夢でも訪れる街
心の片隅に想うばかり
気づくと口ずさんでいました。桑田佳祐さんの「遠い街角 The Wanderin’ street」という曲です。
今から20年以上も前のこと、フォンテーヌブローで学生をしていたことがあります。一年だけのMBAプログラムは、30代に入って人生の厳しさに呑み込まれていたわたしにとって、ターニングポイントとなった一年でもありました。
その街を訪れた月曜日。
夫と息子達が宮殿を訪れている間、わたしは街中をぷらぷら。店は入れ替わっていたけれど、街並みは変わらず。
あの角のパティスリーキャフェはそのままか。小さな街の小さな店なのに、ケーキのレベルが高かったよね、とショーウィンドーを覗き込みます。
あら、店の中も20年前と変わらない。
奥の席にはY子さんがいて、わたしに手を振ります。
そう、ここは日曜の朝も空いているからと、時々Y子さんとモーニングをしたね。「ここのクロワッサン美味しすぎる!」と悶え、わたしはカフェオレ、カフェイン苦手なY子さんは薄い紅茶だったよね。
お互いの恋愛観を戦わせたこともあったっけ。あれは今日と同じ、薄曇りの日だった。「美紀さんは甘いのよ」と言われて、心の中で「ううん、わたしは合っている」と負けを認めなかったわたし。恋愛に勝ち負けなどないというのにね。
瞳の奥に見慣れた顔が
浮かんで消える秋なのに
あの頃に戻れない
道を渡るS君。わたしを見て手を振っています。相変わらず調子よさそうな顔しちゃって。わたしも心の中で手を振り返します。
……でも、S君はもういません。Y子さんもいない。
彼らが若くしてこの世を去ったことが哀しさを通り越して、不思議に思えて仕方ない。
ううん、彼らだけではありません。たった一年だけの同級生達、みんな世界に飛び散ってしまった。二度会うことがない人が殆どでしょう。たとえ再会しても、あれから20年以上も経ったのです。それぞれの人生があって、もうあの頃のわたしたちではない。
Oh oh, the wanderin'street
Oh oh, just never to meet
夢の迷い道 The time has gone
いつまでも心に……
(桑田佳祐、作詞作曲、遠い街角(The wanderin' street) 1992年)
そんなセンチメンタル・ジャーニー。
でも、それは脇に置きましょう。
フォンテーヌブロー、宝石のように素敵な城下街ですので、いつか是非訪れて頂きたいです。
お城も、正面の階段はまだ修復中ですが、中の公開エリアが増えました。装飾が素晴らしかったよ、とは、かつての同級生、夫君の言葉。
↑ 誰の部屋、何のための部屋なのか、ワカリマセンが装飾が素晴らしいことは分かっていただけますでしょうか。
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最後に、またこちらを紹介させてください。ルームツアー第3弾です。もしよろしければご視聴くださいませ。
A bientot!