2015年4月27日月曜日

インターナショナルスクール便り② 創造性をかき立てる教育法

ようやく春らしい気候になりました。
日陰はひんやり。
おはようございます。
いよいよ今週半ばよりゴールデンウィークですね。
海外在住の皆さんで同年代の方々、4月29日が、天皇誕生日 → 緑の日 → 昭和の日と名前が変わっていることをご存じでしたか?
祝日の名前も制度も、この20年の間に変わってしまって、毎回、日本のカレンダーで働くフランス人の夫に、日本の祝日を教えてもらっている有様です。
マシュマロを焼く子猿たち
インターナショナルスクールに通う子猿たち、その勉強へのアプローチが、日本やフランスとは違っていることはもう書きましたっけ。

例えば、4年生の時間割に、算数、国語、理科、社会という授業名はありません。くくり方が異なっていて、似たようなことはやっているのですが、取り組み方が異なります。

まず、懸念点を先に述べておくと、算数、理科、歴史の授業が少ないのが気になります。
ずっとこのインターナショナルな世界に居ることができるならいいんですけど、またすぐあの詰め込み式のフランス教育に戻らなくてはいけない子猿を思うと、遅れた分を取り戻すの、大変そう。
来たる帰国ショック、子猿たちよ、耐えるのだぞ。

一方、母猿が特に気に入っているのが、国語科目。
国語という授業の代わりに、「Writer's workshop」というのと「Reader's workshop」という授業があります。

「リーダーズ・ワークショップ」ではグループに別れ、読む本、そして読むスピードを決め、面白かった点などを付箋メモに記しては、それらを基に、定期的にグループ、そしてクラスで意見交換をしていたようです。

一方、「ライターズ・ワークショップ」では、なんと、生徒各自が創作小説を書くのです。
まず、各自にプロット、テーマを考えさせ、主人公、脇役1、脇役2などが必要なんだよ、と小説書きのポイントだけ教えたら、あとは自由に書かせます。
表紙も作っていましたっけ。みんな凝ったのを作ってましたよ。
兄猿の小説、私も見せてもらいましたが、Oh la la! もうそりゃ誤字だらけ!
でも先生に、「ぐっと我慢してください。あまりミスを指摘すると、子供の書く気をそぎます。今のフェーズでは、とにかく書く喜びを体感してもらいたいのです」
とのことでしたので、我慢しましたとも。


兄猿のクラスでは、先生が生徒各自のためにブログをセッティングしてくれました。
「Kidblog」というサイトでサイバー管理がよくできているようです。
書く能力を養うためだけでなく、先生と生徒、そして両親との

コミュニケーションツールにもなるし、グッドアイデアだと思いませんか?
これは兄猿のある日のエントリー。
この日は、あとに出てくる、私の本について書いてくれたようです。
閲覧は、先生、クラスメート、その両親に限られています。
自分や人の写真は載せないというルールも徹底されています。

同ワークショックでは、海外にいる作家とスカイプを通して繋がり、生の作家の声を聞かせてもらったようです。
素晴らしいアプローチだと思いませんか?
子供たちもさぞかし刺激を受けたことでしょう。

そして、恐れ多くも、このライターズ・ワークショップに母猿も招かれ、拙書を披露しました。
そうなのです、ようやく製本されたのです、(タラーン♪)
拙書、「イサムとタケルのミラクル・ジャーニー」
これが最新版、3話全てを一冊にまとめたバージョン
「イサムとタケルのミラクル・ジャーニー 完全版」です。
完全版だと、200ページ余りとなり、子供がその厚さにひるむかなぁ、と思って、先に一話ごとに刷ってもらったのもあります。
第一巻、「海の家にて」
作中作、本の中に本が出てくる、みたいな出だしにしたのですが、
これが子供にはわかりづらかったようなので、
完全版ではそこら辺を切りました。
ブルターニュの海岸でのミステリーをイサムとタケル兄弟が解きます。
第二巻、「フランソワ城」
ちょっと情けない小父さん、フランソワのお城での
冒険物語です。
第三巻、「日本に来たよ」
イサムとタケルが日本で夏休みを過ごすべく、
海辺の村に来ました。
いつか、あそこがこんな村になったらな、
こんな風に悲しみが癒えたらいいなぁ、
という願いを込めて書きました
完全版にしたもう一つの理由は、一巻、二巻、三巻とばらばらに買うと高額になってしまう、という懸念があったのですが、今みると各巻セール価格になっていてお買い求め安くなっていますです。
用途に併せてお選びいただければ幸いかと……
なんて。
いいんです、別に。

