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2020年5月18日月曜日

フランス外出制限緩和後の様子

ジャスミンが香る季節となりました

フランスの外出制限が緩和されて一週間経ちました。

車の往来も増え、空っぽだった市バスに、人影が見えるようになり、少しずつ元に戻りつつあるベルサイユです。

制限されているときは、キッチンの窓から、家族が5人とかで散歩する姿をよく見かけ、何となく不自然さを感じていました。

親に「ほら、あんた達もゲームばっかりしていないで、身体動かしましょう!」と急き立てて出てきたのかな、と勝手に想像し、「子供達はつまんなそう、そりゃそうだよね」と、お節介にも同情していました。


それが、制限緩和された11日以降は、子供達が友達とふざけていたり、スケートボードで追っかけッコしていたり。そういう情景に、「やっぱり子供は子供と一緒が自然。よかったね、君たち」と、何だかほっとしています。

また、うちの角は、「恋人達の語らいの場」になっていて、高校生カップルなどが、かわいい感じで屯っているのですが、それも再スタートしました。

薫風が漂っているのは花たちのお陰だけではなさそうです。



でも、わが家の生活は、相変わらず。

夫は5月一杯はテレワークが続き、来月からも、できるだけテレワークするそうです。

子猿たちも、遠隔授業が続いています。

フランスでは、全国的に11日より、保育園・幼稚園・小学校は開校しましたが、実際に通っている児童は全体の24%だそうです。条件が色々あるし、親も不安で出さないのでしょう。(詳しい条件を知りたい方は、大使館のページをご参照下さい)

中学以降は、感染率が高いパリ近郊は、今のところ開校時期は未定です。高校はもう開校せずに今年度を終えるところが多いのではないでしょうか。

うちの子猿たちは中2と中4。(フランスは中学4年制)
よって再開予定は発表されていません。たとえ再開したところで、小学校のような状況になると思う。基本的には遠隔授業で本年度はおしまいと考えています。

春休みまでの3週間については、前回のブログで、「オンライン授業などありませーん」、とお伝えしましたが、その後から少し改善されました。

特に、外出制限が解かれても遠隔授業は続くことが確実、また、第二波も予期されると分かってきたころから、学校も力を入れた印象があります。


今では、2日に一度オンライン授業が一コマは入る、というペースです。今後増えていく予感。

ちび猿はしょっちゅう宿題の提出を忘れたり、ちゃんと送信できていなかったりするのですが、そうすると、すかさず先生より、親へもメールが入るようになりましたし、先生から時折、「調子どう?」の電話もあったり、学校側も体制が整ってきた感あり。

習い事のオンライン環境も、春休み以降、徐々に対応されました。
ホルンはWhatsApp、ソルフェージュは電話通話、日本語補習校はZoom、と使う媒体も色々。

オンラインではないけれど、ピアノとフェンシングは今週より再開。フェンシングは近くのグラウンドを使って何かするらしい。ゴルフレッスンは来月から。


習い事ではないけれど、矯正歯科通院も再開しましたし、じ
わじわと以前のリズムに戻りつつあります。



今回のコロナ禍はまだまだ終わりではありませんよね。
昨日お会いした息子の友達のお母さんは病院勤務のドクターで、今回大活躍されているのですが、彼女は、コロナ感染は3年続くと思う、って。

でもアメリカのファルチ博士が仰る通り、第二波、第三波は来るだろうけど、私達も体制ができているから、こんなパニックにはならないだろう、と思います。

気になるのは、経済的ダメージですよね。
私達の周囲でも、失職したという人がお二人いらっしゃいます……。
そういう話を聞くと不安になりますが、とにかく、目の前のできることに、手を着けやり遂げることで自分を落ち着かせています。

あとは、とにかく手を洗い、免疫アップを心がける。
手を洗う、って真面目にやると、気持ちいいですよね。
何かが洗い流されていく気がします。

さて最後にお知らせです。
noteという媒体に、アンコール劇場ではありませんが、当ブログで閲覧数が高かった投稿を編集して掲載し始めました。お時間ありましたら、そちらも覗いてやって下さい。
https://note.com/lazyelephant/

ではまた行きます! Stay safe!

