2011年9月16日金曜日

通学路


この秋から子猿達は転校しました。

理由は色々。

一つには、新しい学校はカトリック系なので、カテシズム(宗教教育)があること。日曜ミサもさぼりがちな父親は、とても自分にはできない(もちろん私も)と他力本願なのです。

もう一つには今までの学校より近いこと。5分くらいの差だけど、朝の5分は貴重です。

そのほかにも、今までの学校の小学部の評判が、「いいわよ~」という人と「う~ん、ちょっと気になるところがある」という人がいたことなど等。今度の学校はビシバシ系というから、うちの子猿達にはいい薬になることでしょう。

でも、本当の理由は、この通学路が好きだから、だということに昨日気づきましました。

今度の学校は、植物園の脇を通っていくので、緑の回廊みたいな通学路なのです。
学校の先を真っ直ぐ行くと、ブローニュの森に続くらしく、朝・夕、ジョギングする人々とすれ違います。
秋晴れの最近などは、街路樹のマロニエが山吹色に輝き、植物園の方を見れば常緑樹のもみや杉の大木が、爽やかに乾いている青い空に映っていて絵になること!歩くと、枯葉がサクサク言って、おもわず、アラフォーおばさんの母猿まで走り出したくなるような通学路なのです。

通学路へのこだわりはトラウマから来ているだと思う。
確か中学の頃ですが、事情があって、我が家は環八沿いのマンションに引っ越しました。
今やベットタウンとして整備されたことでしょうが、当時の千葉寄りの東京は、駅前こそパチンコや場末のスナックなどでがやがやしているけれど、それを抜けると、あまり人の気配もなく、3,4階建の四角い建物が続く道。引っ越した当時、それも冬の夕暮れ時など暗くなってしまうと、「あれ、迷子になっちゃったかな」と心配になるほど、歩いていも歩いても同じような人工的な風景が続くのでした。
ようやく、巨大なコンクリートの直方体見え、「あれがうちだ」とホッとするや否や、そこは環八。大型トラックがビュンビュン通っていて、時折、暴走するバイクが爆音立てて走りすぎたりもする。信号待ちの時は、その音が怖くて、耳を塞いで立ってたっけな。
こんな暗いイメージがあるのも、当時は高校受験のため、私なりに神経がとがっていた頃だったからなのでしょう。

今までの子猿達の学校の通学路は、大通り沿いだったし、マンモス高校が並んでいたり、使われていない老人ホームがあるだけの殺風景さで、学校事体にも何か明るくないもの感じていたのは、この中学高校を過ごした環八沿いとイメージを繋げてしまっていたからかもしれません。

でも、学校を変えた理由が通学路っていうんじゃ、はぁ?ってなるでしょうから、人から聞かれたら、今までどおり、「いや夫がね、近くってね…」ってもっともらしい答えをしておこう、と思うのです。