兄猿のクラスでも話したように、この本は、うちの子猿たちのために、彼らが大人になって、ふと振り返りたくなったときにでも、、
「ああ、僕にもこんな幼い日が、こんなマジカルな少年時代があったっけ」
と、昔をことを思い出してもらえればいいな、と思って書いたものなので、とても個人的な本なのです。

でも、もしかしたら……
うちの子猿のように、二つのルーツを持ち、多文化で育っている子供たちも共感を持ってくれるかな。
また、ずっと日本で育っているけれど、ほかの国の海辺や食べ物や考え方もちょっと観て見たい、と思っている子供も興味あるかな。
......と思って、出版することにしたのです。

ちなみに、漢字にはしつこいほどルビを振ってあるので、「うちの子、読めるかしら」とご心配なお母様、お父様、その点はご心配なく。

そして、もし、私も出版してみたい!と言う方がいらしたら、メールください。私が持っている情報で良ければシェアします。
今の時代は、昔と違って手軽に自費出版ができるようになったのです。ありがたいですね。

と、最後は拙書の宣伝っぽくなり失礼いたしました。
どうぞ良い一週間を~!




 





2015年4月20日月曜日

めぐる季節の中で



皆様、お元気でらっしゃいますか。

前回の満開の桜のお便りより、2週間ほど経っただけなのに、こちら横浜の町は、色が変わりました。今は圧倒的な新緑の中、ツツジや五月がお菓子みたいな可愛さで紛れ込んでいます。
季節という本のページがどんどん捲られていく、という感じです。

まずは先週末の本牧山頂公園はこんな感じでした。
先週はまだ桜も残ってました
花びらの坂道
こんなとこ通ったの、忘れないでね
公園の花壇、
パリのセンスに敵うものはない、と思っていたけれど、日本もいい線行ってます
ま、こんな感じだったわけです。
それが一週間経っただけで、桜の木はピンクから緑に早変わり。
三渓園の緑
本牧通りも緑
うちの庭も緑
日本の春はすごいですね。季節がどんどん巡る。目で、肌で、匂いでそれを感じる。

フランスにも季節の変化はもちろんあって、もう少しすると、街路樹のマロニエの白とピンクの花が咲くのかな?
あの夕方にかけて吹く、ひんやりとした爽やかな風が思い出されます。

でも日本のは、もっと強烈です。まるで科学番組などでみる生物の成長の超早送り画像のように、日一日、一刻一刻、緑が生まれ、深まっていく。
つぼみが膨らみ、ほころんでいきます。

また匂いも、フランスのように、積極的にかぐと、「あぁ、ステキ。薔薇の香りね」なんていうのではなく、日本では、そこら中にもわんとした緑と甘い花の匂いが充満しているのです。

湿った空気の、その目に見えない水の粒子の中に、緑の匂いが籠もっていて、それが顔に触れる度にプチンと割れて、匂いがモワーンと広がるとでも言いますか。
そこら中が生きてるって感じです。
地球に生命体が宿ったのは酸素と水があったから、というのも、うんうん、と納得させられる、そんな説得力ある春です。

昔もこうでしたっけ。
きっとこうだったのよね。それが当たり前だと思ってたから気づかなかったんだと思う。
それとも、自らが生命力の塊だったから、この新しい生命の誕生なんかに構ってられなかったのかも?

そんな週末、なんと、うちの小さくて雑草が生い茂る庭に、モリーユ茸らしきモノを発見しました。
和名、編笠茸とはよく言ったもの。
フランスでは高級茸として、干して乾燥したモノをまた戻して、生クリームベースのソースの風味付けに使われています。
これを初めて食べた人は勇気があると思いませんか。
モリーユ茸すらも誕生させてしまう、日本の春。すごいパワーですね。
こんなに小さくて資源がない土地なのに、生命力はすごい。
圧されないように、このエネルギーを享受できますように。
花粉もあと少しだと言うし、頑張るゾ。

どうぞ良い一週間を~!