2020年4月21日火曜日

フランス、休校中の教育について…外出制限36日目

夕方のシャクナゲ
晴天続くベルサイユよりボンジュール。
朝夕はひんやりと、日中は真っ青な空が広がっている昨今です。
外出制限はも続いていますが、5月11日より緩和されていく予定と発表されています。
フランスの皆さん、あと20日足らずですよ! 頑張りましょうね。

子猿たちの学校も春休みが終わり、昨日から遠隔授業が再開しました。
今回はフランスの遠隔授業がどんな感じなのか、お伝えしたいと思います。


Lazy elephant!
まず時系列。
学校閉鎖が発表されたのは、確か3月12日、木曜日のこと。翌日金曜日は登校し必要な物を全部持って帰り、

・3月16日月曜日より遠隔授業スタート。
ーーー遠隔授業を3週間した後、イースターを挟んで2週間の春休みがあり、

・4月20日月曜日からまた
遠隔授業再開しました。それが昨日。

・5月11日
月曜日からは、学校が再開される予定です。

ただ、一斉にスタートせず、段階的に開門されるようです。


(4月28日アップデート)
・11日は保育所、幼稚園、小学校が希望者ベースにてスタート。

・翌週18日から、感染率が低い県の中学の6年、5年生(日本でいう中一、中二)から徐々に再開。

・リセは、少なくとも6月まで休校。5月末に状況をみて決断する。


・ひとクラスに15名以上は駄目(保育所は10名)。

ちなみに、うちの子猿たちの学校は、一クラス36名もいます。「密」を避けるために、2クラスに分けるのか、その場合はクラス数が足りないので、果たして毎日通学なのか、隔日通学なのか、学校の発表を待ちたいと思います。

夏休みもずれ込みました。
本来は高校修了一斉テストのバカロレアや、中学修了一斉テストのブレベがあるため、中高は6月半ばから夏休みスタートの予定でした。
それがコロナ禍の影響で、バカロレアもブレベも中止となったので、授業は7月4日まで延長となりました。

よって3学期は、5月中旬から7月4日までの一ヶ月半、となります。
3学期の成績は、1,2学期の平均と、遠隔授業中の課題への取り組み態度、それと学校再開から学期末までの一ヶ月半の間に実施されるテストでつけられるようです。

バカロレアやブレベの代わりに、内申点を使うことが決められたので、特にリセ(高校)を卒業する生徒にとって、今頃先生方もどう評価したらよいのか、頭を悩ませていることでしょう。



わが家の家庭内給食はこんな感じです
ところで、先ほどから「遠隔」という言葉を使っていますが、フランスでは「オンライン」授業の実施率は、まだまだ低いと思われます。
少なくとも、休校スタートから春休みまでの3週間、私の周りの中学では全く(!!)聞きませんでした。

オンライン授業、私が知る限りでは、パリで私立リセに通う甥が、唯一のオンライン授業の受講者でした。でも、先生はこの一授業だけで断念したみたいです。クラスメートの多くは、田舎の別荘に疎開していたため、パソコンがなかったり、インターネット環境がなかったりしたようです。当の甥君も、Teamアプリの使い方が分からず、戸惑っている間に「全てが終わっていた~」、と嘆いていました。

「フランスのオンライン授業は素晴らしい」、という声を聞くのですが、これは地域差、そして先生次第なのでは?
私の周囲の一般の中学で、オンライン授業を継続的にやっている話は、今のところ聞いてなく。フランスは先生次第ということが多いので、画一的に語れないのです。

一方、インターナショナルスクールや一部のエリート校では、本格的にオンライン授業に移っている様子が見受けられ、コロナ禍により、教育格差が生まれているのが気になります。

