2018年5月4日金曜日

記憶ってなんだろう

兄猿が、藤棚の下を通ったときに、「これ、日本の匂いだ」と。
確かに甘すぎず、きつすぎず、強すぎず、
それなのにしっかりとした香りがあって日本なのかもしれない
新緑のベルサイユからお便りします。
今日は見事な快晴で、空気も澄んでいること! 晴れた高原のように、真っ直ぐな陽の光です。紫外線要注意ですね。

こちらフランスでは、4月後半に春休みがあり、そのまま、飛び石連休が続く5月を迎えています。ちなみに、フランス語では、「飛び石」ではなく「橋で繋がれた」連休ということで、Pont ポン (橋)と表現されるんですよ。

リラックスするのが上手なチビ猿
そんな休みの間に、久しぶりに本を読みました。
一冊は、ノーベル賞作家となった、カズオ・イシグロ氏の「忘れられた巨人 The Buried Giant」。この本は、「記憶」というものがテーマです。

村の向こうに閉じ込められた鬼が人々の記憶を食べているので、みんな昔のことを忘れてしまって、頭の靄(もや)が掛かったような、そんな状態で暮らしている。平和といえば平和だが・・・・・・という話。

記憶といえば・・・・・・
私のように海外で暮らして長い人は、記憶にある、今はもうない日本を恋しがり、夢見ているところがあるのではないかしら。
そして帰省する度に、変わったところ、変わってないところを指折り数え、変わったところは、かき消された思い出に胸がずきっと痛むことに気づかぬふりをして、新たに頭のコンピューターに上書き保存する。
そうしないと、ある日、完全なる浦島太郎となって、ふるさと日本に馴染めなくなってしまいますからね。
そうなんですが、
でもあるときふっと、遠い昔の記憶の中の日本が蘇るときがある。
そんなときは、今の日本、昔の日本、今の自分、昔の自分、そして今はここにいて、と、それこそ記憶の靄(もや)からポンと出てきてしまったような不思議な感覚に陥ります。
そんなことありませんか?

宮殿へ繋がる大通り。
街路樹が緑の壁のようなのです
記憶って宝物。デジカメで撮った写真のフォルダーを見るとき、もしこれが全部消えてしまったらどうしよう、と不安になります。ずっと、あの瞬間の兄猿、この瞬間ちび猿を覚えていられるかしらって。

イシグロ氏の本では子どもがいたときの記憶を取り戻そうとする老夫婦の旅路を、哀しみたっぷりに描いていて、たとえ幸せなシーンでも涙がに滲んでしまいました。

緑、緑、緑の五月

「記憶」で思い出す小説に、山田太一氏の「異人達との夏」があります。
子どもの頃に亡くなった両親に、大人となった主人公が再会し、一夏だけ、一家団らんの時を持つというファンタジー。
ページを繰る度に、サンマを焼く匂いがしてきそうな、そんな昭和な雰囲気が懐かしく、庶民の暮らしぶりが愛らしく、そして哀しくて、と、そんな小説でしたっけ。

記憶というのは、どうやら哀しみと同意語なのかな。
どんな幸せな記憶も、過ぎてしまっているし、もう二度と戻らないんだものね。


最後にもう一冊、「記憶」で連想した本、ジンジャーツリーについて。
この本は、戦前に日本に生まれ育ったスコットランド人のワインド氏による作品です。

ふとした出会いから、明治時代の日本に住み着くことになったスコットランド人女性の半生を描いています。
著者のワインド氏は、英国兵として出征し、第二の故郷である日本の軍隊に囚われ非情に辛い体験をしています。それでも、日本を切り捨てきれなかったのでしょう、そんなビタースィートな想いが、この小説に反映されています。

小説では、東京暮らしを経たヒロインが、後年、横浜に移ります。ブラフ界隈・・・・・・まさに、子猿たちが通っていたインターナショナルスクールや、私達家族が住んでいた辺りが話に出てきて、その場面が目に浮かぶようでした。
横浜は昔の記憶を上手に残した街造りをしているので、
記憶がぶつ切りなることがなくて好き。
優しい街なんだと思います。

ワイルド氏は、戦後日本を訪れることはなかったそう。
記憶の日本に、今の日本を上書きしたくなかったのでしょう。

横浜といえば氷川丸!
初めに戻ってイシグロ氏。
あるインタビューで、
”小説を書くということは、真実を伝えること。
「事実」ではなく「真実」を、どう伝えるか。”
と話されていました。
そして、今回の小説は、記憶がテーマ。
事実と真実の間に記憶があるのかな、とそんな気がしました。

とにもかくにも、将来も記憶を持ち続けていられるように、これからウォーキングに行ってきます。酸素運動し、脳の活性化させないと!

