2015年7月15日水曜日

インターナショナルスクール便り⑤ これでいいのか、と思うところ

みなさま、暑中お見舞い申し上げます。

日本の学校は今週末より夏休みですが、わが子猿たちが夏休みに突入してから既に1カ月が経っています。

子猿が通うインターナショナルスクールの夏休みは、6月上旬から8月下旬まで、実に2カ月半です。日本の学校は40日、横浜市の小学校は30日らしいですから、それに比べると、やたら長いです。

フランスの学校も似たようなもので、7月頭から8月末までほぼ2カ月夏休み。
バカンスの国フランスでも、大人は2カ月休みを取ることはできず、さらに多くが共稼ぎ家庭ですので、長い夏休みの間、行政や各社が主催するキャンプ・合宿や、田舎に住む祖父母の元に子供を送り込んだりしているケースをよくみていました。7月8月はパリから子供が消える理由です。
在フランス邦人の多くは、7月頭に日本に帰り、子供を地元の幼稚園・小学校に2週間ほど「体験入学」をさせているのかな。私もそのようにした年もありました。

インターナショナルスクールのクラスメートで、海外から来ている人はほぼ全員、本国にて夏休みを過ごしているようです。日本の暑い夏が人気薄いの、分かる気はしますよね。

わが家は、と言うと、フランスに帰省せず、体験入学もさせず、
自家製サマースクール・ア・ラ・ジャポネーズを体験させることにしました。
すなわち習い事攻撃です。
日本人の先生のお教室に行くことで、日本語と習い事の習得の「一石二鳥」を狙い(二兎を追う者は一兎をも得ず、というのもありますね、はい……)、また、常々感じていたインターナショナルスクールに欠けているところを、せめて夏休みの間に補おう、というのも動機の一つでした。
この夏はお絵かき教室にも通わせています。
これは何年か前に兄猿が描いた彼のベストフレンド像
……そうです、いよいよ本題です。

例えばそろばん教室。
そろばんの必要性を感じたのは、小2を修了したちび猿が、まだ指を折りながら簡単な計算をしている姿を目撃してからです。
ふと、不安になって、「かけ算は知っているよね?」と聞くと、「まだ」という。「フランスで、少しやったから少しだけ分かるけれど」
……そうです、フランスの小1のときに、すでに取りかかっていた九九を、インターでは一年経ってもまだらしいのです。

インターでの算数は、オンラインのプログラムを使ってゲーム感覚で教えたり、ワークシートを使ったり、図形ブロックを使ったり、ときにはグループワークで問題に取り組ませるなど、楽しみながら、算数のコンセプトを習得させているようです。
この「楽しみながら」と「コンセプト重視」と言う点は、とてもいいな、と思います。コンセプトをしっかり理解しているからこそ、創造的な発想が生まれると思うし、大切なことだと思います。

でも!でも、です。
計算、暗算能力っていうのも、それなりに大切ではないの??
脳のストレッチ体操にもなるし。
そして、計算能力って、あれは数こなさないと身につかないものでは?

そこでそろばんです。自分もやったことがないくせに、子猿たちをお教室に放り込んでみました。
いやぁ、素晴らしいです、そろばん。
機械的に計算するだけ、と思ってましたが、概念的でもあるのですね。
あと、珠算何級、というシステムもいいですね。
一つの達成目標になりますものね。

また、そろばん教室では、先生がこまめに注意をして下さります。
「数字の書き方違うよ。はい、もう一度書こう」
「消しゴム、ちゃんと消えてない、もう一度消そう」
「椅子ちゃんと引いて」
「姿勢直そう」
「ゼロの書き方違うね、こう書くの」
……家で私が同様に注意したのなら子猿たちブチ切れでしょうが、教室というコンテキストの中では素直に忠告に従います。

ここら辺の細かいこと、インターナショナルスクールではそんなに言われていないのだと思うのです。少なくとも、直さなくちゃいけない!と子供がプレッシャーに感じるような指導はされていない。その結果、この一年で、子猿たちの字・数字は恐ろしく汚くなりました。誤字もそんなに直っていないし。

学校の方針として、細かいことをチクチク言ってると、子供たちのやる気を削ぐから、今のフェーズでは余り注意しないという方針とのことなのですが、いい加減、「いつまでも放っておいたら悪癖がつくのでは」と気になっていたところ。それを先生からこのように正していただいて、感謝の限りです。
インターでは図工も緩く、写実的なことはしていないよう。
そこで兄猿が考案した「あるもので工作シリーズ」の一つ、
「紙を丸めてセロテープで固める」という彫刻法で作った
「ゴールデン・サッカーボール、メッセージ付き」
大体、インターナショナルスクールは子供に甘すぎると思う。
ポシティブなのは良いけれど、ケジメというか、もう少し厳しくしてもいいところも厳しくしない。「まぁいいじゃないの」っていう……。例えば、音楽鑑賞や月例集会のときなどの無駄口や悪ふざけ、パリの学校だったら即「退場!」レベルですが、それでも先生たちはあまり注意はしないし……。

高校生の先輩たちを見ると、みんなこれでリッパに成長しているようだし、いいのかもしれないけれど、でも何か腑に落ちない。
こんなにゆるーく育てられて大丈夫なのぉ?と老婆心でやきもきするときもある、母猿なのでした。

さて、本州は台風接近中とのこと。猛暑、大雨と色々ですが、どうぞご自愛くださいませ。