追記:そんなことを書いた矢先、今日、22日、ちび猿の担任の先生がオンラインにチャレンジしてくれました。授業というより、遠隔授業での勉強の仕方、といった話だったようです。


上のホットドッグの真っ黄色のソースは、これです。
辛くはなく、酸味が利いていて、私、病みつきなのです。
そもそも、子猿たちの学校のIT教育はイマイチです。
ハード面では、5eme(日本の中学一年生)の一年だけ、学校よりiPadが貸与されます。これは太っ腹だな、と思いました。
これはフランス全土でそうなのか、分かりません。ベルサイユ地区は貸与していますし、その他の幾つかの地区でも同様だとは聞いています。
家ではiPadを使って、オンラインドリルなどをやっています。学校ではどう使っているのか、聞いてもまともな答えが返ってきません😢

学校の図書室には、20台のパソコンがあり、IT授業で使用されています。
でもね……。
例えば兄猿のIT授業は、先生が見つからず、半年ほど授業なし。残りの半年も、児童のお父様で失業されたていた方が臨時の先生をやって下さったのですが、その方の職が見つかったら、また授業がなくて、という……。
ちび猿の場合も違う事情でしたが、宙ぶらりんの授業でした。
それもあって、IT教育は、政府のプロパガンダほど重視されていない、という印象があります。教える側も、この年の子供達に、週に一時間枠で何を教えるのか。難しそうではありありませんか?



そして、遠隔授業……これも「フランスの遠隔授業は素晴らしい」という話を聞きますが、日本の皆さんは、フランスに優しすぎます! (それとも私が辛口すぎ?)
うちの子猿に関していえば、遠隔授業も、中学に関してはビミョーな感じです。

私の周辺で耳にする遠隔授業とは、家で、生徒が学校が契約している教育サイト(うちはecoledirecte.com)にアクセスして、先生からの指導メモを読み、それに呼応したエクササイズをやって、提出する、というのが基本的な流れです。
全て文章での遣り取りですから、先生方は長くならないよう、勉強のポイントを箇条書きで何点かに絞って記し、補足として、プリントが添付されています。
その他、先生への質問もできますし、チャット機能を使って他の生徒と意見交換もできます。

こうやって書くと、「わあ、多機能」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には、先生とメールの遣り取りをしているのとそう変わりません。先生からは情報がたくさんくるけれど、うちの息子達のように口数が少ないコは、宿題を添付して送り返すだけ、です。
このインタラクティブではない授業で、新しいことを教えるのは難しいでしょう。
3月からの前半は復習的な勉強が中心でした。今日からの3週間はどんな授業となるのか。
今年はもう咲きました!
願わくば、学校にはこんな生産性低いだろう遠隔授業ではなく、
もっとクリエイティブな課題を出して貰いたかったです。
クリエイティブ……なんだろう。生い立ちの記を書いてみるとか、歴史であれば、今まで学んだこと、知っていることを自分なりの年表にしてみるとか、数学で誰にも解けない数式を作ってみるとか、オリジナル・ダンスビデオを作るとか、何でも良いのです。評価はしないんだから、

この数週間の、私の試みは、子猿たちに一切、強制しないということ。
「勉強しなさい」「本読みなさい」「部屋片付けなさい」「お風呂入りなさい」まだまだある「~しなさい」を禁句としました。
言っても意味ないというのが一つ、あと、言うのも疲れた、というのがもう一つ。
私からの号令がなかったら、とことん自堕落になるのか、それとも、自ら危機感を察してやるのか。乞うご期待です。

今日は何週間かぶり(!!!)に、散歩に出てみようと思っています。
少しずつ、社会復帰の準備をしなくては、ね。
ではまた、行きます!
どうぞ、Stay Safeで!!







