2015年2月19日木曜日

雪景色 from 蓼科



木の皮を食べに、山から下りてくるそうです
先日は長野は蓼科にて、スキーを楽しんできました。

家族にとっては初の日本スキー。
私にとっては、25年ぶりくらいの日本のゲレンデです。
……と書きながら、25年って四半世紀か。
ずいぶん時が経ったんですね。


この蓼科のホテルには、免許取り立ての夏に、恐ろしいことに私の運転で、後述の悪友達と一緒に来たっけ。(ちなみにあの時以来、運転してません)
あれも、もう30年前ってことか。
昨日のことのようなのにね

こんな風に、今回日本に帰ってきてからは、「思い返せば、あれも何十年も前」なこと多くて、
でも、この時の長さを実感することができず困惑してます。

さてスキー。
今回、何に驚いたかというと、がらがらだったことです。
週末でさえ、リフトに並んだ昔が信じられない空き方。
週日なんて、貸し切り状態でした。
日本はやっぱり不況で老齢化しているんですね。
ほら、だーれもいないの!
夫も私もそんなにスキー好きでもないのですが、子猿たちにスキーさせないと、と思ってやってきました。
「スキー、水泳、テニス、これができないと現代フランスにおいては、ミドルクラス失格」
と夫が嘲笑気味に言うほど、フランスではスタンダード化していますから、スキー。
すごいスピードで飛ばす子猿たち
フランスでは2月には2週間ほど学校休みがあり、皆こぞってスキー旅行に行きます。
2週間丸ごとスキーという家族も少なくありません。
学校や行政が子供向けスキー合宿を催すことも多々。
こうして、誰も彼もがスキーを習得していくのです。
コストは日本もフランスもそう変わらないのに。みんなどこからそんなお金が出てくるのでしょう。
文化(⊂スポーツ)にはお金を惜しまない、というのは、正しいお金の使い方なのかもしれませんね。

子供の頃は、スキーなんて余裕のある家庭のコだけ、もしくはスポーツ好きな家庭のコだけのものでした。
それがバブルになって誰もにとって手が届くスポーツになったけれど、90年代後半からはスキー人口がどんどん少なくなったって聞いています。
私の初スキーは高一の時でした。
せっかく貯めたバイト代を出し渋る私を、「行こう行こう」って仲良しグループが引っ張るから行ったものの、ゲレンデに着いたら、「アンタは滑れるようになるまでスキー教室!」と放り込まれ。本人たちはスイスイと滑っちゃって……。
全く優しいのか薄情なのか分からない悪友達でした。

あのときの皆はどうしているんだろう。

Kちゃんはタイに定住しているというから、スキーなんてもう縁がないかしら。あんなに上手だったけれど。
やはりパラレルでスイスイだったTちゃんは、どうしているだろう。
Eちゃんは、Aちゃんは? 
皆がこの荒波を生き延びて、時折はあの頃のような笑顔を浮かべていることを願うばかり。

お~い、みんな~!
アンタ達のおかげで、私、スキーできるようになったんだよ。
今年なんて、あんまり空いているもんだから、板も揃うようになったんだよ~。

ありがとう、ありがとう、ありがとう。
こんな想い出をありがとう。
あんなに笑い転げた16才をありがとう。

・・・そんなことを思ったりしたスキー旅行でした。






2015年2月4日水曜日

節分に思うこと

あっという間に2015年の12分の1が終わってしまいました。
気づくと昨日は節分。
それにしても、グロテスクなニュースが続きますねぇ。
2015年に入り、パラダイムというのでしょうか、違う時代に突入してしまったんだ、ということを実感もって感じています。
パックス・ジャパンも終わり、パックス・先進国も終わり。
これからは戦争・殺戮におびえる時代が始まるでしょうか。

この「のほほんエトランゼ」ブログも新年以来、政治・社会ネタが続いてしまうほど、世情が異常になってきている……。

世界でテロが多発している中、これを「機」に、この国の総理大臣は戦争できる体制に入ろうとしている。

富士山が噴火するかもしれない、そうでなくても、しょっちょう地震が起きているこの国で、原発を再開しようとしている。福島の収拾が全くついていないというのに。

ネット世界では、人質となってしまった人に対し、「自決すべき」というタレントがいて、それに1万人以上が賛同している。

……でも悲観してはいけない、怯えてはいけない、と自分に言い聞かせています。
日本良いところまだまだある。異常なのは一部の人たちなんだと思う。
こういう時代こそ、ポジティブに、笑顔で突き進まなくては、邪悪なものに呑み込まれてしまうんだと思う。
鬼は外~!心は福!
......ということで、今回は節分という節目にあたり、エトランゼも明るく行こう!という決意を込めて、日本のポジティブ点を列挙したいと思います。

今回18年ぶりに日本で生活するようになって、日本、きれいになった、と思ってます。バブルの頃より、建物でも商品でもデザインがこなれてきたというか、日本っぽさが出てきて、変に突出しているものが少なくなった感じがします。和洋折衷がようやくできてきたような。

そして、なんと生活し易いこと。外国人達も一同そう言ってます。交通網が、流通が、サービスがこんなにワークしている国、そうないです。

またなんと豊かな国。東京駅近辺や、建設進む高速道路、電車網、どんどん新しくなって行きます。パリとは対照的です。

貧富の格差が広がり、上野駅周辺にいる路上生活者の数が増えているものの、パリと比べればまだまだ少ない。先日中国に出張に行った夫は、ホテルにロールスロイスが並んでいるその横で、いかにもみすぼらしい格好でふらついて歩いている老人や、乞食同然の親子が座り込んでいたり、その貧富の差に絶望して帰ってきました。日本では、いや東京や横浜ではそういうことは、まだない。

今日は隣のお宅に来ている植木屋さんが、切り落とした枝などを暖炉用にもらっていくと、「それじゃ入んないでしょ」と薪用に切って下さいました。お礼に、お茶と寸志を持って行くと、寸志は堅く辞退される。私の淹れたまずいお茶に深くお辞儀される。

ある朝、子猿たちを学校に連れて行く路線バス。遅刻!今日は乗り遅れた、と諦めながらも小走りでバス停に行くと、運転手さんは私たちが来るのを知ってらして、待ってて下さる。

この前は、行きつけのファミレスで、昼時で混んでいたこともあり、清算の際、レジに代金を置き、店の人に目配せして店出ました。そしたら、その方、後ろから走って「おつり~」といって1円を渡してくれます。「すみません、かえって。1円だから良いかと思ったんですが」というと、「だめですよ!」と叱られました。

こんな日本の良心がある限り、この国は大丈夫。
そういう自信をもって、不安を払拭して頑張らなきゃ。そして次回の選挙には絶望などせずに行きましょネ。
明日は雪とか。こんなに降るかな?
真っ白な雪で、どうかこの世を浄化してくだされ~