2013年4月21日日曜日

パリの図書館

子猿達が通うパリにある日本語補習校にはちょっといい感じの図書館があります。
日本のどこの市町村にでもありそうな、素朴な図書館風。

この図書館のおかげで、日本にいた頃より日本語の本を読んでいる気がします。

この図書館で出会った作家たち、山崎豊子、梨木香歩、松本清張、山本周五郎、中島京子、さおり姉妹、大江健三郎の探し続けていた母校でのスピーチが文章化したのに出会えたのもここ。あと、ほら、あの本の人!あぁ、ワインの酔いがため出てこない作家名たち……。あとは、今日本で本屋大賞などに輝く本などなど。ここの素晴らしいところは、多くの本をフランス語訳で見つけられることです。同じ本を夫にも読ませることができるのがうれしい。

マンガも、「20世紀少年」はここで制覇しました。わが青春の吉田まゆみの「セシール気分」にも再会できたのはこの図書館のおかげです。あさきゆめみしを再読し、わが母校出身の今市子さんという漫画家にもここで出会いました。

おっと、本末転倒でしたが、子猿達もどれだけこの図書館の恩恵に与っていることか。
世界の図鑑集、自動車、宇宙、理科、航空、など、何回リピートして借りたことでしょう。
最近は文盲のくせに、ドラえもんを借りてます。あとは海賊ポケットシリーズも好きです。私も子猿が借りるふりして、懐かしいいやいやえんを借りましたっけ。

図書館のお姉さんとも仲良しになり、私の好みの本や、寄贈された本でまだ整理されていないものも先に見せてくださいます。

そんな本の一つ、浅田次郎。
有名な方なのですね、知りませんでした。素晴らしい作家さんですね。肩書きを読んでいると、エリート(若くして芥川、とかではないのですね)ではなく、そんな経歴にも勝手ながら勇気づけられます。

蒼ゾラの昴を読み終えました。最初はちょっとセンセーショナル狙いなのかな、と思いましたが、最後の方は素直に楽しませてもらって大満足でした。また登場人物の一人、日本人新聞記者が感じた日本に対する差別については、今に通じるものを感じました。

パリでは、日本人って表面上は差別されていないと思うし、嫌な思いをせず暮らしているつもりですが、じつはそれは心に鎧を付けているからであって、ちょっとしたことはある。すごくちょっとしたこと。例えば、バス、メトロなどで席を譲ってほしいと声掛けられるのは、大概有色人種です。私も何度か言われました。みんなに何か(ビラ・試食など)配っているのに、なぜか私は飛ばされるなど、そんなレベルなので気にならないけれど。

それ以外にも、何だか上から目線を感じることがあるのです。気にしても始まらないと流しますが、愉快ではありませんよね。

……元にもどって、と。
浅田次郎さん、しばらくはまりそうです。
他にお薦めの作家さんなどぜひ教えてくださ~い。