今回のバカンスは雨続きのブルターニュです。
村の図書館に行ったときのこと。
「Bibilotheque pour tous(皆の図書館)」という自治体が運営する私営の小さな図書館。車で到着し、雨合羽姿の子猿達を降ろしていたら、ボランティアのおばあちゃんが笑顔で図書館のドアを開けて「雨は大変でしょう。さあさあ中へ」と迎え入れてくれました。う~ん、こんな温かなウェルカム、パリではありえないな。
大人向けの蔵書は実に質素で探しいてた本は見事にありませんでしたが、子供向けコーナーは自然光がふんだんに取り込まれていて雨降りの日でもグリーンハウスのように明るく、絵本の数は大人向けより多いくらいです。バカンス・モードになっている母猿、普段と違って寛大です。子猿らが次から次へと持ってくる絵本を「はいはい」と適当に和訳して読んであげながら、この子達も図書館好きになって欲しいな、と思う。
私が図書館好きになったのは、もっと大きくなってからで、高校生の頃だったと思います。当時家にいるのが嫌で、でも試験勉強しなくちゃならないから地下鉄のホームで勉強している、と読書好きな友人に話したら、「それなら図書館に行ったら?」と言われて、足を踏み入れたのがきっかけかと。
学校帰り、初めて行ったのは広尾の東京都中央図書館。あの静かな空間、埃っぽい空気、なんだか自分の気持ちまで落ち着いてくるような気がして、思いっきりハマり、私の図書館通いが始まったのでした。
でも勉強はあまり捗らなかったかなぁ。図書館に来てまで勉強しようとしている自分に満足して、そこで終わってたような……。書棚をほっつき回って「読みたい本がこんなに沢山あるとは!」とほっとしたり、売店でお菓子買い食いしたりで、気づくと閉館時間、っていう。
それでも図書館を知って良かった。初めて、家や学校以外で、自分が居てもいい場所を見つけたのだ思います。ちょっとしたサンクチュアリというか。
仕事・婚活に悩める20代の、一人暮らしの頃も、よく図書館に行ってました。当時のマイホームは22㎡のワンルームで、壁に圧迫されそうな気分になるときがありましたが、隣が区立図書館という幸運なる立地条件で、鬱っぽくなると隣に行って、閲覧コーナーで新聞観たりしてました。この図書館のお陰で随分気持ちが救われたように思います。
外にでる。そして、知らない人だろうが人々が共存している場所に行く、という行為が、部屋で溜め込んだ孤独感を薄めてくれた。
さて、この日は10冊ほど絵本を借りることにしました。日本の作家のも随分仏訳されているのですね。「Chuuuuut!(シーッ、静かにしょう)」というタイトルのをさりげなく混ぜたら、子猿に「これはいらない」と却下されました。子供が好きな本と、大人が選ぶのが全く違うのは何故?雨降りが予想される今日の午後は、引き続き雨読です。明日は、晴耕となるでしょうか。ではまた!