「今日金曜日って、一週間あっという間だなぁ、そう思わないか? 」
「今日、金曜日? 冗談でしょ?」
まさにそんな感じなんだろうな。私も、高校生のころ、朝起きて、あっと気付くと夜の9時。一日って速いなぁって思ったことを思い出します。
今日のお弁当 雑穀米、鳥のもも肉の甘辛煮ほうれん草隠し さらにほうれん草入り卵焼き |
今日の昼食時、公園で子猿らとお友だちのアヤネちゃんがお弁当もぐもぐしているとき、私は木陰で読書タイムです。今、浅田次郎「壬生義士伝」の下巻の前半。かなり引き込まれています、この小説。
「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず」
思わず声に出して読んでしまいました。何だがグッと来てしまって、続けられなくなってしまう。
新撰組の一人、吉村貫一郎の息子は、精神的にも肉体的にも限界の生活の中、この詩を現実と認識しながら精進したというくだりです。
少年老い易く学成り難し
一寸の光陰軽んずべからず
未だ覚めず池塘春草(ちとうしゅんそう)の夢
階前の梧葉(ごよう)已(すで)に秋声
こういう詩だとは知りませんでした。
3行目の
「未だ覚めず池塘春草(ちとうしゅんそう)の夢」
というところ、なんてきれいなんでしょう。少年の夢、瑞々しいんだろうな。
あっという間に時が経ち、子供の頃の夢は果たせず、人生の秋を迎えている、そんな詩らしいです。ふと松尾芭蕉の「夢は枯野をかけめぐる」というのを思い出します。
死を前にして何も実現できていないと気づく、愕然とした気持ち。
病床にあっても、まだ叶えることができていない夢がある、そのもどかしさ。
……でもそんな未練を残して人生終えるというのも人間らしいのかも。
もう一度、子供たちに読み聞かせます。
「少年老い易く学成り難し
一寸の光陰軽んずべからず、……わかった?」
あれ? みんないない。
……もう野原を駆け回っていました。
少年少女、頑張ってね。