2014年10月9日木曜日

インターナショナル・スクール VS フランス現地校

台風18号がここ横浜にも来訪し、去って往った今週。
金木犀も吹き散らされたかと思ったけれど、今朝あたりより また香しい匂いと共に再び開花しているようです。
それにしても、あっという間に10月なんですね。
10月といえば、ハロウィン。
日本でもすっかり定着したようですね。
子猿たちが横浜にあるインターナショナルスクールに通い始めて、2ヵ月近く経ちました。
もうすっかり慣れてきたようです。

まず英語。
兄猿は9歳ですので、インターでは4年生。
兄猿、パリの学校で2年、3年生のときに「英語特訓クラス」とやらを採っていたこともあり、意外なほどに、英語は苦になっていないようです。また兄猿は性格的に、好奇心が強く、
たとえ上手に話せなくても、周りに迷惑となっても、話してみたい、読んでみたい、書いてみたい派で、
私などはそのふてぶてしさにあきれることもありますが、
この新しい環境では吉と出ているよう。

一方、2年生のちび猿は、当初は、
「ボク、英語は話せないんだ」
「フランス語セクションに行きたい(このインターには、小さいながらもフランス学部があるのですよ)」
と少しだけおじけついてましたが、先生のサポートのお陰で、この何週間は、急に自信がついたみたい。

そして、子供は語学に強い、という神話は本当だと思いました。

ちび猿は毎晩、30ページ程の簡単な絵本を読まなくてはならないのですが、元々、ほとんど文盲だったのに、毎日上達しているし、英語の発音も本格派です。

とにかくにも学校側の援助なしではここまで来れなかったでしょう。
兄猿・ちび猿2人とも、現在は、普通の授業の合間に、毎日30分、英語の先生に特訓してもらっています。まずはこれを8週間やってみて、その効果をみてもっと必要があれば、続行するそうです。

それに加えて、ちび猿は先生の計らいで、授業中にミニiPadを貸与されていて、それに言いたい言葉をフランス語で書いて、英訳させるという試みもしてくださっているよう。
ただこれは効果があるのかしら。……ガジェット好きのちび猿は、そりゃ憧れのiPadに大喜びだけど、何しろ、フランス語の綴りもままならない子猿だからインプットする時点で誤字フランス語でしょう。
翻訳ツールは機能するのでしょうかね。

…...とにかくこの英語に関する援助には、学校に感謝感謝です。



その他、フランスの学校と比べて違うなぁ、という点を挙げますと、

・ とにかく「ファンタスティック!」
……噂には聞いていた、アメリカのポジティブ・フィードバックは予想以上にそうでした。
「うちのコ、どんな感じでしょうか」と聞けば、「He is ファンタスティック!いい感じいい感じ!」ってなもんで、
体育の先生とすれ違えば、「今日もちび猿君、よーく走ってた!He's グレイト!」。
図工の先生に会えば、「兄猿君は天才ね!ちび猿君の色のセンスはファンタスティックよ」

……とまぁ、実際を知っている母猿からすれば、色んな事象の中から見つけ出した褒めどころを10倍以上誇張して褒める褒める。
母猿が、「でも、うちのコ、綴りがだめでしょ、字が汚いでしょ」など言って、ほんとのところを聞き出そうとしても、「あらぁ、そんなのいいのいいの! それより、聞いた?兄猿君の達成度チェック。すごい進捗状況よ」と、とにかくポジティブな点にフォーカスを当てているようです。

母猿、最初は、この「褒めすぎ」傾向に戸惑ったものでしたが、今では、徹底的なポジティブ思考に、ある種の爽快感を感じています。

私は子猿たちに対して、「よーやった。でもここは全然だめ。改善するように」と、現実を見据えて説教するタイプで、それは、もちろんその方が子供のためになるだろう、と思っていたからなのですが。
徹底したポジティブ精神は、確かに子供に自信を植えるだろうな、と、認めざるを得ないようになりました。
考えてみたら、短所なんて、本人が一番知っているだろうし、また他人から指摘されたところで本人がそう認識していなければ、ガタガタいってもしょうがないのかもしれないし。

フランスの学校はどうだったっけ、と思い起こすと、私と同じ程度のポジ・ネガ混合フィードバックだったかと。ネガティブな意見も、歯に衣着せずに「字が汚すぎ!やり直し!」という感じ。ま、私もきついタイプだから、「そうそう、汚い! 書き直しなさい!」と追撃してましたっけ。あれは良くなかったのかもなぁ。



・チームワーク重視
これも噂には聞いていたことですが、本当に、チームで色々プロジェクトを組むようです。例えば、算数などという、個人で問題を解いて訓練するしかないでしょ、と思われる科目でも、「解き方をグループごとに考えて発表する」らしい。このアプローチが学習能力にどうなのかは不明ですが、少なくとも、友達とワイワイ考えるのが楽しいみたいです。家に帰ってきても、「誰々がこんなこと言ってね」とか「そのときに僕がこう提案したんだ」という話が多くて、特に兄猿は社交的でないので、受け入れてもらえてよかったね、友達と楽しい時間が持ててよかったね、と思いますし、兄猿はこの経験より少し自信がついてきたように見受けられます。

フランスの学校ではまだ学年が若かったこともあり、チームでやるプロジェクトはなかったような……。個人主義ってやつですかね。

・プレゼンテーションも多い
兄猿のクラスでは早速、科学の授業でプレゼンテーションがありました。親も観に来ていいよ、ということだったので行ってきましたが、あらあら、リッパだこと! コンピューター使ったり、模造紙に資料を書いたりと、やってるヤッテル! これらプレゼンはチームでやってよし、一人でやってよし、という鷹揚な姿勢もいいな、と思いました。

また小2のちび猿たちも、週に一度くらいはクラスメートの前で、自分の好きなものについて話すとか、あるトピックに対する意見を述べるなど、パブリック・スピーチの練習をしています。
フランスの学校ではこういう機会はなく、それがあのフランス人のプレゼン下手に繋がっているような気がします。
かぼちゃシリーズのネタがつきましたので、小花を一つ……
・ 父兄参加型のイベントが多い
多いどころじゃない、すごく多いです。既に、しょっちゅう授業参観があるし、朝礼にもどうぞ、っていうのもあった。そしてまもなく、ハロウィンのべークセール、体育祭、クリスマスバザーなどもあるようですし、2週間に一度はイベントがあるんじゃないかな。その準備のために駆り出されること多くて、その他にも親のためのクラブ活動というのも盛んだから、四六時中子猿の学校にいる気がします。子猿たちも、もう「ママもここにいる人」という感じなのか、学校ですれ違っても、「Oh,hi!」ってなもんです。
働いていたら、こうはいかないと思うけれど、学校と家庭の敷居が低いのは子供にとってはいいことなのではないか、と思います。一体感というのかな、なんか安心するんじゃないかしら。
フランスの学校では年に1、2回しか、子供達の教室に入る機会がなかったですし、「家庭は学校の方針に口出すな」という感じありですし。

……と長くなりましたが、その他にも、一クラス少人数制、音楽・美術教育重点的、イジメゼロ!という姿勢、先生は夜でもメールでやり取りに応じてくれるほど親身、あと日本語教育も週2時間ある、給食がおいしい、放課後のクラブも充実している、など、いまのところ、新しい学校に満足の親猿・子猿です。 

ま、今はね、年齢的にも進路とか考えなくてもいいし、プレッシャーもない、少年時代の黄金期。
この時代を謳歌してもらうとします。