皆さんも、どうぞ良い週末を!

2018年3月20日火曜日

リセットの春

それでも春は来る

残雪が光る今朝のベルサイユです。

春分の日まであと少しだというのに、先週末は雪が降りました。
東京、横浜はいかがでしょう。
この冬は、パリ/ベルサイユと東京/横浜の天気が面白いほど似ていて、あちらが寒波だと聞くと、こっちも来るな、と覚悟し、こっちが雪だと、「そっちも降るかもよ」と東京にいる母に警告しています。


先週まではこんなに春爛漫でした

最近、わが家の話題といえば、家のリフォームです。
ボロボロの家に住んでいるのですが、今年は思い切って大改造をすることにしました。
フランスでは、日本のように建て替えることは稀で、古い家をリフォームして住み続けるのがスタンダードです。
よってデマンドは高いのに、それでもリフォーム業者は切磋琢磨せず、サービスはすこぶる悪い。昔からの職人など滅多にいなく、訓練されていない人ばかり。「お金だけ貰ったらトンズラした」「間違った資材を使われた」などなど、恐ろしい体験談をよく聞きます。

日本であれば、多分二、三か月で終わる工事なのでしょうが、
ここはフランス。倍くらいかな、と思いきや、
「半年? マダム、ご冗談でしょう。一年は見た方がいいですよ」
とは、建築家さん。鼻高々に笑顔でそう通達されて、私は一瞬気絶するかと思いました。


リフォームしたらこうなる予定。
私の妄想で終わりませぬよう…・

これは一つの例でして、
フランスで暮らしていると、こんな感じで、コトが進まない、予定が立てられない、思い通りにならないことばかりです。仕事でも、銀行でも、学校でもそう。
「では、近日中にご連絡しますので」
と言われて電話が掛かってきたためしがありません。
いつもこちらからプッシュしないとことが運ばない。こちらがお金を払う側なのに、でもです。
コミュニケーションもほころびだらけで、正確なところが分からず終いなことが多い。

そんな日々が続くと、時々倦怠感のようなものに襲われます。
落ち込んだときは、このドリームハウスの写真をみます。
昨年の夏訪れた、中禅寺湖畔にある旧イタリア大使別荘
人と言うものは、心のどこかで新しい展開を望んでいるところがある。
家のリノベーションや引っ越しというのもそうだし、転職もそう。もっと気軽なところでは、旅に出るとか、新しい本を読むとかもそう。

私の憂鬱の理由の一つは、フランスでは、こういう新しい展開が展開されないところ!仕事を探すにも、社会システムがためにポストが少ない。引っ越しするにも、これ、という物件が少ないこと! 家の売買に伴う手続きとコストがために余程のことがないと踏み切れないようです。本だって、新しいものにチャレンジしてイマイチだったことが続きすぎて、勇気が出ずにいます。旅に出るには拘束が多いし・・・・・・。

愚痴が多いですって? そう、憂鬱のもう一つ大きな理由は、アラフィフという年齢でもあるのだと思う。
能天気に、ずっとずっと夢見がちに生きてきたけれど、もうすぐお年寄りになってしまう。それなのに何も成し遂げられていないと言う衝撃の現実。参ったなぁ。落ち込むなぁ、という......。これが色々なことをポジティブに流せない理由の根底にあるのかも。

でも、ね。Life goes on ですからね。
時には憂鬱を受け入れてあげることも大切だけど、そろそろリセット。

一日一日一喜一憂、二歩進んだと思ったら一歩下がる、
そういうものだと腹をくくって淡々と暮らすしかないんだな、という、覚悟のようなものが出来つつあるこの頃。

ついでに。
これはドリーム邸宅の縁側から見える中禅寺湖
ため息……
日本でも不動に見えた政権がようやく揺らいできましたし、腐敗していると思ったメディアもゾンビのように生き返ってきましたし、待っていれば、コトは起きる。

私も大人ですから、がっかりシリーズなどにマケズ、ジッと待てというのであればキれずに待とうじゃありませんか。

雪を被っても、明日はきっとまたふんわりと咲き続けるだろう野花のように、むんずと踏ん張って、毎日リセット、毎日再スタート。

皆様も、季節の変わり目、どうぞご自愛くださいませ。
また行きます!