2019年10月1日火曜日

私のフランス観 その③、フレンチ・エリートの作り方

皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今年の九月は色々あった一ヶ月だったように思われます。

日本では台風の被害が大きかったとのこと。未だに停電しているところも残っているそうですね。家屋の修繕など、その費用・労力を思うと胸が痛みます。

フランスでは、9月が学校曆の始まりとなり、父母会やら、ママ友との集いやらで忙しくしておりました。

先日は、とても優秀なお嬢さんを持つ友人とお茶をし、
「これぞフランスのエリートを囲む環境・そしてマインド・セットだわ」
と思うことがあったので、今日はそれをシェアしたいと思います。


セーヌ川右岸より

このお嬢さん、ナタリーは、兄猿と同じ
14歳。中学部の最後の年で、フランスでは、3emeトロワジエムと呼ばれます。

今は、兄猿と同じ私立校に通っていますが、高校からは、フランスでも何本かの指に入るベルサイユの名門校、リセ・オッシュに移りたいそうです。
何故かというと、ナタリーは特に理系科目が得意らしく、オッシュ校は、理系のレベルの高さで知られているので、
「私、そういうところに入って、もっと自分を高めたい」
んですって。
14歳でこの志!兄猿に、爪の垢を飲ませたいですよ、ほんとに。


このナタリーちゃんは、本当に良い子なんです。
見た目も麗しい上に、性格が良い! 
控えめで、努力家で、礼儀正しいし、友達思いだし。
勉強だけでなく、バレエは飛び級するほどのレベル、ピアノに至っては、この夏、ベルサイユのコンセルバトワール(以下、音楽院)のコンクールで優勝したとか。

先日の会話は、この音楽院に関する話でした。

※コンセルバトワール音楽院について
フランスの学校は、バカロレア科目に重点を置いているので、音楽教育は日本よりも質も時間割り当ても低いのです。その分、ではないのかもしれませんが、音楽をやらせたいなら、行政が運営する音楽院に通わせなさい、というスタンスです。
音楽院は、フランス全国各地に国立、地域圏立、県立、そして市や区立など、規模や難易度は異なりますが、200院近くあります。

公立のなので月謝も安く、低所得者にはさらに優遇処置があります。
そんなことからも、入るためには夜を徹して並ばなくちゃいけない、とか、画一的な指導しかしない、とか、先生によっては厳しすぎたり、やる気を削ぐような人もいる、という批判的な声も聞きます。

モンマルトルの丘から見たパリ
ナタリーちゃんは、ベルサイユ音楽院に通って早9年目。
ベルサイユは地域圏立音楽院なのでレベルも結構高いらしい。パパが頑張って、志願書を持って夜中から並び、ベルサイユの音楽院に入れたそう。

ナタリーちゃん、音楽院では、かつて良い先生に就いてたこともあったんだけど、この何年は厳しくてネガティブ指導する先生に担当され、ぐっと辛抱しているそう。

この前のナタリーのママ、マリーとのお茶では、夏休み明けから、ナタリーちゃんがこの先生に、理不尽な仕打ちを受け、才能を否定するようなことも言われてガックリしている、という話でした。

私「ひどい!それも夏のコンクールに優勝したばかりなのに、意味不明じゃない?」
と私が憤ると、
マリー、以下、マ「そうでしょう? 」
私「ほかにも先生はいるんでしょう?だったら、音楽院の上に訴えて、別の先生にして貰えば?」
マ「私もナタリーにそう言ったんだけど、ナタリーは、『このままでいい、だって、試験のときに、この先生に当たったら意地悪で厳しい点数つけられちゃうかもしれないから』っていうの。」
私「え~?でも、ナタリーは別にプロのピアニストになろう、とか、そういうのじゃないんでしょ?」
マ「うん、ただピアノ好きだっていう、それだけなんだけど・・・・・・」
私「だったら、仮に運悪くその先生が試験官になって悪い点数つけられたとしても、どうだっていいじゃない? もちろん、目に余るような不公平があったら、上に訴えればいいんだし」
マ「うーん、やっぱりそう思う?」
私「思う!」
マ「でもね、ナタリーはそれは嫌なんだって。やっぱり高評価が欲しいんだって。夫も、下手なリスクは取らない方がいいっていうし。それに、あと一、二年もしたら勉強で忙しくて音楽院も辞めると思うから、それまでの辛抱だし。」
私「・・・・・・」

