、そしたら失業保険が2年もらえるし、会社からパッケージもくる」
というのは、耳にタコができるほどよく聞くセリフ。

時には「それは悪用ではないのか、不正直ではないのか」と思う行為もあり、でもそれももはや、当然の権利とされている節あり。


社会保障は、平等性の基に作られたプールだと思うんだけど、多くの人がこのパイからできるだけ分捕れ~、とタカっている感じがします。

ここら辺は今の政権がゆえ、というより、長年フランスを巣くっている「甘えの精神」みたいなのから来る病んだ思考だと思います。
敬愛する友人でもある、中島さおりさん著
彼女の明確でしっかりした文章が大好きです。
そして教育も変になりつつある気がする!

昨今教育改革があり大論争となっていました。
今までの体制は、エリート優遇の制度だったから、そのエリート(≒優秀な生徒のポテンシャルを伸ばすための)向けクラスを廃止するそう。
不平等だから、できるところを切って均すんじゃ、国全体の教育水準下がっちゃうじゃない? そうでなくて、ドロップアウトする子たちを、もっとプロアクティブに救うことを考えようよ。

歴史に関しても手が入り、歴史はフランス革命以降に重きが置かれ、それ以前の過去に関しては、書き換えが多々。例えばイエス・キリストは歴史上存在しないことになりました。現政権の宗教嫌いと無縁な決断とは思えません。


フランスの教育に関しては、わからないことだらけだったのですが、ベストセラー・エッセイスト・翻訳家の中島さおりさんが、自らの子育て体験から興味を持たれみっちりリサーチして書かれた新書、『哲学する子供たち』を読んで、なるほどそうだったのか! と頭スッキリしました。フランスを知る意味でもお勧めします。



考えちゃうよな~。
今の政権から感じるのは、家族とか、宗教とか嫌いなのかな、ということ。
そう思わせられる法案や制度ばかり打ち出しているのです。
家族、とか宗教という共同体の絆を取り払おうとする。
国民は皆、共和国の一員である。ここにあるのは個人と国、それだけ。
だから、親とか、宗教とか黙っててほしい、みたいな。

フランスの「ライシテ」という政教分離主義は、さらに踏み込み、宗教否定しているのでは、と思うことがあります。

もう一つ感じるのは、「怒り」
既存のものに対する、妬みのようなものを感じる。
現政権の皆さん、エリートだったし、多くは恵まれた環境にいて、まさに既存のシステムから享受してきた人達なのに、何故そんなにひねくれている? 

そして感じないのは、イデオロギー。
色々論争を起こすことをしでかしているのに、彼らの思想、そして目指しているところが見えない。
単に現存するシステムに対して反動的なだけで、新しいものが見えてこない。

あと、法の抜け穴を通って、時々、驚くことが起きます。これは日本でもどこでも起きていることだけど。法治国家に対する信頼がグラグラ、恐いです。

来年の大統領選挙には、社会党からはオランドの下で首相を務めたバルス氏が出馬することになったとか。先日のヘッドラインを見ると、彼は、「中国、ロシア、米国、トルコに対して「不屈」の価値観を掲げる国を目指すと言っているよう。なんかこういう好戦的なところも恐い。

戦ったことがない、盛りを過ぎた闘牛が、鼻から息吐き、前足で地面を掻いている、それを、民衆の半分が「ウオーッ!」と煽り、残りの半分は動乱を避けるため、場外に逃げようとバタバタしている、そんな感じがする。

以上、これが、私のフランス観です。


でも、置かれたところで咲く、です。
そして良いところも勿論あるフランスです。
元気にやっていますのでどうぞご心配なく~。


マエストロは、生後5カ月経ちました。