2018年2月3日土曜日

私の一月


年初の、田舎の朝日です
La vie en rose、薔薇色の2018年でありますように。
2018年初のブログが、2月にずれ込んでしまいました。
こんなだらしない私ですが、本年度も何卒ご贔屓にお願いいたします。



この一月を振り返ると、「再会の一月」だったように思われます。

まず元旦翌日の二日には、横浜時代の知人夫婦とベルサイユで再会しました。
温かくてフェアで誠実なミスター・へイグは兄猿の5年生の時の担任でした。
その奥様、ジャネットは、横浜で二年間に渡って、柔軟性や身体能力が欠けている私にプレッシャーを掛けることなくヨガを教えて下さった方。
イギリス帰省中に、Mr. へイグからジャネットへの誕生日プレゼントとしてパリへの小旅行をアレンジされたんですって。素敵じゃありませんか!

どちらも大好きな方でしたが、個人的なお付き合いがなかったので、横浜を去ってしまったらお会い出来ないもの、と思っていました。

それが、こうしてまた会えた! 
このことは、何というのでしょう、運命に対して自信のようなものを抱かせてくれました。
「好きな人とは、また会えるもんなんだ!」、みたいな。
どれ、縁とか、絆を信じてみよう、という気持ちになれますね、こういうことがあると!

ベルサイユ庭園の運河沿いをご一緒に散策しました。
この日は寒かった!

こうして幸先良く2018年が始まり、翌日には家族4人、久々にユーロスターに乗ってロンドンへ小旅行に出ました。
そうそう、このユーロスターの出発時に、北駅で、またMr.へイグ夫妻に会ったのですよ。すごーい人混みで、電車も彼らは一時間後の出発だったのに! 
私はすごく驚いたけど、兄猿は、まるで当たり前のように、「ママ、ミスター・へイグが手振ってる」と、普通に手を振り返している。「何でそんなに平常心なの?普段は横浜に住んでいる方達よ」と肩を揺すりたくなる私に、「だってまた会えると思ってたから」と応える兄猿。彼の太々しいまでの楽観的思考に、またまた驚いた母猿でした。

さて、ロンドン。
一二年ぶりかな、ロンドン、と思っていたのですが、よく考えてみたら4年ぶり。間に二年の横浜が入っていますからね。
ロンドンの中心部はアラブ色が強くなっていて驚きました。カタールが投資していると聞いていたけれど、ここまでとは。ハロッズには、金銀の鷲のオブジェとか、馬のクリスタルといった、カタール人好みのものばかり。私はロイヤル・スポードが見たかったんだけど……。

リージェント通りのストリート・イリュミネーション
本当に天使が飛んでいるみたいでした!

ロンドンでは、まず初日に、私達が14年前に結婚式を挙げたロンドン・オラトリーにて、わが家のファミリー・ドクターならぬ、ファミリー神父様、ファーザー・パトリックと再会しました。

時や距離の感覚が実感持てないときがある私。高校時代が昨日のことのようだったり、日本がすごく近くに感じられたりすることがある。今回も、Frパトリックには出発前々日に、さらーっと、まるでオラトリーの向かいのフラットに住んでいた頃のような感覚で、
「ミサの前にドアをノックしますね~」
っていうメールを出したのですが、よくよく考えてみれば、前回お目にかかったのが4年前、私がロンドンのあのフラットに住んで、ちょくちょくFrパトリックとお会いしていたのは、16年も前のことでした。

それなのに、Frパトリックは、以前と全く変わらない親しさを持って、お茶に招いて下さり、暖炉の前で、子供たちに合わせてスターウォーズ話で盛り上がって、とっても愛しい時間を過ごしました。

Frパトリックと私たち夫婦の共通点は、同じ年ということと、アレック・ギネスのファンだということです。
アレック・ギネスとは、最初のスターウォーズでオビワン・ケンノビを演じた名優です。