私にはワカラナイ。
そりゃ、人間、評価が高い方が嬉しいですよ。でも、だからって、14歳にして理不尽を受けいれるのって、どうよ。それも、ナタリーちゃんの将来に、そんなに大切なことでもない、というのに。私だったら、あと一、二年も嫌な思いしなくちゃいけないなんて、勿体ない、と思うんだけど、

マ「私も、ミキと同じ意見だったんだけど、夫に任せることにしたのよ。私、地方育ちだから、こういうシステム、イマイチ分かってないの。夫が僕に任せなさいって。あの人は、ベルサイユ育ちだし」
私「そうだったんだ!」
マ「そうなの、リセ・オッシュだったのよ」

ああ、そこで分かりました。ご主人がオッシュ校だから、ナタリーもオッシュ校希望なんだ。

マ「それもあると思うけど、うーん、でもやっぱりナタリーの性格だと思う。長男はオッシュに興味なさそうだもの。ナタリーは、本当に負けず嫌いだから、ベルサイユではオッシュが一番なら、そこに行きたいと思っちゃうんじゃないかな。」
私「すごいね。私、そういう志持ったこともない。」
マ「フフフ、それは貴女がジャポネーズだからでしょう。フランスは、みんな上を狙うのよ」
私「・・・・・・(夫はそうでもなさそうだけど、あの人は変わり者だからね)」

マ「ナタリーは、学校で小テストがある度に、猛勉強するの。満点とりたいんですって。」

私は、満点回答をみたことがないです。フランスではそれくらいレアなものなんだけど。

マ「ナタリーは、もし満点でないとしても、クラス一番を目指している。
テストの朝とか、もう『ああ、どうしよう、良い点数取れなかったらどうしよう』ってストレス一杯なの。
普通は親がせき立てるものなのに、ナタリーの場合は逆。私が『大丈夫よ、それにいいじゃない、少しくらい失敗しても』っていうんだけど、『でも嫌なのよ。私、良い点数取りたいの』って」
日射しは秋
こういうのをコンペティティブというのでしょうね。自分自身にコンペティティブ。
素晴らしいと思うと同時に、ちょっとかわいそう。いつもプレッシャーがあるなんて。
まだ14歳なのに。

そのうち、ご長男さんの留学の話に移ったので、
私「ナタリーも外国で伸び伸び勉強楽しみたい、とか言わないの?」
マ「あの子は言わないわね。音楽院もそうだけど、このフランスのシステムが心地よいのよ。優位に立っているし。」
私「ストレス一杯なのに心地よいの?」
マ「うーん、心地よいというか、慣れというか。で、その中で闘うのが好きなんだと思う。」
私「闘い・・・・・・」
マ「そう闘いなの。あの子の口から、勉強が楽しいなんてセリフ、聞いたことないもの。私も疑問を感じることがあるんだけど、夫もそういうところがあるし、フランスって、特にパリとか大都市ってそうなんじゃないの? 点数点数、順位順位っていう。そんな中で育ったから、ナタリーも、夫も、闘っちゃうんじゃない?止められないんだと思う。」
私「なるほどね-」
マ「トップに立ったときの快感とか、たまらないみたい。ナタリーも、コンクールで優勝したとき、すごく嬉しそうだった」
私「アドレナリン」
マ「そう、そんな感じ。中毒にならないといいけど、ハハハ。」
私「(笑えない)」

これがフランス人なんだ、エリートなんだ。
日々闘い。日々上昇。一つ一つのゲームで確実に勝ちを取っていこうという。
ファイティング・マシーン。

マクロン大統領なんて、まさにこんな感じで大統領まで上り詰めたんだろうな。上へ上へ、と求めずにはいられない。その理由とか、あんまり考えていなさそう。ただ単に、自己実現。自己達成、それだけ。
そして、そのための手段も選ばなさそう。でも頭良くて良い子だから、これ見よがしに法は犯さないかな?

