残暑お見舞い申し上げます。
月曜に、バカンスよりこっそりとパリに戻ってきました。
子猿たちは、海辺の家で夫側のおじいちゃん、おばあちゃんと、バカンスの最後の一しずくまでをぎゅっぎゅっと絞って味わっていることでしょう。
フランスのバカンスは、日本で言うところの盆休みと同じで、家族がみんな集まる機会です。
短気、我がままな母猿、毎回、むっか~!と来ることがあったりで、精神的によくないこと多し。
すみません、宣伝を挿入させてください。 伯爵夫人、第2回は「バカンスの掟」というタイトルで ニュースダイジェストにアップされています。 宜しければ訪れて下さいまし。 |
今年は、義理家族とのまったり期間の真ん中に、お友達のお宅にて小休止をさせて頂くことにしました。一回ブレークを入れるというわけです。
ディナーなどで伺ったことがあるこの友達の別荘、今回初めて滞在させていただきました。改めて見せて頂くと、別荘の敷地の広さ、美しさ、プールもあり、メゾン・ダミ(友達用のコテージ)などもありで、なんとまぁ、豊かなこと。
いやはや、フランスの富裕層、奥深しです。
でも、それ以上に私の心を圧倒したのは、彼女らの心の温かさ。
私のために、子猿たちのために居心地よくしてくださろうという心遣いがそこら中に散らばっているのです。
「日本にまた行きたい。日本大好き」と日本文化をいっぱい褒めてくれます。
「君は僕の姪こだと思っている」と旦那様。
子猿たちが慣れてきて野生化していても、一緒に遊んでくださり、私に、「いいのいいの、私たちの前で自然体でいてくれることが嬉しいんだから」なんて。
とにかく子猿たちと私を喜ばそう、と計画をたて奮闘してくださるのです。
その思いやりに、胸に熱くなりました。
フランスのバカンスだけではありません。日本で過ごした7月も、そんな再会ばかりでした。
思いやり、優しさ、労わりの気持ちなどを恵みの雨のごとく、降り注いでくださる旧友、親戚、お世話になっている方々……。
みんな普段の生活でパンパンに忙しいだろうに、時間を作ってくださってね。
こういう無条件に優しい心に触れるたび、気付くのは、自分の心の貧しさです。
会いたい気持ちがあっても、喜ばしたい気持ちはあっても、身体が付いていかない、なんて年寄り臭い言い訳しちゃったり。
日本では80歳になられる先生が「雨降ってるから」って、それこそ雨が降ってる中、私たち母子のために走ってタクシーを止めてくださったことを思えば、こんな言い訳成り立たないのにさ。
いつも自分を優先して計算している自分が情けない。
心の豊かさって、どうやったら増やせるのかしら。
私も人の胸に愛情の雨を惜しみなく、ざあざあ降らせたいんだけど。
高一の頃からバイトバイトってやってきて、未だに時給規模でしか、カネ勘定ができないのですが、心まで時給規模なような気がします。
あ~ぁ!
……なんて、絶望してたら、バルコニーに季節外れのテッセンの花が咲いているではありませんか。5月あたりに咲いて散ったはずなのに。今年のフランスは気まぐれも度を超した気候です。
でもこれは、天からのメッセージ?
枯れ木にも花が咲く。
貧しい心にも、優しい気持ちが花開く日があるかもしれない?
どれどれ、写真撮ろう。
と思ったら花びらがはらはらと落ちちゃった……。
代わりに、不在にもかかわらず一輪だけ花開いているバラを載せましょう。
さて来週は、子猿の宿題ウィーク。
兄猿がカツオに、母猿は波平に変身する時です。
皆様も、どうぞ素敵な8月の終わりをお過ごしください♪