アレック・ギネスはオラトリーに来ていた時期があり、Frパトリックは惜しくもすれ違ってしまったらしいのですが、先輩神父様から、色々漏れ聞いていらっしゃるエピソードが幾つかあるのです。

今回聞いたのは、アレック・ギネスが、スターウォーズに出演した際のエピソード。
アレック・ギネスは、ジョージ・ルーカスが資金難だとを知り、「ギャラは要らない。この映画の興行売り上げの1%(かもっと少ないかも)でもくれればいいよ。そしたらコスト抑えられるだろう」と気を遣ったらしいのです。この映画は売れないと思っていたらしい。そして、撮影中は、資金繰りに忙しいルーカスに代わって、監督業を殆どやってあげたそうです。
で、蓋を開けたらスターウォーズは大ヒットしました。
そこでルーカスは、アレック・ギネスに感謝の気持ちを込めて、約束の何倍ものパーセンテージをギャラとして渡したそうな。

アレックギネスの映画で、私が好きなのは、もちろん、これ。

その後、ロンドン在住の横浜時代のママ友、そしてANA時代の後輩とお茶を楽しみました。
クリスマス前から、どっぷりと2週間24時間、男子3名+雄猫マエストロに囲まれ、母、妻、家政婦、料理人、ツアーガイド、AirBnBの連絡役と様々な役どころを演じてきた私でしたが、このひと時は思いっきり、無責任発言ばかりの素の私に戻れ、ふーっと息抜きできました。Vive la 女友達、です。

この日はコーヒーとスコーンにしました。
アメリカンで、と頼んだのにトリプルエスプレッソだった!

滞在中は、一年ぶりにロンドン在住の義理の妹家族とも夜を一緒し、色々と本音トークができて義姉妹、新たなフェーズに入った感ありです。一緒に年を取りましょうね。

パブでは美味しいビールを飲んだし、本格シェパーズパイも食べたし、子猿たちは横浜時代のご学友たちとスリープオーバーもしたし、ウィンザーにも、グリニッジにも行った!夫はシャツやらハンティング帽やら、ロンドンに来る度にオトコ買いするという伝統を繰り返したし、みんなそれぞれに満足して帰途に就きました。

そして、その翌日から新学期で子猿たちは平常運転に戻り、私は、少しお仕事。
今回三回目になる企業さんの展示会出展のお手伝いで、ご担当者や関係各位とも半年ごとにお目に掛かります。「お元気でしたか!」「元気そうではありませんか!」と再会を喜ぶ。
展示場では、他の出展社の方々とも顔なじみになっていて、「お元気でしたか、頑張りましょうね」のご挨拶が嬉しく。

サロン会場ではシャンパンが振る舞われますの。
おフランスでしょう?

このところ、しみじみ思うのは、ご縁とか、絆とか、細くとも繋いでいきたいな、ということ。学生時代のような濃い繋がりは出来なくとも、たとえ、フェースブックでたまに繋がるだけでもいい。
そんな縁でも、知り合えたことが嬉しく、時折元気な姿、頑張っている様子を聞くだけでも、何だかとってもポカポカするのです。
年ってことかしらね、これも。

年初なのに緑の田園風景
暖冬多雨のフランスなのです。

日本は雪が降ったり、寒い冬を迎えていると聞いています。皆さんどうぞご自愛くださいね!
では今年もどうぞ宜しくお願いいたします!
ドメストル美紀

2017年12月6日水曜日

50歳の孤独


先ほどの暗闇からようやく薄グレーの空となったベルサイユからお便りします。
日の出は8時半、日の入りは16時半過ぎですので、一日の2/3が暗闇のフランスです。
気温の方は、先週後半は一瞬雪が舞うほど冷え込みましたが、そのあと、また気温が戻り(?)、朝は1~3℃、日中は7~10℃。
これを意外と温かいと思ってしまう私は、激寒のフランスの冬と猛暑の日本の夏を繰り返している間に体内温度時時計がおかしくなってしまっているのかもしれません。

さて、先日も触れたように、この秋についに50代に突入しました。
長いこと親しんできたアラフォーという言葉をどんなに逆立ちしても使えない、アラフィフ、というよりはフィフティーどんぴしゃりです。

ちなにみアラフィフの次はアラカンっていうんですって。
最近の日本語は面白いですね。


先日の雪です。翌朝には消えてなくなっていました。
そして気づくと暦は最後の一枚、12月。
振り返ると、なんだかんだ厳しい一年でした。
明るいニュースはあまりなく、地道に頑張ったけれど、結果はまだ見えぬという一年の終わりを迎えています。