2015年4月7日火曜日

春、桜、イースター

昨日とは打って変わって、肌寒い今日の横浜です。
午後3時現在、気温は11℃。空はグレー。
まさに花冷えです。

そんな時こそ、桜の花をお見せしましょう。
お約束(?!)の、本牧界隈の、満開なる桜たちの写真をアップしますよ~。
根岸森林公園にて
この日もグレー掛かった空で、うすピンクが上手く撮れませんでした。
桜、桜、桜!
アップにも見事に耐えられる美しさ。(うらやましい)
森の中には花びらの小道
イースターの食卓にも
これは子猿たちがみなとみらいで拾った落ち桜
ちゃんと水が上がった!儚いなんて言われながらもしっかり生命力。
エライぞ、桜ちゃん。
ひよこチョコもウサギチョコも整列させられ
ジェダイの戦士にされていました……
本牧桜通り
昨日、遅すぎるよねぇ、と思いつつも三渓園にママチャリ飛ばして行きました。
いやぁ実に遅かった。悔しいから桜以外の花をパチリ。
雪柳
そして山吹
三渓園への桜道は薄ピンクのトンネル
今まで、どんなに勧めても良いカメラを持ちたがらなかった夫が、桜の美しさにやられて、
「次のプレゼントはカメラを頼む!」
ですって。
気持ちわかる。本物はこの写真より、もっと美しく、なんというか圧倒的で、あでやかで、息できないような迫って来るものがありました。
それにしても、日本の春は素敵過ぎます。

さて、桜はもう散ってしまい、イースターも終わり、新しい一年が始まりましたね。
イースターのミサで、
「復活、復活と言うけれど、生きるという苦行をもう一度やる、その気持ちが分かりますか」
と、ある老いた神父が言ったそうです。
何だか考えてしまいました。
復活だ、新学期だ、新しいスタートだ、と浮かれがちですが、実際にはそれがどんなに大変なことなのか、分かっている癖に、ついつい、春だ、何かいいことあるかな、と浮き浮きしてしまう。
浮き浮きしている場合ではない。
気を引き締めて、色々なトライに挑もうぞ。

みなさん、明日あさっては少し冷えるようですが、どうぞ風邪など召しませぬよう。
また行きます!





2015年4月5日日曜日

20年ぶりの中国旅行

西湖、靄が似合います
春休み、中国は杭州に行ってきました。
杭州は西湖で有名な街、中国では、10大美景地とされています。
そんな杭州を、フォトログをどうぞ!
しっとりとした緑。
日本のそれより少し濃いめです
ソメイヨシノもあちこちに…
柳が綺麗で綺麗で……
龍井(ロンジン)茶が有名。
茶畑は日本と似ている?
ご覧の通り、風光明媚な杭州。
私達は上海から新幹線で移動しました。1時間15分くらいです。
街には中国各地から見えたと思われる中国人観光客で混み合っていました。
中国にも、こうして観光旅行ができるミドルクラスができたのですね。
昔この地に住んでいた夫は、人ごみや車の多さに驚いていました。
こういう石仏のほか、お寺には金ぴかの大仏もおられます
そうそう、杭州には、中国には珍しくお寺が残っています。文化大革命の時に、見落とされていたため、壊されなくて済んだとのこと。拝観料がやたら高いのがむかついたけれど、東大寺サイズの境内に、ところ狭しと仏像があり、見応えありました。

帰りに上海も一応見ておこう、と一泊しました。
ロンドンのレスタースクエアのような南京通り
金ぴかのお寺(その名も静安寺)に苦笑し・・・
小籠包は押さえなくてはね
上海は、あまり好きじゃないな。
以前は自転車の洪水だったのが、超高級車が時折混ざっているけれど、基本ぼろ車の洪水に取って代わっただけで、その他、あまり20年の進化を感じることができませんでした。

それにしても、本当に、フェースブックやグーグルが繋がらないんですね、中国。
街中には、「愛国」と書かれたポスターがあり、ふと付けたTVでは間抜けな顔した日本人役の兵隊が、悪いことして、リッパな中国兵にしてやられるというドラマが放映されてました。
こういう教育は良くないと思うんだけど。

それでも個人レベルでは、私が日本人だと分かると、みんなが好意と好奇心を持って接してくれているように感じました。傲慢に聞こえるでしょうけど、中国人は日本人が好きだと思います。ただ言えない雰囲気なだけだと思う。

この国はこの先どうなるんでしょうね。富の分配が余りにもいびつなのが目に付くせいか、このままいくのかなぁ、と疑心暗鬼になりました。

ほかにも思ったことがありましたが、今はとりあえず、ここで筆を置きます。

明日から新学期。
頑張りましょうね!