2021年1月8日金曜日

家事は主婦の仕事?

 


新春、おめでとうございます。写真は、2日の日の出刻の写真です。

私は、子ども達が田舎の別荘に行っていたので、のんびりと年を越しました。皆様のお正月も、ゆっくりできる数日であったことと願っております。

子ども達は、学校休みの度に、「おいでおいで」と田舎の別荘へ招れます。今回は、コロナのこともあり、子どもだけを送り込んで、私達夫婦は迎えがてら、一泊だけさせてもらいました。

コロナ禍のため、家政婦も来ないので別荘での賄いは、基本的に義母と義姉、私がいるときは私、となります。
別荘での普段の料理がシンプルなことはこちらにも書きました。義母達は、無理してまで手料理に拘らず、自分達がストレスフリーな気分でいられるように力配分をコントロールします。
来る日も来る日も台所に立たされ、ご飯を作らされると、鎖で繋がれているように感じる、という気持ちは、私もわかります。

ただ、義母や義姉の「家事はうんざりなのよぉ」というオーラは私のそれよりずっと強くて、時折、大人げなくないか?と思うことも。
バカンスの度に、義母、義姉から「嗚呼、もう料理はうんざり!」「嗚呼、片付けうんざり!」と耳にタコができるほど聞かされます。
私がやりますよ、と動くと、「ミキ、およしなさい。そんな凝った料理、そんな拭き掃除することありません」と止めが入ります。
料理人なり、毎日来てくれる家政婦なり、頼めればいいのですが、田舎ではそういう人材が足りないのです。

何故、義母達は家事をそこまで嫌がるのか。そして、何故、私はそうでないのか。掘り下げて考えると、義母や義姉は、「家事は家政婦の仕事だ」という認識があり、私は「家事は主婦の仕事だ」という認識があるからだ、と気づきます。
義母や義姉の考え方は、必ずしも上流階級特有のものではありません。フランスでは中流家庭であろうと家政婦やベビーシッターを雇います。また、これは「フランスは共働きが基本だから」、ということでもありません。
女性が働いていなくても、家政婦に来て貰っている家庭も多いのです。
子沢山で家が大きいから? 高収入だから?それもそうではないのですよ。ほんとに普通のサラリーマン家庭とか、子どもがいない人でも、あと、ささやかな収入で暮らしているような独身の女性でも、
「プロにやってもらった方がきれいになるから」、「私も息抜きしたいから」、「自分の時間を持ちたいから」といった理由で頼んでいるようです。
どれも、気持ちはわかるけれど、そこまで求めるんだ、とフランスで 暮らしはじめた頃は こっそり驚いていたものです。

一方で、フランス人家庭全てが家政婦を雇っているわけではなく、また、家事全般を家政婦に依存しているわけでもありません。家庭内の男女の家事・育児の分担をみると、統計では女性は家事の64%、育児の71%を請け負っているともあります(2010年数値)。
昔よりはマシ、そして恐らく日本よりはマシなのでしょうが、未だに女性の家事・育児への負担は大きいのです。

私はいいんですよ。
日本で家政婦さんなどとは縁のなく育っているので、当然のように家事をやってきました。家事は結構好きだし……

と、ここまで書いて、ふと考えます。
本当にそうなのかしら、と。
家事、しないで済むなら、しないよね?
料理やアイロンがけは好きだけど、あれも好きなときにするから好きであって、やりたくないのにやらなくてはいけないときは、「うーん、もう!」と目を三角にしているよね?

それで気づいたわけです。
私も、色々擦り込まれているなぁ、と。
日本では、掃除好き、料理好き、片付け上手、子どもの扱いが上手な「家庭的な女性」というのは、ポイントが高い。だから、自分もそうあろうと仕向け、気づくと、自分は家事が好きだと思い込んでいたのではないか、と思うのです。
義母や義姉の方が、「家事はうんざり」と、しっかり声を上げ、自分を大切にしていて立派です。
大人げない、などと思ったりして、ごめんなさい、と謝りたい気分です。

そんなことを思うのも、ワタクシめ、フランスに来てから、家で働くことが多かったし、信頼出来る家政婦さんを探すのも面倒だったので、一人でやって来ました。コロナ禍の外出制限中も、朗らかに(本当か)ご飯を作ってきた。

けどね、
ここに来て家事疲れを感じています。大掃除もしていないのに、手抜きばかりなのに、です。長年、実は「うんざり」していた部分が 積み上がり、溢れてきたのでしょう。

それで、コロナ禍が収まったら、家政婦さんを探そうと、心に決めました。週に2,3時間程度であれば、他を少し切り詰めれば家計にも響くほどのとではありませんし、
家政婦さんに、バスルームと床や窓の掃除をやってもらったら、私、もっと優しい妻、母になれると思うので、最終的には、家族みんなが得すると思うのです。

これはジョークではありません。
家事というものから女性を解放したら、日本女性の幸福度はかなり向上するのでは。男性に家事分担を促す声も聞きますが、自分が嫌なことを夫に求めるのって、日本の女性にはハードルが高そう。
それよりも、日本も、フランスのように家政婦を雇うことをスタンダードにしたら良いと思います。賃金は、もはや日仏の差は殆どないようですし、業者も色々あるようですよ。(政府もここに力入れたらいいのに)

家政婦の時給、日仏比較
フランスの家政婦の相場は、時給12~17ユーロ(円換算で約1500~2200円)とあります。
日本では幾らかというと、時給1800~2500円。フランスより300円ほど高いですが、物価の違いを考えると、ほぼ同水準と言えるのでは。

新年早々、熱くなってしまいました。
2021年、少しでも生きやすい世の中になるといいな、と思っています。
本年も、どうぞ宜しくお願い致します。
Stay safe!