私に関しては、ひたすら書いた一年でした。外にも行かず、友人らとおしゃべりに耽ることもあまりせず、家事・育児も適当に、時間を惜しんで書きました。

そういう生活をしているからなのでしょうか、ふと気づくと、結構孤独だわ、と思うこの頃。
寂しいわ~、と嘆いているのではありません。
もしアラフォーが、人生が解り始める、新しい始まりの世代だとしたら、
50代は内省する世代なのだと思う。

大体、同世代の人と会う機会があまりありません。
みんなチャレンジしてきたことを形にするために今は正念場で忙しいのだと思う。
子育て組、子供にとって一つの正念場を迎えていてそのサポートで忙しそう。
仕事組も、ぐっと辛い時期、大変な時期なのでしょう。厳しい顔しています。

たまーに会う機会があると、とても内容の濃い近況報告になるか、
もしくは、今は人に語るというフェーズになく、言葉少ない物静かなお茶になる。
そういうときは、「ああ、彼女も色々考えているんだな」と感じ、心の中でガンバレ、ガンバレと語りかけます。なんか声に出して応援することも遠慮してしまうような真摯なものを感じるんです。

50代は中年時代ラストの10年ですからね。
何とか実らせたい、やるだけやって自分を高めたい、と必死なんです。



また、自分より若い世代と会うと、少し前みたいに、一緒におしゃべり、というよりは、一歩引いて話を聞こう、という気持ちが強くなってきました。若い人の仲間に入れて貰ったなら、私がしゃべりまくるのではなく、聞く。そして若い人の元気さを楽しませて貰う、それでいいかな、って。

・・・・・・なんて老成したようなこと書いてきたけれど、一人が好きな一番大きな理由は、マエストロ、愛猫の存在かも! 
PCに向かって地味に文章を書き、時折、ストレッチがてら、誰かのベッドの上で寝ているマエストロを襲ってお腹に顔を埋め、その温かさにやすらぎを得て、またデスクに戻る。すると何だか元気が戻っているという。
人間の身勝手さで起こされるかわいそうなマエストロなのです。

また? 
さて、また作業に戻るとしますか!
皆様もどうぞよい年の瀬をお過ごし下さいませ。




2017年11月18日土曜日

フランスのここがキライ、学校教育編



秋まっ盛り、いかがお過ごしでしょうか。
こちらフランスは晩秋というより、初冬の二文字の方がフィットする朝を迎えています。

今日は久々に、「フランスのこういうとこ、キライ」シリーズ、教育編をいきたいと思います。
今、兄猿は12歳。日本だったら小6ですが、フランスでは中学2年生。チビ猿は10歳。早生まれですので、日本、フランス共に小5です。
ちなみにフランスでは小学校は5年制ですので、チビ猿も来年から中学生。時の流れの早いこと!
近くにある乗馬場、午後3時で夕焼けという・・・・・・
さて、学校。
9月に新学期が始まり12月下旬で、1学期が終了します。
新学期の一週間、キックオフはテストでした。これは生徒個人の出来と言うよりは、クラス全体の、今までの勉強の理解度を確認したいから、ということで、まあ理解した。

でも一事が万事とはこのこと。


その後もテストが多いこと!

フランス語は、毎週聞き取りのテストがあります。チビ猿は週三回。
他の教科も隔週くらいでテストがある。
その上、10月後半は秋休みに入る前に、中間テストの一週間もありました。
そうなると、「ねえ、いつ習っているの?」と聞きたくなる。


2週間前は午後4時でもこうだったのに・・・・・・
もう一つ気になっているのは、点数に拘る点。
フランスは20進法の国でテストも20点満点ですから、そこらかしこで「バカロレアは10点が足切りだけど」「13点はマズい、15,16は欲しい」とか、そういう話ばかり。
たった1,2点の違いで騒ぐのはあまりに悲しいから、200点満点制にしたら良いのに、と、論点を外したことを思ったりする母猿です。

