2017年2月3日金曜日

ベルサイユ便り...Je ♡ Versaillesの巻


ベルサイユ宮殿の運河
横浜を発ち、ベルサイユに越してきて、ちょうど6か月経ちました。
こう書きながら、まだ6か月なのか、と驚いています。もっと長いことここに住んでいる気がする。

日本いたのは、たった2年と2か月。
その短さのせいか、そして夢のような日々だったせいか、「あの2年余りは、実は本当に夢だったのかも」と、時折変なことを考えます。
まだ2年2か月という、中途半端な時の重みが実感できないのです
アイ♡横浜
最終日、横浜ニューグランドから撮影
さて、ベルサイユ。
越してくる前は、「ヴェルサイユの人は上から目線だよ~、コンサバだよ~」と聞いていたのですが、あまり気になりません。というか、そういうキャラも面白いじゃありませんか。

私が気に入っているところは、緑が多く、街並みが美しく、そしてとっても田舎っぽいところ。

ヴェルサイユ、ウィキペディアによると、「ヴェルサイユ宮殿世界遺産)の所在地として有名である。パリから約20km南西に位置し、パリ中心部からは普通電車で最短約17フランスの首都圏の一角を占める。」
・・・・・・これ程パリに近接した立派な街なのに、人々のメンタリティーがとっても田舎しているという。
気取りがなく、気負いもなく、率直に好奇心を見せ、優しさも直球で投げてくれます。

皆さんは、Midsomers Murder (邦題は「バーナビー警部」)など、ご存じないですよね。イギリスの片田舎で起こる殺人事件(それも毎回3人は殺されるという)を熟練警部バーナビーが解決するテレビシリーズです。
もしこれをご存じなければ、アガサ・クリスティーのミス・マープルを連想して下さい。ミス・マープルも、セント・メアリ・ミード村というイギリスの田舎に住み、鋭い推理で事件を解決します。
私はこのJoan Hicksonが演じたバージョンが一番好きです。

しつこく、もう一つお気に入りのTVシリーズ。
Father Brown もイギリスの田舎が舞台
ヴェルサイユ村では、殺人こそ起きませんが(あったら困る)、このドラマの田舎町のように、活動的なコミュニティーが沢山あります。


兄猿の版画
ドラゴンを描いたようです。
先日は、兄猿が通う美術教室のパーティがあり、顔を出しました。よく事情がわからずに、「きっと子供たちの絵が飾ってあって、それを見てジュースとかワインを紙コップで飲んで、ポテトチップスをつまんで、先生にご挨拶して帰る」というイメージで行ったら、全く違いました。

まず、人。
この美術教室は、この地区の行政が運営していて、近隣の絵が好きな老若男女が集って作品を作っていることをこの日知りました。
このパーティも80%は白髪の紳士・淑女たち。皆さん明るい笑顔でエレガントで素敵なこと!


ピアノも置いて在って
どうぞご自由に感性のままに
弾いて下さい、とあるあたり、
さすがアート教室なのです。

そして紙コップにチップスという連想も間違いでした。
ワインはグラスで、テーブルには、見事なハンドメイドのフィンガーフードがズラリ、ズラリと並ぶ。そして、これぞフランスのベテラン・マダムの実力。どれもこれも、実に美味しいこと!

そして、作品。
誰も見ていない!!マチネのギャラリーに飾ってあるけれど、100人は集っていると思われる村民たちは、皆グラス片手におしゃべり・笑い、マチネに上る気ゼロです。先生に挨拶? そんなチャンスないです。先生もおしゃべりにワインにおつまみに、と大忙しですもの。こういうゆるい感じ、すごく好き。

七三の白髪頭に蝶ネクタイの教室長によるスピーチも、茶々を入れる声にめげないところも、即興ピアノも、何もかもが、絵に描いたビレッジライフ、という感じで、私もすっかり楽しい気持ちになりました。

この美術教室は一例で、その他にも教会の集い、音楽学校の集い、図書館での本修理のボランティアの集い、そして、カルチャー・センターでは劇やらオペラやら色々催しものがあり、田舎生活は忙しいこと!
そして、何がよいかというと、どれも敷居が低いことです。
フランス語が下手な私でも、参加すると両手を広げて歓迎してくれますし、オペラのチケットなども気軽に買える。(でも満席だったりする!)

