2020年7月27日月曜日

フランスの夏 ① コンセルヴ作り

フランスの、初夏の風物詩といえば、コンセルヴ作り。
コンセルヴ……長期保存できる、瓶詰やコンフィチュール(ジャム)のことです。

6月の終わり、もしくは7月のはじめになると、スーパーで、コンフィチュール用の、ペクチンが加えられたお砂糖が最前列に並べられます。
先日、買い出しに行ったときは、5キロパックの徳用サイズも出ていました。
それを見て、「もうそんな季節なのね」と、時の流れに想いを馳せて……

……なんてゆとりはありません!
特に今年は、もう大変なのです!!
何がって?この写真を見てください。3年に一度の大豊作年なのです。
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こちらはミラベルです。たわわとはこのこと。
タイトルカバーのは枝を軽くゆすって落ちたもので、それだけで5キロほど収穫しました。これからの3週間くらいは、毎週末、この勢いで収穫することになるでしょう。
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そのほかにも、レンヌクロードというプラムも大豊作で、こちらも5キロほど収穫しました。
この写真に一つだけ混じっている赤い実、クエッチュ(プルーン)は、8月中旬が盛りとなるでしょう。イチジクも続々と熟れています。葡萄は八月終わりから少しずつ収穫し、盛りは9月終わりとなります。
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これらをどうするか、というと、もちろん風物詩のコンフィチュールも作りますが、そんなに作っても食べきれません。昨日だけで13個作りました。
すでに、フランボワーズのを20個ほど作りましたし、このあとブラックベリーも、クエッチュ、そして花梨も控えています。
友人らに上げるにしても、多くの方は、わが家同様、夏はコンフィチュールを作っているでしょうから、お裾分けするにも考えてしまいます。

そこで、登場するのが、コンセルヴ。
瓶詰にするのです。
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このような瓶を煮沸消毒し、別売りしているオレンジのゴムを付けます。
そこに、種抜きしたプラム類を詰め、ふたをしっかりと閉じます。
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この瓶を鍋に入れて、
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義母の別荘には、こんな大きなコンセルヴ専用の鍋があります。
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もう一段重ね、計10個。瓶が被るまで水を注ぎ、ふたをしてガスに火をつけ、100℃以上で10分ほど加熱するだけ。
火を止めたら、冷めるまで放置しておきます。
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水もお砂糖も加えません。年中涼しいカーブに貯蔵すると、一年以上保存ができます。
そのまま食べてもよし、タルトやケーキに使ってもよし。

夏は、ポタジェ(菜園)で採れた、トマトやトマトソース、ラタトゥイユも瓶詰コンセルヴにします。

一日がかりとなるので大変ではありますが、普段しない作業なので楽しくもあり。
また、天の恵みである果物や野菜を無駄にせず、美味しく保存できるのが嬉しくて、せっせと採って、ゆすいで、切って、詰めて、とやっています。

ジャムの空き瓶などでも同じようにできますのでお試しください。
「真空瓶詰め 作り方」などで検索すると、もっと丁寧な作り方が見つかると思います。
ふーっ。
一仕事を終え、ふと顔を上げると、空は茜色。
フランスの夏はこれからが本番です。
Stay safeしながら、できることをやっていきたいと思っています。
皆様も、どうぞご自愛くださいませ。

2020年7月22日水曜日

メイキング・オブ『どんな日もエレガンス』

この度、新刊を上梓しました。
どんな日もエレガンス』というタイトルでして、
りんどうの花のような、艶やかなのにしっとりとした、
それはそれはエレガントな青い本です。装丁・デザイン、そして編集の方々が、このように美しい本に仕上げてくださりました。

りんどうブルーのこの本、書店で見かけたら、どうぞ手に取ってパラパラとみてやってくださいませ。キンドル版もあります。
この本のメイキング・オブは、大和書房のSさんのご引導で始まりました。

実は、お話を頂いた時は、フランス貴族層のライフスタイルについては前作で全て絞り出したし、どうしよう、新しいことを書けるかしら、と迷う気持ちがありました。

でも、瑞々しくて誠実なSさんとお話ししていたら、沸々とやる気が湧いてきたのです。

新しいこと、面白いアングル、センセーショナルな話題を探すのではなく、フランスにおける日々の暮らしの中で、私の心に残っている一シーン、胸を打たれた出来事。
そこから考えたことを伝えたい。
そして、読者の方々と一緒に、人が人らしく生きていくためには、どうしたらいいのか、一緒に考えていきたい。
そう思い筆を執りました。

自信がないときは「とても良かったですよ」と励まして下さり、
間違った方向に走っているときは、「こっちですよ~」と呼び戻して下さる。そんなSさんのお陰で無事ゴールインできました。
伴走してくださる方がいるというのは、何と心強いことでしょう。
改めて御礼申し上げます。
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書き終えた今は、意外なほど、落ち着いています。素直になっている、と言い換えてもいいかも。

そして思いは一つ。
この本を手に取って下さった方が、最後の一ページを繰られる時、心の中にりんどうブルーのようなエレガンスが広がっていますように。
そう願うばかりです。

2020年7月1日水曜日

新しい一日

このところ、何か心にふんわりとした靄を感じていました。

どんよりした雨雲ではなく、鉛のような重石でもなく。
大きな心配ごとがあるわけでもなく、緊張を強いられるタスクがあるわけでもない。
今朝もそんな感じで目が覚めたのですが、その後刻々と霧が晴れていくように、心の中が見えてきました。
ちょっと自分に自信がなくなっていたようですね、私。
書くことが好きで、才能が低い(ないとは言いたくないっ!)のはわかっているけれど、それでも書いている。書いているんだけど……。
自分で選んだ道を歩いてきて、ここまで来てしまった。間違っているかもしれないけれど、この道を選んだ。でも、それで良かったのだろうか……。
唐突かもしれないけど、コロナ。これも心の靄の理由の一つだということは知っている。じわじわと存在している。景気はどうなるの? 世界は?

そしてその世界。歯車が狂ってしまっている。善が罰せられ、悪が良しとされている。この下り坂はどこまで行くの?
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そんな数種の不安が靄と化していたけれど、もう大丈夫。
不安というものは、原因が見えてくると、少し軽くなりますね。

原因を、一つ一つ見据えて、心づもりを決めていけばいいじゃない?
そんな気持ちになっている今朝。
なんだろう、このふつふつと覚醒しているような感覚。

気づくと、今日は7月1日。
ということは、昨日は2020年前半の晦日。除夜の鐘は聞こえなかったけれど、どうやら心の中をお掃除して頂いたみたいです。
だから、今日からはもう大丈夫。
あとはひたひたしずしず歩いて行こうと思います。