2017年11月18日土曜日

フランスのここがキライ、学校教育編



秋まっ盛り、いかがお過ごしでしょうか。
こちらフランスは晩秋というより、初冬の二文字の方がフィットする朝を迎えています。

今日は久々に、「フランスのこういうとこ、キライ」シリーズ、教育編をいきたいと思います。
今、兄猿は12歳。日本だったら小6ですが、フランスでは中学2年生。チビ猿は10歳。早生まれですので、日本、フランス共に小5です。
ちなみにフランスでは小学校は5年制ですので、チビ猿も来年から中学生。時の流れの早いこと!
近くにある乗馬場、午後3時で夕焼けという・・・・・・
さて、学校。
9月に新学期が始まり12月下旬で、1学期が終了します。
新学期の一週間、キックオフはテストでした。これは生徒個人の出来と言うよりは、クラス全体の、今までの勉強の理解度を確認したいから、ということで、まあ理解した。

でも一事が万事とはこのこと。


その後もテストが多いこと!

フランス語は、毎週聞き取りのテストがあります。チビ猿は週三回。
他の教科も隔週くらいでテストがある。
その上、10月後半は秋休みに入る前に、中間テストの一週間もありました。
そうなると、「ねえ、いつ習っているの?」と聞きたくなる。


2週間前は午後4時でもこうだったのに・・・・・・
もう一つ気になっているのは、点数に拘る点。
フランスは20進法の国でテストも20点満点ですから、そこらかしこで「バカロレアは10点が足切りだけど」「13点はマズい、15,16は欲しい」とか、そういう話ばかり。
たった1,2点の違いで騒ぐのはあまりに悲しいから、200点満点制にしたら良いのに、と、論点を外したことを思ったりする母猿です。

中学になると、学校とのコミュニケーションに、オンラインシステムを導入していて、宿題など書き写しそびれていたら、そこで確認できるというのは文明の利器。 
……それはそうなのですが、このサイトでは、テストの結果と、そのテストのクラス平均と学年平均、そしてそれに対する自分の位置がグラフで一目瞭然と分かるようになっています。
このオンラインシステムは私立だけでなく、公立校でも導入されていると聞いてます。

兄猿は、テストが返されると、家に帰って、まず自分の立ち位置を確認し、平均より上だとほっとして、たいして良くない点数でも堂々と見せてきます。
「何これ。何で得意科目でこれ?」
と問うと、
「でも、平均より上だよ、みんなできなかったんだよ」
と答える。
でもさ、そういう問題じゃないと思う。君は頑張ったのかい?本当に全力だしたの?できなかったところがあったことは悔しくないの? プライドとか、ないわけ?
と思うわけです、母猿としては。
ベルサイユ宮殿へ繋がる道。
街路樹の背の高さに、志も連動させようよ
この立ち位置確認システムの良し悪しは、ビミョーだと思います。
学年において、自分ができてる、できてない、ということを知るのは役に立つとは思う。できていないは特にそう。マズい!とお尻に火がつきますからね。

でも一方で、本当に役に立っているか、とも思う。

子供たちの頭の中は「点数」で一杯になります。
この年の子供たちには、学ぶ喜びで頭一杯にして欲しい、好奇心で頭一杯にしてほしい。

クラス、学年の平均よりもっと点数を採れた!と言って喜ぶ。

そんな小さな世界で競争心煽ってどうする。そんな小さな競争ばかりしていると疲れちゃうし、もっと大きな世界を見ずに終わっちゃう。

メソッドとは異なる道筋で答えを見いだしたのに、採点上はゼロとなる。

銀河の定義を一言一句暗記して書けという。銀河の定義って、何よ。未知のことだらけじゃないの?未知のことを考えさせないで、定義し、それでお終いって、好奇心をつぶしていない?
ワイルドに育ってもいいのよ
最近の、価値観ぶれまくりの世の中で、自分の良心をしっかり保持し、幸せになって欲しいのですが、良心も幸せも数字では計れないものだし、これでいいのか? と憂う母猿なのでした。