それら集いで皆さんがおしゃべりをしているのに耳を傾けると、皆さん、結構個人的な話をしていたりします。
「父が亡くなって一週間だというのに、兄は既に欲しい家具を全部持ち出したの」「まあ!」「それなのに、遺産分けに不満を言っててね、私、不眠気味で」とか。
聞いちゃ悪いかと思っていると、突然、
「みき、アナタ、東洋医学とかで不眠治す方法知らない?」
と、話題を振ってきたりする。私もついつい
「いやぁ、漢方は知らないのですが、アロマ療法はどうでしょう、オレンジの香りが良いと聞きます(merci, AK!)
など答えたりして。
ベルサイユは教会も多く、
鐘の音が街を響き渡るところも好き
こういうコミュニティーがあるのって、とっても良いと思いませんか。
定期的に集う機会があって、そこで、心許して自分の話ができるようなコミュニティーがある。もちろん、そんな話しなくても良くて、自分が楽しいと思えるアクティビティをする場があり、その時間や空間を共有できる仲間がいる、そして皆近くに住んでいる。

パリに住んでいるときは、こういう地域のコミュニティーに属する機会がなかったけれど、これは田舎ならでは、そして死んでいない田舎、活発な田舎ならでは、と思っています。
町内会とは違うのです。
もっと「楽しいから繋がっている」という、プロアクティブな気持ちが集まっているコミュニティーなのです。

家族がいて子育てに忙しい今でもそうですが、20年、30年経ったときに、こういうコミュニティに属していたら、きっとすごく安心感を与えられるだろうな、と思います。

誰かと関わりながら暮らすというのは、なんて温かいことなんだろう。
そんなことを実感する日々です。

ベルサイユ、パリ地方は、明日から冬休みに入ります。
皆様、どうぞよい週末をお迎え下さいね!







2 件のコメント:

  1. ヴェルサイユという素敵な町に居を構えることができるなんてLazyelephantさん恵まれてますよ。そしてそこのコミュニティが提供してくれる数々の活動に参加した様子が生き生きと描写されている様子を好ましく思って読みました。

    ヴェルサイユ、そうですね、皆の頭には「特権階級」という意識がこびりついています。
    カルナックにも夏には別荘族がどっとやってきて、活気を与えてくれます。一部の土地の者から胡散臭い目で見られていますが、それは嫉妬なんでしょう。
    教区活動にも熱心に参加してくれるベルサイユの人達が 夏の2か月の間、斬新で開いたテーマの集まり、講義、勉強会、黙想会をオーガナイズしてくれるので私は喜んで参加しています。

    これからも、そこで見て聞いて思ったこと色々読ませて下さい。今、ここと同じようにそこのコミュニティーの一番の話題は選挙の事なんでしょうね、きっと。

    ココン

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    1. ココンさん、コメントをありがとうございます。確かにベルサイユの人も、また以前住んでいたパリの人も、学校バカンスの度に、「どちらまで?」と聞けば、こぞって「ブルターニュまで」と答えていましたから、カルナックにもベルサイユ人の別荘族が沢山いることでしょうね。
      ベルサイユは想像を超える熱心なカトリック信者が多く、教会もいつも満員です。そしてブルターニュ同様、殆どの家の壁面にマリア様や十字架の彫刻がされています。
      バカンスの間に、彼らにとっての別荘地、カルナックで、カトリックに関する集まりを催すというのは大いに想像が付きます。浮浪者は殆どいないベルサイユですが、そういう人がいると、物乞いしているからお金をあげる、というある種受動的な行動ではなく、「あなたどうしたの、お話聞かせて」とアプローチしている人を何度か見たことがあります。行動的なんですよね、ベルサイユ人!

      ベルサイユ、もう一つの特徴は、わが家のように、海外転勤帰任家庭が多いことです。学校も、帰国子女向け英語クラスがあるところが何校かあります。
      多分、そういうところから、「高飛車よ~」と聞いていた割りには、外国人である私に対して親切にしてくれるのだと思います。

      でも、きっとミスマープルが言うように、「It's a wicked world, even in the countryside」という一面もあるでしょうから、覚悟しながら人付き合いを重ねて行きたいと思っています。

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