中学になると、学校とのコミュニケーションに、オンラインシステムを導入していて、宿題など書き写しそびれていたら、そこで確認できるというのは文明の利器。 
……それはそうなのですが、このサイトでは、テストの結果と、そのテストのクラス平均と学年平均、そしてそれに対する自分の位置がグラフで一目瞭然と分かるようになっています。
このオンラインシステムは私立だけでなく、公立校でも導入されていると聞いてます。

兄猿は、テストが返されると、家に帰って、まず自分の立ち位置を確認し、平均より上だとほっとして、たいして良くない点数でも堂々と見せてきます。
「何これ。何で得意科目でこれ?」
と問うと、
「でも、平均より上だよ、みんなできなかったんだよ」
と答える。
でもさ、そういう問題じゃないと思う。君は頑張ったのかい?本当に全力だしたの?できなかったところがあったことは悔しくないの? プライドとか、ないわけ?
と思うわけです、母猿としては。
ベルサイユ宮殿へ繋がる道。
街路樹の背の高さに、志も連動させようよ
この立ち位置確認システムの良し悪しは、ビミョーだと思います。
学年において、自分ができてる、できてない、ということを知るのは役に立つとは思う。できていないは特にそう。マズい!とお尻に火がつきますからね。

でも一方で、本当に役に立っているか、とも思う。

子供たちの頭の中は「点数」で一杯になります。
この年の子供たちには、学ぶ喜びで頭一杯にして欲しい、好奇心で頭一杯にしてほしい。

クラス、学年の平均よりもっと点数を採れた!と言って喜ぶ。

そんな小さな世界で競争心煽ってどうする。そんな小さな競争ばかりしていると疲れちゃうし、もっと大きな世界を見ずに終わっちゃう。

メソッドとは異なる道筋で答えを見いだしたのに、採点上はゼロとなる。

銀河の定義を一言一句暗記して書けという。銀河の定義って、何よ。未知のことだらけじゃないの?未知のことを考えさせないで、定義し、それでお終いって、好奇心をつぶしていない?
ワイルドに育ってもいいのよ
最近の、価値観ぶれまくりの世の中で、自分の良心をしっかり保持し、幸せになって欲しいのですが、良心も幸せも数字では計れないものだし、これでいいのか? と憂う母猿なのでした。





2017年11月7日火曜日

フレーフレー!

フランスは冬時間に入りました。
時差は8時間。また一時間遠くなってしまった・・・
皆様、
本当にご無沙汰しております。
先週まで、時間があればPCの前でモノカキをしていました。今週は一段落というか、待ち時間に入ったので、ささっと最近の思ったことを書きたいと思います。

まず近況。

10月は、子猿たちの2週間の学校休みがあり、そして気づくと、私もまた一つ年を重ねていました。

誕生日、優しい夫は私の好みでないものを贈ってくれるに違いない、と危惧し、今年は「花ならフリージア、服なら自分で買いたい」と事前に宣言しておきました。

何しろ、夫は、私がトロピカルフルーツは苦手だと散々言っていても「このマンゴジュース、美味しいから君にもどうぞ」と勧める人。毎年、マンゴのようなプレゼントを贈られる度に、心の中で「??」と思いながら「メルシー、でも替えていい?」と受け取っていました。

でもね、そういうのが15年続くと、さすがに、ね。
フリージアの香りが好き
そんなこんな、な日々、モノカキしながら、悪い癖でついついツィッターを見てしまう。
日本国内はモリカケ解散なのに、圧勝という不可解な結果となり、
アメリカでは品格のヒの字もない大統領が、場末の酒場で吐くような言葉で恐ろしいツィートを流している。
ある女性は性犯罪の被害者として立ち上がったのに、何故か批難され、推定加害者は権力に守られている。

こういうニュースを読んでいると、

ひょっとして、ホモサピエンスは、破滅するようにプログラムされているのではないか。
だから、折角民主主義が確立されたのに、敢えて、不適格な権力者の元に跪き、権力者は武器の売買がために戦争を煽る。
折角破滅しないようにプログラムされている善良な人を追い込み、つぶしてしまう、
そういうこと?
と悲観的になります。
いやな感じ
さてさて、誕生日に話を戻すと、今年はめでたく50歳となりました。
ここまで健康でいられることに感謝。健康に産んでくれた両親に感謝。

