2020年4月21日火曜日

フランス、休校中の教育について…外出制限36日目

夕方のシャクナゲ
晴天続くベルサイユよりボンジュール。
朝夕はひんやりと、日中は真っ青な空が広がっている昨今です。
外出制限はも続いていますが、5月11日より緩和されていく予定と発表されています。
フランスの皆さん、あと20日足らずですよ! 頑張りましょうね。

子猿たちの学校も春休みが終わり、昨日から遠隔授業が再開しました。
今回はフランスの遠隔授業がどんな感じなのか、お伝えしたいと思います。


Lazy elephant!
まず時系列。
学校閉鎖が発表されたのは、確か3月12日、木曜日のこと。翌日金曜日は登校し必要な物を全部持って帰り、

・3月16日月曜日より遠隔授業スタート。
ーーー遠隔授業を3週間した後、イースターを挟んで2週間の春休みがあり、

・4月20日月曜日からまた
遠隔授業再開しました。それが昨日。

・5月11日
月曜日からは、学校が再開される予定です。

ただ、一斉にスタートせず、段階的に開門されるようです。


(4月28日アップデート)
・11日は保育所、幼稚園、小学校が希望者ベースにてスタート。

・翌週18日から、感染率が低い県の中学の6年、5年生(日本でいう中一、中二)から徐々に再開。

・リセは、少なくとも6月まで休校。5月末に状況をみて決断する。


・ひとクラスに15名以上は駄目(保育所は10名)。

ちなみに、うちの子猿たちの学校は、一クラス36名もいます。「密」を避けるために、2クラスに分けるのか、その場合はクラス数が足りないので、果たして毎日通学なのか、隔日通学なのか、学校の発表を待ちたいと思います。

夏休みもずれ込みました。
本来は高校修了一斉テストのバカロレアや、中学修了一斉テストのブレベがあるため、中高は6月半ばから夏休みスタートの予定でした。
それがコロナ禍の影響で、バカロレアもブレベも中止となったので、授業は7月4日まで延長となりました。

よって3学期は、5月中旬から7月4日までの一ヶ月半、となります。
3学期の成績は、1,2学期の平均と、遠隔授業中の課題への取り組み態度、それと学校再開から学期末までの一ヶ月半の間に実施されるテストでつけられるようです。

バカロレアやブレベの代わりに、内申点を使うことが決められたので、特にリセ(高校)を卒業する生徒にとって、今頃先生方もどう評価したらよいのか、頭を悩ませていることでしょう。



わが家の家庭内給食はこんな感じです
ところで、先ほどから「遠隔」という言葉を使っていますが、フランスでは「オンライン」授業の実施率は、まだまだ低いと思われます。
少なくとも、休校スタートから春休みまでの3週間、私の周りの中学では全く(!!)聞きませんでした。

オンライン授業、私が知る限りでは、パリで私立リセに通う甥が、唯一のオンライン授業の受講者でした。でも、先生はこの一授業だけで断念したみたいです。クラスメートの多くは、田舎の別荘に疎開していたため、パソコンがなかったり、インターネット環境がなかったりしたようです。当の甥君も、Teamアプリの使い方が分からず、戸惑っている間に「全てが終わっていた~」、と嘆いていました。

「フランスのオンライン授業は素晴らしい」、という声を聞くのですが、これは地域差、そして先生次第なのでは?
私の周囲の一般の中学で、オンライン授業を継続的にやっている話は、今のところ聞いてなく。フランスは先生次第ということが多いので、画一的に語れないのです。

一方、インターナショナルスクールや一部のエリート校では、本格的にオンライン授業に移っている様子が見受けられ、コロナ禍により、教育格差が生まれているのが気になります。

追記:そんなことを書いた矢先、今日、22日、ちび猿の担任の先生がオンラインにチャレンジしてくれました。授業というより、遠隔授業での勉強の仕方、といった話だったようです。


上のホットドッグの真っ黄色のソースは、これです。
辛くはなく、酸味が利いていて、私、病みつきなのです。
そもそも、子猿たちの学校のIT教育はイマイチです。
ハード面では、5eme(日本の中学一年生)の一年だけ、学校よりiPadが貸与されます。これは太っ腹だな、と思いました。
これはフランス全土でそうなのか、分かりません。ベルサイユ地区は貸与していますし、その他の幾つかの地区でも同様だとは聞いています。
家ではiPadを使って、オンラインドリルなどをやっています。学校ではどう使っているのか、聞いてもまともな答えが返ってきません😢

学校の図書室には、20台のパソコンがあり、IT授業で使用されています。
でもね……。
例えば兄猿のIT授業は、先生が見つからず、半年ほど授業なし。残りの半年も、児童のお父様で失業されたていた方が臨時の先生をやって下さったのですが、その方の職が見つかったら、また授業がなくて、という……。
ちび猿の場合も違う事情でしたが、宙ぶらりんの授業でした。
それもあって、IT教育は、政府のプロパガンダほど重視されていない、という印象があります。教える側も、この年の子供達に、週に一時間枠で何を教えるのか。難しそうではありありませんか?



そして、遠隔授業……これも「フランスの遠隔授業は素晴らしい」という話を聞きますが、日本の皆さんは、フランスに優しすぎます! (それとも私が辛口すぎ?)
うちの子猿に関していえば、遠隔授業も、中学に関してはビミョーな感じです。

私の周辺で耳にする遠隔授業とは、家で、生徒が学校が契約している教育サイト(うちはecoledirecte.com)にアクセスして、先生からの指導メモを読み、それに呼応したエクササイズをやって、提出する、というのが基本的な流れです。
全て文章での遣り取りですから、先生方は長くならないよう、勉強のポイントを箇条書きで何点かに絞って記し、補足として、プリントが添付されています。
その他、先生への質問もできますし、チャット機能を使って他の生徒と意見交換もできます。

こうやって書くと、「わあ、多機能」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には、先生とメールの遣り取りをしているのとそう変わりません。先生からは情報がたくさんくるけれど、うちの息子達のように口数が少ないコは、宿題を添付して送り返すだけ、です。
このインタラクティブではない授業で、新しいことを教えるのは難しいでしょう。
3月からの前半は復習的な勉強が中心でした。今日からの3週間はどんな授業となるのか。
今年はもう咲きました!
願わくば、学校にはこんな生産性低いだろう遠隔授業ではなく、
もっとクリエイティブな課題を出して貰いたかったです。
クリエイティブ……なんだろう。生い立ちの記を書いてみるとか、歴史であれば、今まで学んだこと、知っていることを自分なりの年表にしてみるとか、数学で誰にも解けない数式を作ってみるとか、オリジナル・ダンスビデオを作るとか、何でも良いのです。評価はしないんだから、

この数週間の、私の試みは、子猿たちに一切、強制しないということ。
「勉強しなさい」「本読みなさい」「部屋片付けなさい」「お風呂入りなさい」まだまだある「~しなさい」を禁句としました。
言っても意味ないというのが一つ、あと、言うのも疲れた、というのがもう一つ。
私からの号令がなかったら、とことん自堕落になるのか、それとも、自ら危機感を察してやるのか。乞うご期待です。

今日は何週間かぶり(!!!)に、散歩に出てみようと思っています。
少しずつ、社会復帰の準備をしなくては、ね。
ではまた、行きます!
どうぞ、Stay Safeで!!