2014年9月17日水曜日

幸福論 (……大げさですが!)

ちょっと前に、子猿たちを学校に送り込んで帰ってきました。
風はもうすっかり秋。
朝夕はとても過ごしやすいこの頃です。

今年は強烈に暑い夏だったけれど、8月終わりから秋が始まったのはよかった。
振り返ると、どうやってあの暑く、忙しい夏をこなしたのか。
プールに動物園にとよくもまぁ動いたこと。

……などと顧みる余裕が出てきたあたり、新学期も落ち着いてきたということでしょう。

子猿たちの学校生活もリズムが見えてきました。
放課後活動も、剣道クラブとフランス語の補習があり、ピアノの練習も再開しましたし、多忙な子猿たちです。

登下校、保護者と一緒が原則のフランスの児童と違い、日本の子供たちは一人で学校に行きますが、それには相変わらず躊躇いが……。
ま、もう少し様子を見てみます。
それでも母猿とは交差点でグッバイ。
階段からは2人で登校するようになりました。
母猿も、少し落ち着いてきました。
先日は、パリに居る時から気になっていた本、日本語で書くということ というものと、日本語で読むということ、さらに、辻邦生氏との書簡集、手紙、栞を添えての三冊を入手したので、どっぷりと水村美苗さんの世界にはまっています。
水村美苗さん、やっぱりいいわぁ。

水村氏は、とにかく漱石などの日本文学がお好きとのことで、エッセーにはそれらの分析や思い入れが描かれている。それを読んでいると、日本文学に余り反応したことない私でも、読んでみたくなります。

水村氏、そして辻氏の話を読んでいると、その知性も素晴らしいのですが、こんなに好きな物があって良かった、そしてその喜びを分かち合える人がいて良かった、さらには、それを創りだすこともできて良かった、という、彼らの幸せを感じます。

水村氏の、ベッドに寝転がって、おせんべいかじりながら漱石を開くと、実際にはそこがアメリカであろうと、自分のマンションの一室であろうと、頭の中は、彼女が大好きな時代……七輪があって、着物姿のお延が佇む、といった世界に浸れる、その幸福感は、読書が好きな人なら大なり小なり似た体験をしたことがあるでしょう。

辻邦生氏は、学者だった奥様と、寝枕で芭蕉の歌の連想ゲーム(だっけ?)を楽しんだり、と、凡人とは違うレベルで文化に親しんでらして、なんと贅沢なことだろう、と思いました。

幸福、贅沢、と言ったものが、こういうことを指すんだ、と今、あらためて実感を持って確認した思いです。

というのも、いつの間にか、「幸福、贅沢 ≒ お金持ち」、という風に捉えるようになっていたようです。
また、金持ちになる=人生の勝者、という概念に呑みこまれかかっていたよう。

金持ちになれなかった自分は敗者とは思わなんでも、「ちっ、この程度の人生かい」と、心のどこかで自分を嘲笑う気持ちが潜んでいないとも言えない。

でも、水村美苗さんのエッセーや辻邦生さんの話を読んでいると、彼らにとっては、お金なんてほどほどあれば御の字で、自分の知性をストレッチさせてくれるような本やそれにまつわる人々と、どれだけたくさん出会ったか、という想い出が人生の宝物のようです。そして、お互いの「想い出カード」を競うかのように交換しているのが微笑ましく、羨ましく。

幸せとか贅沢とかって、きっと、好きなものを知ってって、それに没頭することができて、そうすることによって自分が高められることを感じている状態なのかな。

週末の三溪園。日差しが秋でしょう?
私の場合はなんだろう……。
今は子育てが筆頭かな。子猿たちが元気に成長している様子を見ると、何とも言えない喜びを感じます。そして見返りを求めない愛情を幾らでも注げる自分がいることに「すごいじゃん」と思う。
親だから当たり前のことですが、ちょっと前まで自分のことしか考えない若人だったことを思うと、私も進歩してるのかな、なんて思うのですよ。 

あとは、読書、書くこと。
でも好きなのにマジメに没頭していない!
もっと読もう、もっと書こう。

……ということで、この秋は、ブック・クラブなるものに入ってみました。その様子はまたいつかお知らせしますね。
皆様も、素敵な秋を過ごされますよう……。

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