先日亡くなられたシラク大統領やサルコジ大統領は、自身の上昇志向も勿論あっただろうけど、それでも、フランスという国に対するリスペクトや愛が、彼らの政治的決断の背景にあったと思うんですが、どうでしょう。


マエストロと義妹の黒猫君
毎回仲良くなるのに時間が掛かるんです
最後にもう一つの現代フランスの典型的なエピソードを。

多くのフランスの中学校では、最終学年で、一週間ほど、社会経験をする事になっています。インターンシップってやつです。獣医さんや花屋さんに行くコ、親御さんの会社を見学するコ、行く場所がないコは、学校の給食配膳を手伝うらしいです。

ナタリーちゃんは、どうするかというと、
マ「あの子は理系だから、○×研究センターに夫が知っている人を通して申し込んでOKもらった。もしかしたら将来、何か役立つネットワークができるかもしれないから。写真とかも、ちょっとそれ風に白衣着せてさ、可笑しいでしょう? メールも夫が書いたと思う。」

インターンシップは、社会人となる準備体操なのに、コスプレさせていいんだ、そして、そこまで親がかりでいいのだろうか、と思ってしまうのですが、夜、夫にこの話をすると、
「フランスの社会はそうやって動いているんだよ」
と驚きもせず。

「従妹のイザベルは、子供達4人の勉強をいつも手伝って、テストの出題傾向も、バカロレアも、インターンシップも、全部フォローしてグランゼコールに入れたっていうのが自慢なんだ。内申を上げるため、宿題をやってあげたこともある、って高笑いしてたよ。『内申上げる裏技なんていくらでもあるのよ』ってさ。」

ああ、だから、この前の父母会で、「もう『宿題点』というのはやめにしました」って言ってたのか、と腑に落ちましたよ。

「・・・・・・そういう親がかりの、節穴だらけのシステムのお陰で何が起きてるか、知ってるかい?
会社の若い人に、例えばデータ集計を頼むだろ。すると期日過ぎても何の提出もない。どうしたんだ、と聞くと、少しムッとした顔で、『だって、データ渡してくれないから何も出来なかった』って逆ギレされるんだ。
次回はこうやるんだよ、って手取足取り教えてやっても、『そういう些末なことをするためにグランゼコールに行ってこの会社に入ったんではないんで』って言うんだよ、いやほんとの話。」
・・・・・・だそうです。

こういう若い人に比べれば、ナタリーちゃんはやっぱり立派。
自ら勉強し、自ら自分のベストにチャレンジし続けるんだもの。親の影響もあるだろうけど、親主導ではなく、あくまでも自主的に邁進しているし。
ナタリーちゃん、頑張って欲しいし、成功して欲しい。

・・・・・・と、同時に、もっと肩の力抜いて、ピアノも、勉強も楽しんで貰いたいなぁ、とも思う。

「秀でている」ことは、そんなに大切なことではない。「秀でている」から幸せになるものでもない。それに、秀でてていたい、と思うのはある意味驕りとも言える。
子供を秀でさせようとする親は、何でそうしたいのか、考えるべき。そうでないと、本末転倒なことが起きるかも。
……みんな分かっているんでしょうね。それなのに、ついつい、その落とし穴に落ちてしまう。

自戒を込めて、書いておきます。
子猿たちは、エリートでなくても良いです。でも、ハッピーでいて貰いたい。そして、苦境でも笑っていられるような逞しさを身につけてもらいたい、それだけです。

以上、フランスのエリートについて、でした!
また行きます!