50年生きれば、結構な数の人に出会うものです。

振り返れば友達に恵まれ、多くの方々から感動の瞬間を貰ってきました。
一方で、歪んだ考え方をする人ともた~くさんすれ違ってきました。

人というのは、とっても複雑なくせに時々驚くほど単純。分かり易い人もいれば、多面でつかみどころがない人もいる。


私はどうしてだか、人に対して、とても好奇心があるのです。

高潔な方に出会えば、どうにか近づけないものかと、分析したくなり、
歪んで病み掛かった人に捕まってしまうと、逃げながらも、その顔を見たくて振り向いてしまう。どうしてこういう性格になってしまったのか、そのヒストリーを知りたくなる。

素晴らしい人のことを書きたい。酷い人のことも書きたい。不器用な人のことも書きたい。器用な人の苦労も書きたい。色んな人達のことを書きたい。

もちろん、読むのも大好き。
人について、読む・書く。
これが私を動かし続ける。
暗い世の中だけど、負けないぞ。

……そんなことを考えている今日この頃です。

また近々お会いしましょう!








2017年9月23日土曜日

ベルサイユの秋、色々

夏の終わり、ベルサイユ宮殿にて。
皆様、ご無沙汰しております。
お元気でらっしゃいますか? 

日本の皆様、台風があったり、寒かったり、暑かったりと忙しそうですが、体調は大丈夫でしょうか。どうかご自愛下さいますよう。

フランス、そして欧州の皆様、秋の訪れが異様に早くて寂しくないですか? 夏ったら、ささっと去ってしまって、どういうつもりなんだろう、と思っているのは私だけでしょうか。

その他の世界の皆様、いかがお過ごしですか。ハリケーンがあったり、地震があったり、そして国連ではトランプが吠えていたりて、ハラハラしてませんか。

私は元気は元気。とっても元気ではありますが、同時に、イマイチ気が乗らない秋を迎えております。
こちらもベルサイユ。夏の間は毎週土曜日に、
庭園にて、光と水の宴が開かれるのです。
フランスでは、9月は心機一転、スタートの月。
子供たちが新学年が始まりますし、大人達は長い夏のバカンスが終わり、リフレッシュして再スタートです。

わが家はこの街に来てから2年目を迎えました。
昨年越してきたときは、「この家は仮住まい。ノエルまでには新居に移る」などと、のたまっていた夫ですが、イージー・ゴーイングなようでいて、それなりにこだわりがある私たち夫婦。そう簡単に夢の家が見つかるはずはなく、今では、「ゆっくり探そう。ここも悪くないじゃないか」と、やっと現実を受け入れられるようになりました。

「それなら」と、8月は子猿たちを田舎に送り込み、夫が会社にいる間、一人黙々と家の整頓に勤しんだ私。横浜から持ってきた段ボール箱が、ようやく一年掛けて、全部開封されたのです。

そして、9月。ベルサイゑ(というらしいです、ベルサイユの住人のこと)がバカンス先から戻ってきたら、静かな街が活気づいてきました。

8月は、昼間など、人は私だけ、猫はマエストロだけ。その静けさも好きだったけれど、少年・少女たちが自転車であっち行ったり、こっち行ったりする、近所の猫たちもうちの庭に遊びに来る、そんな風景が窓から見えるのもいいものです。

そして一年経ったんだな、と実感するのは、お隣さんとの距離感が近くなったり、気づくと顔見知りがたくさんいて、道を歩けば、車からプップーと友人がクラクションを鳴らして手を振ってくれるとき。また、スーパーでは、名前を言わずとも、配達のお兄さんが「任せとき!」と笑顔で受け取ってくれるようになりました。

夕暮れ時のベルサイユ
さて、今日も頑張るか。
そんな気持ちにさせてくれるのは、こういう些細ともいえる人との交流だったりする。
あとは、朝のピシッと冷たい空気。午後のお日様の匂い、きれいな夕日、子猿たちの小さな成長・・・・・・。

そしてマエストロ
ガンバレガンバレ。子猿たち、夫、そして私。
頑張らないと始まらないもの。
心機一転、しろしろ、と自分にはっぱ掛けている今日この頃なのです。

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エッフェル塔は青空がよく似合う
トロカデロ広場からの眺め
追記:このブログを書いたときは、気持ちが晴れずにいたのですが、書いたころから転機が訪れ、すっきりしつつあります。のでどうぞご安心を!
書いたこと、よく寝たこと、人に会ったことなどが良かったみたい・・・・・・単純ですね。